10tトラックの最小回転半径はどのくらい?気になるサイズや寸法について紹介!
10tトラックのサイズ表には最小回転半径という項目がありますよね。しかし、何となくどのような数字なのか想像はついても、詳しく分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、10tトラックの最小回転半径について詳しく解説します。
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そもそも10tトラックとは?
トラックにはさまざまなサイズがあり、
- 2t
- 4t
- 10t
などが有名です。このうち10tトラックと言えば一般的に大型トラックのことを指します。この10tというのは「最大積載量」のことを指します。
最大積載量の計算は、
「車両総重量ー車両重量ー乗車定員×55kg=最大積載量」
というように出されます。
つまり車両総重量が20tのトラックで車両自体の重量が10tの場合、最大積載量はだいたい10tということになるのです。
そのため荷台部分にクレーンなどの架装を行っていくとそれだけ積載量は減少していくことになります。また、乗員が多くなるほど同じく減少していきます。
10tトラックの最小回転半径について
最小回転半径とは?
トラックの「最小回転半径」とはハンドルを限界まで切ったときに前輪の外側が描いていく軌道のことを指しています。
つまり最小半径が小さいほど
- 「小回りが利く」
- 「曲がりやすい」
- 「Uターンがしやすい」
ということになります。
計算式では、
「最小回転半径=ホイールベース/sin最大切れ角」
と表されます。
この数値が小さければ小さいほど小回り性能が優れているということになります。しかし実際に運転してみるとこの数値の通りに必ずなるかと言われれば「ならない」とうのが正解です。
これは
- 路面の状態(乾いているか濡れているか)
- タイヤの状態(新品かそうでないか)
- ハンドルをどのタイミングでどれだけ切ったか
ということによって数字が変わってくるからです。
ホイールベースが狭い方が小回りが利く
前輪と後輪の長さであるホイールベースの値が小さければ小さいほど小回りが利くということになり、簡単に言えば運転しやすくなります。この数値が大きくなるとカーブの際に大回りをしなければいけないようになり、それだけ運転はしにくくなります。
また、「道路運送車両法」によって最小回転半径が12mを超える車両に関しては公道を走行することができません。走行するためには運輸局長の許可が必要となります。
各メーカー別で寸法やサイズを紹介
日野自動車 プロフィア
もとは「スーパードルフィン」という名前の大型トラックでしたが、1992年にフルモデルチェンジをした際に「スーパードルフィン・プロフィア」となり、さらに2003年にモデルチェンジした際に「プロフィア」となりました。
こちらの車両サイズおよび規格は、
- 全長:5520mm
- 全幅:2490mm
- 全高:3475mm
- ホイールベース:3180mm
- トレッド:前2050mm / 後1840mm
- 車両重量:7030kg
- 車両総重量:17240kg
- 乗車定員:2名
となっています。
いすゞ自動車 ギガ
いすゞ自動車の代表的な大型トラックである「ギガ」にはいくつかの種類があります。それはタイヤの数や駆動タイヤ数によって数値に違いがあるのです。
「タイヤ設置箇所数×駆動タイヤ数」で表されるのですが、いすゞ自動車では
- 「6×2」
- 「8×4」
- 「前ニ軸」
という種類があります。
例えば「6×2」のものであれば、
- 全長:11825mm
- 全幅:2490mm
- 全高:3155mm
- 車両重量:8860kg
- 車両総重量:24870kg
- 最小回転半径:9.8m
- 乗車定員:2名
となっています。
三菱ふそう スーパーグレート
こちらは大手トラックメーカーである三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」です。
こちらの車両サイズは、
- 全長:11990mm
- 全幅:2495mm
- 全高:3790mm
- ホイールベース:7220mm
- トレッド:前2050mm / 後1850mm
- 荷室内寸法:長さ9635mm / 幅2410mm / 高さ2470mm
- 車両重量:10765kg
- 最大積載量:14100kg
- 車両総重量:24975kg
- 最小回転半径:9.8m
- 乗車定員:2人
となっています。
UDトラックス クオン
こちらは日産UDトラックスの大型トラック「クオン」です。
- 全長:9,120 mm
- 全幅:2,490mm
- 全高:3,100mm
- ホイールベース: 5,525mm
- トレッド前後:2,030/1.840mm
- 車両重量10.795kg
- 最大積載量11.000kg
- 車両総重量21.905kg
- 最小回転半径7.3m
- 乗車定員2人
となります。
前2軸の10tトラックの最小回転半径は?
一般的に前2軸のトラックの場合は最小回転半径は大きくなります。
例えばいすゞ自動車のギガを見ていくと、
- 全長:11520mm
- 全幅:2490mm
- 全高:3170mm
- 車両重量:8540kg
- 車両総重量:19850kg
- 最小回転半径:11.3m
- 乗車定員:2名
となっており、上記の6×2のものと比べると最小回転半径がかなり大きくなっていることがわかります。
10tダンプの最小回転半径について
10tトラックの中にはダンプカーも存在しています。実際には最大積載量がちょうど10tということではなく、だいたい9~11tほどの場合でも10tダンプと呼ばれることが多くなっています。
ダンプカーは工事現場などに土砂を運搬することが多いのですが、現場が常に広い場所であるとは限りません。中には狭い場所で土砂を降ろさなければいけないこともあります。
そのためダンプカーは他のトラックよりも最小回転半径が小さく設計されていることが多くあります。
ここではいすゞ自動車のギガのダンプカーを見ていきます。
- 全長:7670mm
- 全幅:2490mm
- 全高:3300mm
- 最大積載量:9500kg
- 最小回転半径:6.6m
となっており、かなり最小回転半径が小さくなっていることがわかります。
まとめ
10tトラックは言うまでもなく大型トラックで、それだけ運転はしにくくなるトラックでもあります。その最大の特徴は車体の大きさ、長さによる最小回転半径が大きくなることです。
それだけ曲がりにくく、カーブの際には大きく膨らむことになりますので運転する際にはその車両の寸法や最小回転半径などは必ず確認しておきましょう。