玉掛けの吊り方一覧・ワイヤーロープの巻き方とクレーンフックに掛ける方法

   

玉掛けとは、クレーンに物を掛けたり外したりする作業のこと。

言葉にすれば簡単そうに思えますが、れっきとした資格を要求される技能であり、現場で作業しているとこの玉掛けが必要とされるシチュエーションにしばしば出くわします。

今回は玉掛けについて知りたい方のために、ワイヤーロープを使った荷物の吊り方と、クレーンフックへの掛け方をまとめました。

基本的な目掛け、半掛け、あだ巻き掛けのやり方をわかりやすく解説するほか、事前に行う安全確認事項など、玉掛けの基本的な知識もご覧いただけます。

玉掛け作業の前に確認しておくべきこと

まずは玉掛けに関する基本的なことを確認していきましょう。作業を始める前に済ませておかなければならない準備について解説します。

作業に適した安全な服装

玉掛け作業にはそれに適した服装で臨まなければなりません。安全が確保されない服装で作業を行った場合、事故により重大な怪我につながるおそれがあります。

扱う荷物によっては最悪死亡すらあり得るほどです。頭にはヘルメットを被り、上半身は長袖の作業服に革手袋。下半身は長ズボンと脚絆、安全靴でしっかりと体を守りましょう。

また、夏場など暑い日には袖を捲りたくなってしまうかもしれませんが、現場ではこれもやめましょう。長袖の作業着を着ている意味がなくなってしまいます。

総じて、身だしなみを整えてから現場に入るという意識が大切と言えます。

オペレーターとの打ち合わせ

玉掛け作業は一人で行うものではありません。したがって、当然ながら他の作業担当者との事前打ち合わせが必要になります。

中でも、クレーンを動かすオペレーターとの打ち合わせは必須です。

荷物の運搬経路についての情報を共有しているのといないのとでは仕事の効率が変わってきますし、荷下ろしの場所を確認しておくことも欠かせません。

また、玉掛け作業を行うにはクレーンの定格荷重を把握していなければならないため、その数値を聞いておくことも重要です。

荷物の形状・重量・重心を確認

荷物によって最適な吊り方は異なります。そのため、荷物のサイズや形状、重量、どこに重心があるかといった事項を把握することが必要。

基本的な情報を押さえておかないままに作業を進めてしまうと、吊り荷が不安定になって事故を招くおそれがあり危険です。

なお、材質や重さの確認は目視で行います。このことを質量目測といい、玉掛け教習でも習いますので忘れないようにしておきましょう。荷物に重量が書いてある場合は必ずチェックします。

また重心に関しては、地切りをしてゆっくりと吊り上げながら、ブレがないかどうかを見ていくようにしましょう。

吊り方・道具の決定

荷物の基本的な情報を確認したら、作業に使用する道具を選定します。荷物の形状やサイズ、重さによって用いるべき道具が変わってくるため、適したものを選ばなくてはなりません。

特に注意が必要なのはワイヤーの強度です。吊り上げる荷物の重量に応じて、問題なく耐えられる強度のワイヤーを使用しましょう。

玉掛け作業に必要な道具

次に、玉掛け作業を行うときに使う道具についてひととおり見ていきましょう。

スリング

スリングにはワイヤロープ、繊維スリング、チェーンスリングなどいくつかの種類があります。

最もポピュラーなのはワイヤロープで、加工がしやすいこともあって様々なバリエーションが流通しています。ただ、型崩れを起こすおそれがある点は覚えておくべきでしょう。

繊維スリングはベルトスリングとも呼ばれます。高強度の繊維で作られているタイプのスリングで、軽さと柔軟さを両立していることが特徴。

傷つきやすい荷物を扱ったり、頻繁に掛け外しを行う場合に便利です。

欠点は熱に弱いことと、柔らかさゆえに鋭利なものを扱う際には向かないことで、これらのケースでは保護具を併用する必要があるでしょう。

チェーンスリングは文字どおりチェーンでできたスリングです。耐熱性が高く、摩耗にも強いという特徴を持ちます。

連結金具

連結金具とは、玉掛け用具と荷物、または玉掛け道具どうしを連結するために使用される金具のこと。鋼鉄で作られています。

連結金具にもいくつかの種類があります。代表的なものの一つが「シャックル」と呼ばれるタイプで、U字型の本体に玉掛け用具を通し、ボルトを差し込んで固定するという仕組みを持っています。

万能の連結金具であり、幅広い場面で使われます。このほか、引っ掛けて使用する「重量フック」、環状の連結金具である「リング」、荷物を挟みつけて吊り上げる「クランプ」、

