中型トラックの平均燃費について!燃費を向上させる運転方法とは?
国内で最も活動している中型トラックを所有している事業者やドライバーにとって「燃費」は非常に重要です。ところで燃費は普段からちょっとした工夫をすれば改善するのをご存知でしょうか。
今回は中型トラックの平均燃費、燃費を向上する方法についてご紹介いたします。
Contents
中型トラックの各メーカーの平均燃費は?
事業者やドライバーにとって、トラックのメーカーの燃費に違いがあるかどうか気になるものです。そこでまずは各メーカーの中型トラックの平均燃費をご紹介いたします。
日野自動車 レンジャー
日野自動車のレンジャーは日野自動車の中型車です。
国が定めたセーフティ・カーの基準を満たした安全性能の高いトラックで、例えば歩行者探知機能やドライバーモニターやふらつき警告や車線から外れた時の警告など、様々な装置がドライバーをサポートしてくれます。
中型車は長距離の輸送を行うことも多いので、長距離運転によるドライバーの負担を軽減するための工夫も凝らされています。
まるで乗用車のような座り心地や車内での移動のしやすさなど、昔のトラックとは大きく変わっています。
排気量は型式で違います。FC2ABAは5120cc、FC7JJWAは6400cc、FC2JGBAは8000ccの排気量となっており、燃費性能も高いのが特徴です。
車速やエンジンの回転数、アクセルの開度やアイドリング時間を常に測定します。
さらに運転履歴のデータを基に、燃費を改善できるようサポートしてくれます。実際の実燃費はドライバーによって変わりますが、5.68km/L~6.63km/Lです。
いすゞ自動車 フォワード
いすゞ自動車のフォワードはいすゞ自動車の中型車で、軽量、コンパクト、パワーを兼ね備え、燃費に貢献する次世代エンジンD-COREを搭載しています。
環境に配慮したエコストップは普通乗用車のように信号待ちや停止した時にエンジンが自動停止します。
さらに加速中のエンジン回転数の上昇を自動でカットしたりできるので、燃料噴射量を制御することができます。
通常運転も可能ですがさらに省燃費自動変速ができるエコノモードのスイッチを押すことで、制御プログラムが切り替わって燃費を改善します。
足元がスッキリしていて運転しやすく、セミオートマならクラッチ操作をしなくて済みます。MT車でもエコクルーズが可能なので、低燃費で荷物の輸送ができるので人気があります。
実際にいすゞ自動車のフォワードを使用した場合の燃費ですが、排気量5200ccの型式FRR90の場合は5.30km/Lとなっています。
中型ディーゼルトラックの中でも燃費が特によく、重量税や取得税の減税が受けられます。
三菱ふそう ファイター
ファイターは三菱ふそうの中型トラックです。輸送性能が非常に高くドライバーからも多くの支持を獲得しているトラックです。
三菱ふそうのファイターの排気量も他のメーカーと同様にエンジンのタイプで変わります。
エンジンは4V20と6M60それぞれ4V20は3.9L 4気筒エンジン搭載(排気量4,800cc~4,900cc)、6M60は7.5L 6気筒エンジン搭載(排気量7,545cc)です。
エンジン自体が軽量にできている4V20エンジンは燃費が特に優れたトラックとして、多くの運送会社で利用されています。また、発進時の踏み込みを抑える機能があるので低燃費走行ができます。
燃費やパワフルだけが三菱ふそうの特徴と思われがちですが、万が一事故になった場合でも被害をできるだけ小さくする工夫もされています。その一つがFUPという相手の乗用車への被害低減装置です。
三菱ファイターの気になる燃費は4.9km/L~6.24km/Lと、ドライバーの運転の仕方によって変わるようです。
UDトラックス
UDトラックスは国内の中型トラックのシェアは第4位のメーカーで、現在は日産傘下のトラックメーカーです。
もともと機関車のエンジンなどに使われていた技術をトラックのエンジンに使っているのでパワーで定評のあるメーカーです。
中型車はCondor(コンドル)で、AMTとMTのいずれかを選ぶことができます。特にAMTは燃費性能が良いことで知られています。低回転からターボが使えるVGSターボが低燃費の実現に貢献します。
エコノモードを使って運転すれば信号で停車した時にアイドリングストップをしてくれるので、燃費の改善に貢献してくれるでしょう。切り替えする時にはECONOスイッチを押すだけでプログラムが切り替わります。
UDトラックスの中型トラックであるCondorの排気量は4,6750cc~7,000ccで、燃費は平均で4.36km/Lとなっています。
ドライバーや輸送する荷物によって燃費は変わりますが、上手に機能を使いこなせば燃料費の軽減につながります。
中型トラックの平均燃費を伸ばす運転方法とは?
