4tトラックの総重量と積載量の関係とは?計算方法を解説!
4tトラックと言えば積載量が4tであると考えている方は多いですが、実は4tトラックの積載量は4tではなく、車両総重量との関係で増減することをご存知でしょうか。
そこで今回は、多くの業種で活躍する需要の高いサイズの4tトラックの総重量や積載量について詳しく解説します。
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4tトラックとは
2度にわたる免許制度の改正でわかりにくくなってしまいましたが、現在も運送業界で「4tトラック」と呼ばれる車両は、車両総重量8t未満かつ、標準の状態での最大積載量が「だいたい4t」の中型トラックです。
2007年6月2日までに普通免許を取得した人(現8t限定)が運転できる、最も大きな車両です。
法改正で中型免許が新設されて以降は車両総重量11t未満が中型トラックとなりましたが、運送業界では車両総重量8t以上の中型トラックは、のちに説明する「増トン」と呼びます。
ややこしくなってしまうのは、「4t車」「10t車」のような呼び名はトラックメーカーや運送業界が使っており、道路交通法や道路運送車両法の区分とは違うためです。
4tトラックは積載量が4tという意味ではない!
前項で「標準の状態での最大積載量が『だいたい4t』」と書いたのは、トラックは荷台の装備により最大積載量が変わるためです。
ウィングやパワーゲート、ジョルダー(ジョロダー)などの装備や、冷凍冷蔵車のように冷却装置を必要とする車両、平ボディーでもクレーンの搭載などで最大積載量は変わります
また、「ワイド」「ロング」「超ロング」など、荷台のサイズによっても最大積載量は変動します。荷台が大きければ大きいほど重量も増えるため、最大積載量は減ってしまいます。
つまり「4tトラック」とは「何も装備がない標準の状態で最大積載量が4t」なだけで、装備の重量が増えれば最大積載量は減っていくのです。
では、車両総重量は最大積載量とどう関係するのでしょうか。
4tトラックの総重量と積載量の関係とは?
「車両総重量=最大積載量+車両重量+(乗車定員数×55㎏)」です。つまり、「最大積載量=車両総重量-車両重量-(乗車定員数×55㎏)」となります。
車両総重量は変えられないので、車両重量が増えれば最大積載量を減らすしかありません。荷台の形状や装備で車両重量が増えれば、そのぶん最大積載量が減っていくことになります。
4t車で最も多いウィングでは、最大積載量は2.2~3.2tほど。最大積載量をなるべく増やすために、ウィングをアルミより軽い幌にしているトラックもあります。
登録後に装備(架装といいます)の変更を行った場合は、管轄の運輸支局で構造変更手続きをしなければなりません。手続きなしで大きな変更を加えることは禁じられています。
手続きを行い新たに車検を受けると、新しい車検証が交付されます。届け出なしで構造変更をすれば不正改造にあたり、運転者には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
4tトラックの積載量・各寸法についてタイプで紹介!
標準4tウィング車
一般的な標準サイズは、だいたい全長7600㎜,全幅2240㎜,全高3480㎜前後ですが、トラックメーカーや架装メーカーによっても若干の違いがあります。
最大積載量もトラックや装備の材質などによっても違いがあり、2.5t~3.7tぐらいです。
4tワイドウィング車
一般的なワイドは、全幅が2490㎜ぐらいになります。
ワイドの需要としては、最も流通している「イチイチ」と呼ばれる1100㎜×1100㎜サイズの樹脂パレットが2枚並べられるという理由が最も多いでしょう。
単なるワイドの場合、全長は標準とほとんど変わりません。ただしワイドボディの多くは、幅も長さも大きめの「ワイドロング」となります。
ワイドロングの場合は、全長8650㎜,全幅2490㎜,全高3510㎜ぐらいになります。最大積載量は、2t~3.5tぐらいといったところです。
平ボディー車
平ボディーの場合も、高さ以外の寸法はウィングや箱車とあまり違いがありません。ただし、積み荷の高さがキャビンを超える場合は、その荷物を積んだ状態の全高をしっかりと考慮する必要があります。
最大積載量については、特に架装がなければ4t近くなりますが、クレーンなどを装備している場合はやはり少なくなってしまいます。
オバケ4t(超々ロング)
あまり目にすることはありませんが、「オバケ4t」と呼ばれる4tトラックがあります。
道交法では車両のサイズは全長12000㎜、全幅2500㎜、高さ3800㎜までとされていますが、その限界までのサイズの荷台が付いたトラックがオバケ4tです。
そのサイズは、大型トラックとほとんど同じ。けれどあくまで4tトラックなので、タイヤは2軸で4tサイズのため、とてもアンバランスな見た目になります。
また、シャーシも4tのものなので、後輪から後ろの部分が非常に長く、オーバーハング(いわゆる「ケツ振り」)も大きくなるため、運転の難易度が高いトラックです。
ここまで荷台が大きければ、最大積載量も当然小さくなり、1.75t~2.25t程度です。
何に使うかというと、発泡スチロールやエアパッキン(プチプチ)、ポテトチップスなどの軽量のものを運んだり、ラッピングして広告宣伝車として走ったりという用途です。
車体の大きさに対して車両が軽すぎるため、横風の影響を大きく受けるというデメリットがあります。
積載量がオーバーしてしまう時に活躍する増トン車
サイズ的には4tトラックで足りるけれど、重量的には積載するわけにはいかない場合に活躍するのが「増トン車」です。
4tトラックの車軸やフレームを強化することで積載できる荷重を増やしたトラックで、見た目は4tとほぼ同じでも最大積載量が6tや8tとなっている中型トラックです。
8t限定の免許では運転できず、車両総重量11t未満かつ最大積載量6.5t未満であれば限定なしの中型免許、それ以上の場合は大型免許が必要になります。
また、呼び名も「4t」ではなく、最大積載量に応じて「6t」「8t」などと呼ばれます。見分け方は、「見た目は4tトラックだけどナンバープレートが大きい」というのが最もわかりやすいでしょう。
増トン車を運転する際には、運転可能な免許を所持しているかどうかにも注意が必要です。
まとめ
車両総重量が8t未満である4tには、最大積載量が4tのトラックはまずありません。
4tトラックを運転する際には、事前に最大積載量を確認しておくことが大切です。