トラック運転手の健康診断は絶対に必要!健康診断を受ける費用やタイミングは会社が決める?
健康診断が好きな人はいませんが、ご家族や恋人がいる方は受けておかないと心配されますよね。
実は、トラック運転手は、安全運転のためにも健康診断をしっかり受けなければ仕事に従事できません。
トラック運転手に必要な健康診断の項目や異常が見つかった場合の対応について、事業者と運転手の双方に求められる内容などを詳しく解説します。
Contents
トラック運転手に必要な健康診断の内容とは?
トラック運転手をはじめ、従業員として企業に雇われている人は法律で健康診断を受けることが定められています。定められている内容の中には、受ける時期、検査の種類、費用などが規定されています。
以下ではその内容を詳しく紹介していきます。
トラック運転手に健康診断が必要な理由
そもそもトラック運転手にはなぜ健康診断が必要なのでしょうか?
それは、運転中の事故を防ぐためです。健康に起因する事故のうち、いわゆる「生活習慣病」といわれる「脳出血」や「心筋梗塞」が原因の事故が約3分の2を占めるといわれています。
生活習慣病は、自覚をしていれば生活習慣の改善や食生活の管理を自分で行い、事故につながる前に未然に防ぐことができます。そのためには、健康診断を定期的に行い、生活習慣病によってトラックの事故を引き起こす可能性を減らす必要があるのです。
健康診断は生活習慣病による事故を防ぐために、受けるべき必要なものなのです。
トラック運転手が健康診断を受けるタイミング
健康診断を受けるタイミングはあらかじめ法律で以下の通りに指定されています。トラック運転手の健康診断もいかに準じて行います。
①雇用時
②雇用後の定期健康診断(1年に1回)
③深夜など特定業務従事者の健康診断(半年に1回)
健康診断は労働安全衛生法で定められており、事業者の義務として行うものです。定期健康診断の義務に違反した企業は、50万円以下の罰金が課される厳しい処罰となっています。
さらに、企業は従業員に健康診断を受けさせる義務を負っており、従業員に対しては健康診断を職務上の命令として受診させることができます。もしも従業員が拒否した場合は懲戒処分にできることになっているほど重要なものです。
トラック運転手が健康診断を受ける場合にかかる費用は?
上記の通り、健康診断は事業者の義務と法律で定められているため、健康診断の費用は事業者が負担します。
事業者が負担する場合の金額としては、健康保険組合に加入している場合は1人当たり3000~5000円程度になります。
ただし、雇用前に健康診断を受けなければならない場合には自己負担になる場合が多いです。費用は、受診する健康診断の種類によって変わってきます。
通常、入社前に受ける健康診断は検査項目が最低限に絞られており、この場合費用は自己負担で5000円ほどになります。一方で、入社後に受ける定期健康診断と同様の内容で受診する場合は1万円ほどかかる場合もありあります。
トラック運転手に必要な健康診断の検査項目
それでは、次にトラック運転手の健康診断に必要な検査項目を紹介します。
「 既往歴および業務歴の調査」
これまで患った病気の経歴と、健康に有害な影響を与える危険な仕事内容の経歴です。
「 自覚症状および他覚症状の有無の検査」
本人が病気を認識しているまたは他者がその病気を認識しているかどうかです。
「 身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査」
車種によって異なりますが、例えば中型であれば、両眼で0.7以上、左右それぞれの目が0.3以上が基準となっています。
「血圧の測定」
最大血圧130mmHg 最低血圧85mmhg 未満が正常値となっていて、最大血圧、最低血圧の片方でも基準値を逸脱してしまった場合は異常値として診断されます。
その他にも
「 貧血検査」
「肝機能検査」
「血中脂質検査」
「血糖検査」
「尿検査」
「心電図検査」
などが検査項目に指定されています。
トラック運転手が健康診断で異常が見つかった場合
では、健康診断の結果異常が見つかってしまった場合はどのように対応すればよいのでしょうか。
確かに健康診断で異常が見つかった人は運転に適さない状況であると言えますが、異常が見つかったからといって、すぐに運転ができなくなるわけではありません。
事業者の対応
もし、健康診断で従業員に異常が見つかった場合、事業者はどのように対応すればいいのでしょうか?
