低床トラックってどんなメリットがあるの?高床トラックとの違いとは?
皆さんはトラックには床の位置が高いタイプと床の位置が低いタイプがあるのをご存知でしょうか?実はこの二つのトラックは低床と高床といって別のタイプのトラックです。
今回は低床トラックと高床トラックの違いやメリットそしてデメリットをご紹介していきます。
Contents
荷台の高さが低床トラックと高床トラックを分ける
まずは低床トラックと高床トラックの何が違うのか?その違いについてをいくつか説明いたします。
低床トラックというのはその名前の通りで床の位置が低くなっているトラックの事をいいます。逆に高床トラックというのは普通のトラックですね。
床の位置が低床トラックよりも高めで、一般的な成人男性のちょうど胸のあたりに床の位置がくるくらいだといえばわかりやすいかもしれません。
一方で低床トラックの床の位置はというと、一般成人男性の腰のあたりくらいなので20センチ~30センチくらいは低いでしょう。
ちなみに低床トラックと高床トラックの基準ですが、地面から荷台の床の位置が低いか高いかで分けられています。床が低いトラックは荷物が重いのかと思っていた方は、なるほど!と思っていただけるのではないでしょうか。
低床トラックのメリットとデメリット
ここでは低床トラックのメリットそしてデメリットについてご紹介していきましょう。
荷台容量の増加
低床トラックが誕生した理由は何も低い方が良いというだけではありません。
低床トラックは床までの高さが低いのでそれだけ荷台を大きく構える事ができるのです。そのため荷物を積める量が多くなるという事になります。
これはトラックの高さ制限が設けられているので、荷物を多く積み込みたい場合高床トラックだと規制に引っかかってしまうので、それならと低床トラックにしてその分にダイを大きく儲ける事にしたのです。
トラック業界では慢性的なドライバー不足です。その割に荷物の量は増加傾向にあります。これを解消する事ができるのが低床トラックのメリットです。
積み降ろし効率向上
たくさん荷物を積み込む事ができるだけではなく、低床トラックは床の位置が低いのでドライバーの負担が軽減されます。荷物を下ろす時や積み込みをする時に床が低いので乗せやすくおろしやすいというメリットがあります。
ドライバーの身体への負担も軽減されるので喜ばれています。もちろん手積み手おろしするところはほとんどありません。大型トラックの場合は荷物の量もとても多く重いので、フォークリフトを使って乗せたりおろしたりします。
この作業を行う時にも低床トラックの方が荷台の確認がしやすく、リフトアップも低く済むので効率が良いのです。
乗り心地が悪化する
低床トラックはメリットが大きいのですが、一方で乗り心地が悪いというのがデメリットになります。なぜならば低床トラックは床を低くするために全体的に低く作られています。すると路面の状況を拾ってしまいやすいのです。
キレイに舗装されている道路を走行する時は良いのですが、道路状況が悪い道路を走行する時は振動をもろに受けてしまうので、腰痛の原因や腰痛などを持っている方は症状が改善されにくいと感じる可能性は否定できません。
しかしながらデメリットを補うだけのメリットがあるので、低床トラックに変更する運送業者も意外と多いのも特徴かもしれません。
高床トラックのメリットとデメリット
ここでは高床トラックのメリットとデメリットについてをご紹介いたします。
乗り心地が良くなる
高床トラックは地面から床までの高さがあるので乗り心地が良くなります。路面の状況が多少悪くても振動を拾いにくく腰痛を持っている方にとってはありがたいですね。
トラックのドライバーは持病で腰痛を持っている方が多いです。そういう方にとってはクッション性が優れている高床トラックの方がありがたいと感じるでしょう。
乗り心地だけではなく運転している時の操作性も多少楽に感じるかもしれません。また、長くトラックドライバーをしている方は乗りなれてる安心感があるかもしれません。
実はこれには理由があります。高床トラックはタイヤのサイズが大きいので、ドライバーに負担がかかりにくいのです。