頭部がアイ状の吊りボルトである「アイボルト」、1~2本の爪を荷物の水平面に引っ掛けて吊る「ハッカー」といった種類が存在し、状況に応じて使い分けられます。

吊り天秤・モッコなど

玉掛けを効率よく行うために、上記以外にも様々な道具が使われます。

その代表例とも言えるのが吊り天秤。長尺ものを吊り上げるときに使われるほか、スリングを垂直に吊り上げたいときなどにも使われます。

また、モッコと呼ばれる網も比較的使用する機会が多いと言えるでしょう。小型の荷物を一気に多数吊り上げたいときに使われます。

また、モッコの内側にシートを敷くことによって土砂を吊り上げることも可能になります。

このほか、ワイヤロープの撚りによる回転を防ぐサルカン、吊り荷のバランス調整のために使われるチェーンブロックといった道具があります。

保護具

荷物や玉掛け用具が傷つかないよう、保護具を噛ませることも珍しくありません。

麻布やゴム板などを当てるといった基本的なことも行われますし、まくらや歯止めといった道具が用いられることもあります。

玉掛け・ワイヤーを使った荷物の吊り方

ここからは、玉掛け用具とワイヤーを用いた荷物の吊り方を紹介していきます。

あだ巻き掛け

まずは「あだ巻き掛け」と呼ばれるやり方です。これは吊り荷に玉掛け用具を一回巻き付けて掛ける方法。内側に引き寄せる力を防止する効果があります。

長尺ものを吊り上げたいときにあだ巻き掛けを使うと便利でしょう。注意点としては、玉掛け用具が重ならないように巻くことが挙げられます。

目掛け

次に「目掛け」です。吊り荷についている吊り金具にアイを掛けて吊る方法のことを指します。

バランスの良い吊り荷に対して使われます。また、その特性上、吊り荷に吊り金具などがついていることが大前提となります。

注意点としては、あくまでも金具にアイを引っ掛けているだけの状態であること。

玉掛け用具が緩んでしまうと、アイが金具から外れて吊り荷が落下してしまう危険性があります。吊り荷が箱である場合は中身が偏っていないか気をつけなければならないと言えるでしょう。

半掛け

玉掛け用具を荷物の下に回して掛ける方法を「半掛け」と呼びます。重心の安定している荷物に対して使います。

比較的シンプルなやり方と言えますが、荷振れや接触等によって玉掛け用具の掛け位置が移動するなどによって荷物が落下する危険があるため、注意が必要です。

また、吊り角度にも要注意。角度が大きくなると玉掛け用具が互いに引き寄せられちぇしまうため、滑りやすくなります。当て物を行うなどして玉掛け用具がズレないよう工夫しましょう。

目通し掛け

玉掛け用具を用いて荷物を目通しで絞るやり方です。吊り荷が絞り込まれるため摩擦力が増し、吊り荷と玉掛け用具との滑りを防ぐ効果を持ちます。

注意点としては、深く絞るとその部分の強度が落ちたり、玉掛け用具自体が変形するなどして寿命が短くなったりする可能性があること。

また、角張っている荷物に対して目通し掛けを行う場合は、ワイヤロープなどの加工部分が荷物に当たると傷をつけてしまいますから、

玉掛け用具と吊り荷との位置関係に注意したり、保護具を使用したりといったことを念頭に置きましょう。

くくり吊り

一本のワイヤロープを折り返して括る方法です。アイに折り返し部分を通すやり方、反対に折り返し部分にアイを通るやり方、エンドレスワイヤロープを使用するやり方の三通りが考えられます。

くくり吊りを行うことにより、一点一本で吊ってしまうことを避けられます。

玉掛け・クレーンフックへの荷物の吊り方

次に、玉掛け用具を用いてクレーンフックに荷物を掛ける方法を紹介します。

あだ巻き掛け

フックに玉掛け用具を一回巻き付けて掛けるやり方です。

目掛け

フックに玉掛け用具のアイを掛けるやり方です。玉掛け用具の数によって「2本掛け」「3本掛け」などと呼び方が代わります。最も一般的に用いられている方法と言えるでしょう。

半掛け

玉掛け用具の中心部分をフックに掛けるやり方です。

肩掛け

フックの肩にあたる部分に玉掛け用具を掛けるやり方です。

まとめ

玉掛け用具には複数の種類があり、またそれらを使って荷物を吊り上げる方法も様々であることがわかっていただけたのではないでしょうか。

最適な掛け方は荷物によって異なります。ひととおりの方法を覚えておき、状況に応じて使い分けることが大切であると言えるでしょう。

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