大型トラックの最高速度3速発進は危険?トルクの強い大型トラックの発進について

   

大型トラックを運転しているときはギアチェンジを面倒に感じることもあり、3速での発進をしてしまう人がいます。

しかし、高いギアで発進をした際、エンジンやギア、クラッチに悪影響が出ることはないのでしょうか。今回は、大型トラックの発進ギアについて詳しく紹介していきたいと思います。

大型トラックのトルクの強さについて

発進ギアを考える際、避けては通れないのがパワーの大元であるエンジンの力についてです。ここで重要になってくるのは「トルク」という概念。

シリンダー内のピストンの上下運動をクランクシャフトで回転に変換し、トランスミッションに伝えるというのがエンジンの仕組みですが、このクランクシャフトを回す力がトルクです。

自転車で言えばペダルがクランクシャフト、ペダルを踏む足の力がトルクといったところでしょうか。

トルクが高ければ高いほどクランクシャフトが回りやすくなるのですから、必然的に発進もしやすくなります。同じように、車もトルクが高ければ出だしが良くなります。

大型トラックは車体が大きいぶん、小型車や中型車と比べてトルクの強いエンジンが採用されます。したがって理論上、ある程度高いギアでの発進が可能となっています。

大型トラックの3速発進は条件によっては可能!

 

では、実際に3速で発進することに問題はないのでしょうか。

空車であること

結論から言えば、大型トラックの3速発進は可能です。

ただし、それにはいくつかの条件を満たすことが必要。その条件の一つが「空車であること」です。つまり、荷物を積んでいない状態でなくてはならないということですね。

荷物を積み込んだ状態で3速発進しようとすると、発進できずにエンストしてしまうおそれがあります。

平地であること

3速発進が可能となるもう一つの条件は、発進しようとしている地点が平地または下り坂であることです。

登坂での3速発進はできないと覚えておきましょう。荷物を積んでいる場合は、3速どころか2速でも発進できないこともあります。

大型トラックの低速ギアの使い方について

大型トラックの低速ギアは1速、2速、3速と種類があります。それぞれどのようなシチュエーションで使うのか確認しておきましょう。

1速

最も低速のギアです。ただし、大型トラックで1速を使うことは基本的にありません。エンジンブレーキを利かせたいときに1速に入れる、というのがほとんどでしょう。

他に考えられるケースとしては、先述したように荷物を積んだ状態で坂道発進するときは2速でも発進できないことがあるため、そのような状況でのみ限定的に用いる程度とされています。

2速

大型トラックの発進で最もよく使うギアが2速です。空車状態と実車状態、どちらであっても使用します。実車状態での坂道発進でもない限り、2速発進にしておけば間違いがありません。

3速

空車状態かつ平地もしくは下り坂での発進時に使用します。多用すると胡椒に繋がる危険もないとは言えませんので、頼りすぎは禁物です。

3速発進はクラッチを痛める可能性が…

覚えておきたいのは、あまり3速発進を使っていると故障に繋がるおそれがあるという点です。といっても、エンジンやギアへの影響はさほどありません。問題となるのはクラッチです。

エンジンは一定程度回転させないとトルクが出ないため、発進時などの低速走行時には半クラが有効なのですが、半クラを多用するということはクラッチを摩耗させるということでもあるため、

クラッチ滑りを起こす原因となってしまうのです。大型トラックに限ったことではなくマニュアル車全般の運転に共通する話ですから、くれぐれも忘れないよう注意しておきましょう。

負担をかけたくないなら2速発進が基本

ここまで見てきたように、大型トラックの3速発進はシチュエーション次第ではありますが可能です。

しかし、多用しすぎるとクラッチまわりの故障を招きかねない運転操作であることも事実。トラックに負担をかけたくないのであれば、2速発進にしておくのが無難であると言えるでしょう。

いちいちギアチェンジを挟むのは手間がかかると感じるかもしれませんが、やはり本来のギアの用途に従って、低速のギアからスタートして徐々に速度を上げていくのが車両にとってはベストなのです。

まとめ

皆さん、いかがでしたか?荷物を積んでおらず坂道発進でもなければ、大型トラックでの3速発進は可能です。

しかし、半クラを伴う操作であるため濫用は禁物。3速発進を行うにしても、故障のリスクは頭に入れておきましょう。

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