白ナンバートラックで起業するなら知っておきたいことまとめ
トラックを見ると緑ナンバーを付けているトラックと白ナンバーを付けているトラックがありますよね。
白ナンバーは個人で仕事をしている方に多く、中にはこれからトラックで事業を始めたいと思う方もいるかもしれません。今回は白ナンバートラックでの起業についてお話いたします。
Contents
そもそも白ナンバーを付けたトラックとは?
白ナンバーのトラックと緑ナンバーのトラックの決定的な違いは何かというと、緑ナンバーは運送業者としてお客様の荷物を輸送して、その対価として運賃を受け取ることが許されます。
白ナンバーのトラックはというと、白ナンバーのトラックというのは自家用自動車として登録されているトラックのことを言います。
普通免許を持っている人は自分の自家用車のナンバープレートが白いことはご存知ですね。
実はトラックであっても白ナンバーであれば自家用車として扱われるのです。白ナンバートラックは自家用に限って荷物の輸送ができます。
つまり自分のお店や会社の商品を輸送するために使用することができる車両なのです。
メリットとしては飲食店をしている場合、自分のお店の商品を販売するために車に乗せ、色々な地域に行って直接販売できるというメリットがあるのです。
デリバリーや出張販売などに活用できるというわけですね。
最近移動販売が注目を集めていますが、白ナンバーのトラックを上手に活用している方が増えているのです。
一人でも起業しやすい白ナンバートラック!
白ナンバートラックは緑ナンバートラックのような面倒な手続きが必要ではありません。法人として運送会社設立したりする場合には人も必要ですし、面倒な手続きで何か月もかかってしまいます。
その手間が無い分気軽に起業ができるのです。
例えば自分で事業を始めて軌道に乗ってきたら改めて法人として会社を設立すれば良いので、その前に自分が始めた事業がどのくらいの収益が出せるのかや、どうすれば効率よくできるのかなどについてを工夫して改良することもできます。
また、緑ナンバーで登録しようとしたら、運転手は1人ではなく最低でも5人は必要になります。
資金も必要になってしまうので、これから1人またはご夫婦だけで起業しようとしている方は、白ナンバートラックでお仕事をスタートされてみてはいかがでしょう。
実は大きな法人化した会社の中には、最初は白ナンバートラックを使って事業を始めたという起業もたくさんあります。
まずは低リスクな白ナンバーで起業をして軌道に乗って資金にもゆとりができてから緑ナンバーを取得すると良いですね。
白ナンバートラックが起業しやすい場所は?
ここでは白ナンバートラックで起業しやすい場所についてご紹介いたします。
建設関係のダンプ
建設関係の会社では工程の中で砂利や土砂を輸送しなくてはならないケースもあります。基礎や整地する時に使う砂利や土や逆に整地した時に出た不要な土や石を運ぶダンプなどが必要になります。
輸送するのに運賃を取るわけではありませんし、砂利や土などを一度で輸送することができるので、建設関係の起業をする時には白ナンバーのダンプを上手に活用すると良いでしょう。
また個人で建設業をしていて緑ナンバーで登録するには人数が足らなくても良いのでおすすめです。
もし会社の運営が順調にいけば社会的信頼も上がっていきます。その時にはより大きな現場を任されることもあるでしょう。
その時になって人数を増やして資金面でも問題なければ緑ナンバーの取得を目指せば良いのです。
自社製品輸送トラック
白ナンバーのメリットをより多く実感できるのが自社製品の輸送トラックです。その例を業種別にご紹介いたします。
食品加工業
小さな街の食品加工業者は自社で生産した製品を様々な取引先へと輸送することができます。
小さな食品工場だとトラックの台数もそんなに多く確保することは難しいですが、白ナンバーなら一人の運転手でも問題ありません。
自社の食品加工製品を輸送する分には、たとえその製品を輸送した先で売上が生じたとしても、自社製品の販売のための輸送に使うだけなので、白ナンバーのトラックであっても法に触れることはまったく無いのです。
製造業
