木材運搬トラックの特徴とは?グラップルクレーンに必要な資格も紹介
大きな木材を運搬するときには、木材運搬専用のトラックが必要になります。そんな木材運搬トラックの特徴や仕組みは知らないという人がほとんどです。
そこでここでは、特殊な構造をしている木材運搬トラックについて紹介していきたいと思います。
Contents
国産材の需要の高まり
木材は一時期海外からの輸入がその安さなどから急激に増加しており、その流れに押されて木材運搬車も台数を減らしてきていました。
しかし、国内のスギやヒノキの高品質性が見直される流れに乗って、再びその台数が増加傾向にあります。
木材運搬車は使い方がかなり特殊なので一般的に利用することはほとんどないかもしれませんが、木材運搬に携わる可能性があるドライバーは重要なポイントを押さえておきましょう。
木材運搬車は2種類
トラック式
トラック式の木材運搬車はイメージ通りにトラックの荷台部分に木材を積むというタイプです。トラック荷台部分にクレーンなどが設置されているものもあり、荷台一杯に木材を積むという形式になります。
クローラー式
クローラーとは小さいものであれば立ち運転のフォークリフトのようなものから、大きなものになると重機のようなものまであるタイプのものです。
荷台に木材を載せて運転するトラック式とは操作方法も大きく異なっています。また、サイズに種類が多いのも特徴です。
木材運搬トラックの仕組み
集積のためのグラップル
グラップルとは「つかむ」という意味の英語から名付けられたクレーンのことを指しています。名前の通り、原木をつかんで荷台に載せるということができます。
しっかりと原木をつかむために関節が多いタイプもがあり、その場合は「ローダークレーン」と呼びます。また、つかむ部分だけのアタッチメントをクレーンに装着することもあります。
クレーンが付いているタイプのものでは資格がなければ操作することはできません。
多くのクレーンが吊り上げ荷重が5トン未満となっていますが、これは5トンを超えると別の免許を取得する必要があるだけでなく、必要な書類手続きも増えることが影響しています。
運搬費のためのスタンション
トラック式の木材運搬車の荷台部分の周囲には鉄製の棒が刺さっています。これは積載した木材が動いたり落下したりすることを防ぐための部品です。
普通のスタンションは取り外しをすることができるようになっており、荷台部分にスタンション用の穴が空いています。
取り外し自体は可能なのですが木材を運搬する際には必ず必要になるためにほとんどの場合は取り外しはしません。
また、荷台部分に煽りがなく、スタンションを取り付けることで荷物を固定するトレーラーのことはスタンショントレーラーといいます。これはかなり大型なものが多く、大量の原木を運ぶことが可能となっています。
グラップルクレーンの運転に必要な資格
クレーンの運転の業務に係る特別教育
吊り上げ荷重が1トン以上5トン未満の場合は「小型移動式クレーン技能講習」を受ける必要があります。建築業界、運送業界、特殊輸送業界などではかなり一般的な講習となっています。
また、0.5トン以上1トン未満の場合は「玉掛け特別講習」を受けることが推奨されていますが、実際に玉掛けを行うときはさらに重量が重いものを扱うことが多いためにそれほど実用的ではありません。
玉掛け技能講習
こちらは重量物をクレーンのフック部分に掛けたり外したりすることができるという技能講習になります。
機械や機材、木材、鉄管などをクレーンで吊る際に必要になります。木材以外にも使い道が多く、持っていると重宝される資格でもあります。
木材運搬トラックは何で選ぶ?
積載量で選ぶ
木材を運搬する方法としてはトラック式の木材運搬車やクローラー式、トレーラー式のものなど色々とありますが、基本は「どれだけの量を運ぶか」で選ぶことになります。
積む、運ぶということをバランスよく行うことができるのはトラック式のものですが、荷台部分にグラップルが装備されているトラックはグラップルの重さの分だけ積載できる量は減ってしまいます。それも計算に入れる必要があります。
積載方法で選ぶ
どうやって積むかという方法で選ぶということもあります。切り出し場所から運搬していくには、荷台に積むためにどうしてもグラップルが必要となります。
装備されているトラックなどでないのであれば、グラップル単体で必要となることになります。
また、集荷場から加工場までなど近距離を少量運ぶというだけであればフォークリフトなどを利用することも可能です。
木材運搬トラックは原木輸送のエキスパート!
森や林で切り倒した原木を運搬する際にはその大きさと重さとために普通のトラックではなかなか運べません。そこで登場するのが木材運搬車、木材運搬トラックと呼ばれるものです。
これはまさに原木輸送専門のトラックで、荷台が広く、側面の煽りは高くなっていたり、煽りの代わりに木材落下防止用のポール(スタンション)が立てられていたりします。
まとめ
木材運搬車、木材運搬トラックは街中を走るということがあまりないということもあって、細かい仕組みは知らないという人も多くいるでしょう。
かなり特殊な構造になっており、木材を運ぶことに特化しているトラックとなっていますので知ってみるとおもしろいかもしれません。