事業者はまず業務を行えるのかどうかや今後の対応などについて医師に意見を求め、従業員に対してはさらなる精密検査を求めましょう。
医師の意見によっては、従業員の健康管理などを行う必要が生じるので、医師の意見をよく聞いて今後の対応を検討して下さい。
運転手の対応
では、異常が見つかった運転手本人はどうすればよいのでしょうか?
異常が見つかった場合、雇用主である事業者からさらなる精密検査などに関する指示があるはずなので、その指示に従って二次検査を速やかに受けましょう。
もし異常があったのに事業者からの指示がない場合は、自らの命の危険性にかかわることなので、必ず事業者に報告して、指示を仰ぎましょう。
健康診断で異常が見つかったらトラック運転手になれない?
健康診断で異常が見つかった場合、結果によっては内定取り消しになるようなケースもあるようです。
しかし、個々の健康状態や疾患の深刻さによって内定取り消しになるかどうかは変わってくるので、一概にどうとはいえません。
明らかに業務に支障をきたすような疾患の場合は内定取り消しなどの事態にもつながる可能性もあります。例えば、SASやてんかんなどがあたります。
ただし、会社によっては重大な疾患が見つかった場合は、ドライバーとしてではなく、事務職として採用されるケースもあるようです。
トラック運転手として仕事を続けるためには健康管理が重要!
健康診断で異常が発見されて突然仕事を失わないためにも、普段から健康管理を行ていることが大事です。以下では実際にどのような点に気をつけていればいいのかを解説していきます。
生活習慣の改善
ドライバーとして仕事を続けるためには、生活習慣をしっかりと改善しましょう。
まず見直すべきポイントは、食事です。ドライバーの食生活は仕事の性質上、どうしても乱れがちです。例えば以下のような項目が当てはまった方は要注意です。
・濃いめの味付け
・コンビニやファストフードで済ませる
・朝食を抜く
また、運動も大事なポイントです。
・長時間座っている、または同じ姿勢でいる
・仕事の合間でもトラックから外には出ない
ドライバーは時間が取りにくく、厳しい現実もありますが、改善できるところから改善していきましょう。
体調が悪い時は絶対に無理をしない
運転する前に体調がすぐれないことが分かっている場合は、運転管理者に申告しましょう。
健康診断の結果に問題がなくても、自覚症状がある場合は必ず運転管理者に相談し、運転を取りやめさせてもらいましょう。そのうえで、できるだけ早く病院で診察を受けましょう。
体調不良を自覚していながら仕事にでかけて、死亡事故を起こしてしまうというダンプカーの心筋梗塞事故などの実際に発生しています。
体調が優れない、異常を感じるということがあった場合は、必ず運転する前に対処しましょう。
休息はしっかりとる
体調管理のためには、休息をしっかりとることも重要です。
ドライバーはまとまった休息時間が取りにくくゆっくり休める時間が少ないです。なので、休息は取れる時間に取っておくことが重要です。
例え短い仮眠であっても、仮眠をとっているだけで疲れや健康への影響は全く違ってきます。少ない時間でもしっかりと休息が取れるように準備と工夫をしておきましょう。
まとめ
ドライバーの健康診断は、法律で、事業者が受けさせるということが定められています。そのため、入社後は従業員は費用を払うことはなく、事業者が1人当たり3000~5000円程度で費用を負担します。
健康診断は、ドライバーと一般の人々の命を守るための制度です。ドライバーとしての仕事を安全に続けるために、健康診断をうけ、また健康診断で異常と診断されないように日々の生活習慣をしっかりと見直して改善しましょう。