最近自営業を始める若い方々が増えているようですが、その中でも特に多くなっているのが製造業です。例えばトラックを改造して食品の加工ができるようにします。
そして各地へ出向いてそこで軽食やスナックなどを提供することも可能です。
他にも例えば店でピザを販売したり食事を提供しているという会社で、お客様の注文が入ったら製造してデリバリーをすることも可能です。
台数が少なくてもできるので白ナンバーでデリバリーをする製造業の方におすすめです。
産廃処理業
産廃処理業も個人で事業を展開している方もいらっしゃいますよね。実は産廃処理業でも白ナンバーでお仕事をしている方も多いです。
ただし産廃処理業では白ナンバーで許されている運搬の種類があります。それは「廃棄行為が自己の生業と密接不可分であり、業務に付帯して行われる場合」に限られています。
事業に欠かすことができない輸送であると認められた場合は緑ナンバーの取得が必要ないということになるわけです。この部分については詳しく聞いてみた方が良いです。
白ナンバートラックのメリットとデメリットについて
ここでは白ナンバートラックで活動することによるメリットとデメリットについてをご紹介いたします。
法人設立費用がかからない
メリットの一つは法人設立費用がかからないということです。実は会社の設立をするためには必ず発生する費用があります。その費用は定款認証代・印紙代として合計92,000円かかります。
他にも登録免許税として15万円ですが、資本金の1000分の7の金額が15万円を上回る場合はその金額が必要になります。
他にも登記簿謄本ダイヤ印鑑証明代として1,050円、行政書士に依頼するなら行政書士や司法書士の報酬がプラスされます。
社会的信用度が低い
デメリットとしては社会的信用度が低いというのがあります。どうしてなのかというと一般的に営業車というのは緑ナンバーという認識があります。だから社会的信用が得られるのです。
でも白ナンバーのトラックであっても本当は問題ないことをしているという認識をしている方は意外と少なかったりするのです。
そのため社会的信用が低く「ちょっと怪しい会社なのかな?」なんて思われてしまうこともあるのです。
節税対策が取れない
皆さんはトラックの車検についてご存知でしょうか。トラックの車検は新規登録した2年後に車検、そしてその後は1年ごとに車検を受けなくてはなりません。
このトラックの車検にかかる費用は減税措置があるのです。
白ナンバーにも減税措置は取られているのですが、自家用の場合はエコカー減税の減税額も少ないのです。その点緑ナンバーのトラックはエコカー減税によって大きく減税措置が受けられます。
それにプラスして重量税や自動車税そのものが緑ナンバーよりも白ナンバーの方が高いので維持費がとうしても高くなってしまうのです。
走れば走った分だけが魅力の白ナンバートラックだが
白ナンバーは最初の登録費用もかかりませんし、仕事をすればするほど利益につながるという魅力と自由度がメリットなのですが、気を付けなくてはならないのはあくまで仕事があってこその利益であるという点です。
もしも仕事が減ってしまうようなことがあった場合、売上が当然減ってしまうため利益も減ってしまうことがあるのです。
そんな状態が続くと自分自身の収入が減ってしまうということも頭に入れておかなくてはならないでしょう。
重要なのはいかに利用者を増やすのかや、商品の購入額や販売数をいかに維持させるのかです。
最初は白ナンバーのトラックで起業して経営が波に乗ってきたら、改めて会社を大きくすることを検討したりすることも大事です。
今ならデリバリーの利用者が増えているので、お客様の興味を惹きつける商品の開発などをしてみても良いかもしれませんね。
何が起こるかわからないご時世でもあるので、必要に応じて就職したり転職をすることも柔軟に対応して、バランスよく収入を得られるように工夫や努力をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は白ナンバートラックとは何か、白ナンバートラックのメリット、白ナンバートラックにおすすめの業種、そして白ナンバーのメリットやデメリットについてご紹介いたしました。
この記事が白ナンバートラックの起業を検討している方のお役に立てると幸いです。