どんなに低燃費設計になっていてもドライバーの運転のやり方によって多少の違いは出るものです。ここでは平均燃費を伸ばす運転方法についてご紹介いたしましょう。
急のつく運転操作を避ける
トラックの燃費を良くするためには急〇〇といった急のつく行動を控えれば良いのです。例えば「急ブレーキ」や「急発進」そして「急ハンドル」「急加速」などですね。
これらの急が付く動作は燃費を悪くするのです。
大きな車体のトラックを踏み込んだだけ加速するためには、多くの燃料を必要とするので急がつく動作を繰り返していると、他のドライバーよりも燃費が悪くなってしまうので、急のつく癖を直そうと努力すると良いでしょう。
一定のアクセルワーク
アクセルワークなんて燃費に関係ないだろうと思う方もいるかもしれませんが、実際には強い関係があるものなのです。
一定の速度で走行する場合にはアクセルを踏み込む必要がないので、余計な燃料を使う必要がありません。
ところが速度を上げたり下げたりするようなドライビングをすると、加速するたびに燃料を使いますので一定の速度を保てるような運転の方法を身に着けると良いでしょう。
定量の積載量
トラックには荷物を積み込んで輸送するのですが、荷物の量は多ければ多いほど力が必要になるので燃費が悪くなります。
燃費を少しでも抑えたいと思うのであれば、トラックに積み込む荷物の量を考えなくてはならないでしょう。
最適なのは定量の積載量を守ることです。トラックは大きさによって輸送できる荷物の重量が決まっています。その決まった量を積み込めば余計な力を必要としないので、燃費が悪くなることはありません。
必ず積載量を守りましょう。
適切なタイヤの空気圧
乗用車でも同じですが、タイヤの空気圧が走行条件に合っていないと余計な燃費がかかります。トラックも同じで空気圧をチェックして、足らないと思ったら空気を入れて目的地に向かいましょう。
特に高速道路を使って荷物の輸送をする場合には、高速で走行するのに適した空気圧があるので、空気を入れてから運転しましょう。ちなみに中型トラックの場合は7kg~8kgが理想的な空気圧になります。
エアデフレクター(風防)の装着
乗用車とは違ってトラックは面積が非常に多い車両です。しかも荷台には箱が取り付けてあるので空気抵抗を多く受けます。空気抵抗を受けると速度が落ちます。
この時ドライバーは速度を維持するためにアクセルを踏みます。
そうすると余計に燃料が必要になるので燃費が悪くなってしまうわけです。でもエアデフレクターは空気抵抗を減らすことができるので、燃費に影響を受けにくくなるわけです。
なのでエアデフレクターを装着すると良いでしょう。
定期的なエンジンオイルの交換
エンジンオイルはエンジンの動きを円滑にするために重要なオイルです。エンジンを保護するためにも必要なものなので、定期的にオイルの状態をチェックして必要ならエンジンオイルを交換しましょう。
もしもエンジンオイルを交換せず走った場合、加速性能が低下してしまうので燃費が悪くなるのです。
エンジンオイルのチェックはドライバーの感覚でも良いですが、一般的に3か月に1度の交換をする方が良いですね。
ドライバーの意識改革で燃費は伸びる!
燃費は運転しているトラックの車種やメーカーによる影響がありますが、ドライバー一人ひとりが燃費の向上のためにできることを行えば、メーカーに関係なく燃費は良くなっていくでしょう。
例えばエンジンオイルを定期的に交換してエンジンを守る、タイヤの空気圧を最適な圧にする、低燃費化に貢献できるパーツの装着、そして運転をする時に急ブレーキや急加速をしないなども気を付けると良いでしょう。
他にも過積載をしないことも重要ですし、走行中は一定のアクセルワークを行うなども重要です。
ドライバーの意識改革をするためには企業全体で情報を共有したり、メンテナンスを徹底したりすることが必要になります。
燃費を伸ばすことで経済面と環境面の両方にメリットが!
燃費の改善ができれば多くのメリットがあります。例えば会社全体で言えば燃料費の節約ができるようになります。さらに企業ではCO2の削減ができるので環境汚染を軽減させることもできるでしょう。
他にも国の安全基準を満たしているトラックを購入することによって、税金の節約もできるようになります。
少しずつ車の買い替えの時に低燃費自動車に入れ替えれば、全体的な経費を削減することもできるでしょう。
これらの努力によって燃費が向上すれば、利益も上がっていくことが予想できますよね。利益が増えればドライバーにも還元されていくでしょう。
こうしたメリットがあるからこそ燃費をできるだけ伸ばす工夫をした方が良いのです。
まとめ
今回は中型トラックの燃費を各トラックメーカー事にご紹介し、燃費を改善するためにはどうすべきかや、燃費が悪くなる原因などをご紹介いたしました。
この記事が燃費の改善で悩んでいる運送会社の方々のお役に立てれば幸いです。