積み荷の負担軽減
ドライバーへの負担がかかりにくいという事はつまり、荷台の振動も少なくなるという事になります。となれば当然ですが荷物への振動も少なく済みます。だから精密機械などを輸送するのに適しているのですね。
例えば機械部品や崩れやすい食品などを輸送する時などには、どちらかというと低床トラックよりも高床トラックで輸送する事が多いのではないでしょうか。また、タイヤのサイズが大きいのでタイヤの摩耗も少ないです。
つまり整備する時にも比較的整備士の方の作業回数が減って楽になるというメリットもあるかもしれません。
積み降ろしの効率が悪い
高床トラックのデメリットと言えばやはり荷台の床が高いという事でしょう。荷台の床が高いので荷物を積み込みする時や、輸送先で荷物をおろす時に作業性が悪いというのがデメリットだと言えるでしょう。
低床トラックと同様に手で積み込んで手でおろすというやり方はしないでしょうが、フォークリフトで作業を行う時に低床トラックよりも30センチ以上高いとなると、それだけリフトアップしなくてはなりませんよね。
そうなると内部が見にくいですから作業は慎重にやらざるを得ません。すると当然ですが作業効率も低床トラックと比べると悪くなると言えるのです。
超低床トラックとは?
低床トラックとは別に超低床トラックというのがあるのをご存知でしょうか?ここでは超低床トラックの特徴をいくつかご紹介していきましょう。
総輪低床仕様
低床トラックよりもさらに荷台を確保したいという希望から登場したのが超低床トラックです。総輪低床仕様とは全てのタイヤが小さくなっているので、全体の高さをぐんと低くする事ができます。
超低床トラックで使われているタイヤは
- タイヤのホイールをそのままにしてタイヤを薄くした仕様にするタイプ
- ホイールを小さくして全てのタイヤを小さくして全体を低くするタイプ
があります。
全体的に低くなるので乗り心地は当然悪くなってしまうかもしれませんが、エアサスなどを使う事によって乗り心地を上げるなどの工夫した車両が存在します。
低床トラックよりもさらに作業効率が高くなるのが特徴です。
荷台とキャビン両方の空間を確保できる
超低床トラックは荷台を低床トラックよりも下げる事ができるのですが、キャビンと荷台の高さに高低差があります。
つまり
- キャビンは広々としたスペースを確保できる
- 荷台も広々としたスペースを確保する事ができる
などです。
特に荷台の確保に優れているので、重機などを乗せて走行する時に乗せやすく現場で重機を下ろすのも楽にできます。
さらに箱の荷台を乗せればたくさんの荷物を積載する事ができますし、ドライバー不足を解消する事ができるでしょう。
一度に大量の荷物を積み込む事ができるので輸送効率を上げる事もできてメリットがとても大きいです。今後は低床トラックや超低床トラックが主流になっていくのかもしれません。
業界では低床トラックが主流になりつつある
なぜ今低床トラックが主流になりつつあるのか?
それは記事内でもご紹介いたしましたが、広い荷台を確保する事ができるからでしょう。慢性的なドライバー不足と活躍中のドライバーの高齢化が進んでいるからですね。
ドライバーが圧倒的に不足しているのに荷主からの依頼は増える一方です。すると当然ドライバーたちは無理して輸送をしなくてはならなくなります。労働環境の悪化によってドライバーが辞めてしまう事もあるのです。
これを解消する事ができるのが
- 低床トラック
- 超低床トラック
です。荷台が広いので一度に多くの荷物を輸送する事ができるようになります。するとこれまでの労働時間を短くする事ができるでしょう。
人不足を解消できてドライバーとして活躍したい人を増やすきっかけとなっていく事が予想されるので、今後も低床トラックは増えていくと考えられるのです。
まとめ
今回は低床トラックと高床トラックの違いについて、そしてそれぞれのメリットとデメリット、さらにこれからは低床トラックが主流になると言われている理由についてをお話いたしました。
この記事が低床トラックについて知りたい方のお役に立てれば幸いです。