運送業界で使われる持ち出しってどんな意味?
どのような業界にも専門用語が存在しますが、運送業界における持ち出し中とはどのような時に使われる用語なのでしょうか。
近年では荷物の追跡サービスの普及により持ち出しの文字を目にする機会も増えてきています。そこでここでは、運送業界で使われる持ち出しの意味について解説していきます。
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頼んだ荷物が何処にあるか分かる追跡サービス
佐川急便、ヤマト運輸、そしてゆうパック。
大手3社はもちろん、中堅や国際貨物でも導入されている追跡サービスとはどのようなものか、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
追跡サービスとは、各配送業者が運営するサービスで、発送された荷物が今どこでどのような状態かがわかるものです。
荷物を発送する際、発送元や配送先が個人・法人にかかわらず、発送された荷物には、その荷物固有の番号が割り振られます。
荷物が複数になったとしても、かならず「親」と呼ばれる「小口を代表する荷物」があり、その親となる荷物に貼られた「親伝」という伝票に番号が記載されています。
業者によって「荷物番号」「受付番号」「お問い合わせ番号」等さまざまな名称がありますが、発送元がこの番号を配送先に伝えることで、荷物を待つ人も追跡サービスを利用することができます。
この記事では、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵政という大手3社の追跡サービスについて解説していきます。
運送業界で使われる持ち出しの意味とは?
「持ち出し」とは、読んで字のごとく「荷物を持ち出している状態」です。宅配業界で「持ち出し」という言葉が使われるのは、配送先に向かうためにドライバーが持ち出している状態です。
発送元からセンターへ「荷物を持ち出して」いる状況は当てはまりません。
追跡サービスが当たり前になる以前は、荷物の状況は宅配会社に電話で問い合わせるしかありませんでした。
電話をかけてみると「今ドライバーが持ち出し中なので、本日中には到着します」などと返事があったりしたものです。
また、センターや郵便局に荷物を受け取りに行くと「持ち出し中なので今ここでお渡しできません」と言われることもありました。
追跡サービスが当たり前になった現在も、追跡サービスサイトに番号を入れると「持ち出し中」というステータスが表示されることがあります。
地域担当の配送ドライバーが荷物を積んでいるので、不在でなければ基本的には今日中に到着する状態です。
追跡サービスで見る荷物が消費者に届くまでの流れ
引受
ヤマト運輸では「荷物受付」、佐川急便では「集荷」、日本郵政では「引受」と表示されますが、各センターで受付処理を行ったということです。
ドライバーが集荷する際、ハンディターミナル(PDT)などの端末に情報は登録されていますが、集配センターに到着するまでは受付を完了したことにはならない業者がほとんどです。
言い換えれば、ステータスが「受付」等になっていた場合は、センターに到着したと考えられます。
発送
集荷を受け付けた支店から発送した状態です。受付と同時に反映されることもあります。このステータスはヤマト運輸のみで、佐川急便と日本郵政にはありません。
中継
遠方から送られた荷物は、直接配送先のエリアに届くわけではありません。あちこちから集荷したたくさんの荷物をセンターでまとめ、方角別の便に載せられます。
たとえば東京から九州に向けて発送した荷物は、直接九州に行かず、関西などを経由します。
関西向けの便に九州方面や中国方面、四国方面などの荷物もまとめて積み込み、関西でまたそれぞれの方角の便に分かれるというような流れになるためです。
そうやっていくつかの中継点を通過していくわけですが、このステータスではどこを中継したかがわかるようになっています。
ヤマト運輸は「作業店通過」、佐川急便は「輸送中」、日本郵政は「中継」と表示され、それぞれ担当した支店や営業所、局の名前が表示されます。
到着
日本郵政のみ「到着」のステータスがあります。配送先を管轄する局に荷物が到着したという意味で、まだ配送先には到着していません。
担当ドライバーの手元に荷物があるとは限らないので、すぐに配達されるとは限りません。午前中に到着していたとしても、時間指定等があれば持ち出しは午後になります。
持ち出し中
先に解説した、ドライバーが荷物を持ち出している状態です。ヤマト運輸と佐川急便は「配達中」、日本郵政が「持ち出し中」と表記しています。
お届け先にお届け済み
受領印が必要な場合は配送先の人が荷物を受け取った状態ですが、ポスト投函の場合は投函が完了したことを意味します。
このステータスになっていても荷物がポストになければ、盗難に遭ったと考えられる事態です。
「お届け先にお届け済み」は日本郵政の追跡サービスでの表示で、ヤマト運輸と佐川急便は「配達完了」と表示されます。
状況によっては反映されないことも!
滅多にありませんが、稀にいつまで待ってもステータスの表示が変わらないことがあります。
繁忙期で配送が追い付かない、機械のミスでバーコードが読み飛ばされてしまった、端末などの不具合、担当者が入力を忘れてしまった等が要因です。
また、気象状況や自然災害、予期せぬ事故渋滞等で配送が滞ってしまったためにステータスが変わらないこともありますし、非常にレアなケースとしては、紛失ということもあります。
あまりにもステータスが変わらないようであれば、荷物が止まっている局や営業所、支店に問い合わせてみましょう。
まとめ
追跡サービスは、荷物を受け取る側だけのサービスではなく、発送元にとっても「間違いなく発送した」と証明できる便利なサービスです。
再配達が問題視されている昨今、不在時の持ち戻りを減らすためにも、追跡サービスを活用してみてはいかがでしょうか。