フルトレーラーの特徴やスペックを解説!ドーリー式とセンターアスクル式の違いとは?
フルトレーラーは運転が難しいことで知られていますが、中でも車庫入れやバックするのが難しいため、中々うまくいかなくてイライラすることもありますよね。
そこで今回は初心者向けのフルトレーラーの車庫入れの開設をいたします。
Contents
フルトレーラーの特徴
フルトレーラーにはドーリー式とセンターアスクル式がありますが、この二つのフルトレーラーの特徴をそれぞれご紹介いたします。
ドーリー式
ドーリー式、あるいはドリー式のフルトレーラーはカ前軸台車これをドリーと言いますが、このドリーにトレーラーを連結するのでドリー式、またはドーリー式のフルトレーラーといいます。
このタイプはドリーが付いている状態のいった一体式のものと、セミトレーラーを連結できるものがあり、セミトレーラーを連結するものはランディングギアが装備されていて、ドリーを外してセミトレーラーに取り付けることができます。
ちなみにドリー式の場合は前輪と後輪までの間が離れていて、連結器とドリーの2か所のコントロールが難しく、バックするのに技術が必要になるだけじゃなく、ジャックナイフ現象やスネーキング現象などが起こりやすくなります。
センターアスクル式
もう一つがセンターアスクル式で、こちらはドローバーという棒状の連結器が付いているタイプです。トラクターの後軸部分に連結するようにできています。
このタイプはドリー式と違ってバランスが崩れることがありません。
なぜならドローバーがあるため折れ曲がることがないので、感覚的にはセミトレーラーとあまり変わりなく運転することができるからですね。
後退する時も折れ曲がるところがありませんのでバックする時も楽に感じるでしょう。
ただしセンターアスクル式も全く危険が無いというわけではありません。トレーラースイング現象が出やすい傾向があるので、運転する時には注意しながら安全運転を心がけましょう。
構造が違っても安全運転に気を付ける点では同じなのです。
フルトレーラーの車庫入れはなぜ難しいの?
一般的なセミトレーラーと違ってフルトレーラーの運転、特に車庫入れが難しいと言われているのはなぜなのか、その理由をわかりやすく解説いたします。
連結部分が運転席から離れている
フルトレーラーは連結部分がセミトレーラーと比べると運転席から離れています。
連結部分が運転席から離れているということは、どんな風に動いているのかを目視するのが難しいということです。社外が長いからの問題ですね。
車体が長いということは運転席のタイヤと最後尾のタイヤの間も長くなっていますので、その分内輪差も大きくなるということになるわけですね。
そのためバックする時にも内輪差をよく頭に入れてハンドル操作をしなくてはなりません。
なので運転に慣れていない間はバックする時、車庫入れをする時にはどちらにハンドルを切れば車体をまっすぐにできるのかがわかりにくく、狭い場所への駐車に慣れないと接触などの事故になりやすいので気を付けて運転しましょう。
連結部分が2ヶ所
フルトレーラーがバックが難しい理由の一つが連結部分が2か所だからというものです。
先ほども少し触れましたが連結箇所が2か所あるということは、ハンドルを切ると2か所で違う動きをしてまっすぐな状態を保つのが難しくなります。
ちなみに特殊な装置を使うことで連結部分を一つにすることができるのですが、全ての会社で装置を持っているわけではありませんので、コツとしては連結部分でどんな動きになるのかを連想しながら運転すると良いでしょう。
例えば右にぶれたら右にハンドルを切り、左だったら左にハンドルを切れば良いわけですので、その動きをしっかりと頭に入れてタイヤの動きも頭にいれつつ上達するようにしましょう。
本当なら練習すれば良いのですが、練習にも限界があるのも事実です。
練習場所の確保が難しい
フルトレーラーは2連なのでかなり大きなトラックです。大きなというか長いトレーラーになるので、満足に練習するためには広いスペースが必要になります。
巨大な敷地を持っている企業に勤めていれば、その巨大な敷地を使ってバックの練習もできるでしょう。
しかしながらそれほど広い敷地を確保できない場合、周囲にトラックなどの車両があったり倉庫や車庫などの建物があったりするので、そんなに頻繁に練習することができないというのも練習が難しいというのが本音ではないでしょうか。
こうしたことから、フルトレーラーの後退の練習ができず、現場で実践して経験を積んで運転の感覚を掴んでいく方が多いのも事実のようですね。
もちろん回数を増やせばどんどん慣れていくので、最初は人に見てもらうなどサポートをいただきながら上達していきましょう。
フルトレーラーの車庫入れのコツとは?
初心者でもわかりやすいフルトレーラーの車庫入れのコツをご紹介していきます。
一気に切り込まない
普通乗用車やトレーラー以外の車両のように、一気にハンドルを切らないことが重要なポイントです。ハンドルを一気に切りすぎると当然連結部分も同じように大きく切れてしまいます。
そうなると切り返すのが難しくなります。
フルトレーラーの場合は少しずつハンドルを切って様子をみながら車庫入れするとうまくできます。少しのズレなら把握もしやすいですし切り返して戻しての回数も少なくなります。
ちなみにブレが大きくなると元に戻すのに時間がかかります。
最初は時間がかかっても少しずつぶれたら直す、直したらバック、バックしてぶれたら直すというようにしていきましょう。
確実に慣れていき上手にバックができるようになりましょう。必ず上手になっていきますよ!
先にイメージを作る
トラックのドライバーになりたての頃、恐らくバックする時には車庫を確認して、どのようにして車庫入れをするかを頭の中でイメージしますよね。
実はイメージが強ければ強いほどイメージ通りにハンドル操作ができるようになります。
トレーラーの場合はハンドルが逆、フルトレーラーの場合はその逆ということを覚えておきましょう。ハンドルとタイヤの動きを一緒にイメージしながらゆっくりと操作していくと良いですね。
まっすぐを意識しましょう。
初心者の方でももちろんですが、実際に上級者の方もイメージしながら車庫入れをしているので、必ずまっすぐに入れるを意識してイメージしながら少しずつハンドルを切って車庫入れが上達するように努めましょう。
死角よりも視認できる方を注視する!
フルトレーラーは全長が非常に長くなるものです。最後尾までを目視するのはハッキリ言ってできません。
最近ではバック用のカメラが備えてあるものも多いですが、ほとんどの場合はバックモニターが付いていないと考えましょう。
そのため普通のトラックよりも死角が多いのも事実ですよね。むしろ死角ばかりだと考えておいた方が良いかもしれません。例えば運転席側は見えても前方や助手席側のほとんどが全く見えない状態です。
特にバックする時にはミラーはあてになりません。
だからこそ自分の視覚で見える場所が重要になります。見える範囲をしっかりと見てバックするよう癖をつけておくと良いでしょう。
もちろんサイドミラーをチェックすることも忘れずに!後は助手席側の窓も開けておくと危険度が下がります。
フルトレーラーの車庫入れは何度か切り返すつもりで!
ここまでの説明をご覧になってフルトレーラーのバックがいかに難しいことであるかということがわかっていただけたでしょう。
大型トラックの車庫入れを行う時に比べても各段に難しいフルトレーラーの車庫入れは、上級者でも慣れっこになることはありません。
もしもこれまで自分の車の車庫入れがいつも一発で決まる!と思っている方でも、フルトレーラーの車庫入れを一発で入れようなんて思わないことです。
実際に上級者の方も一発で車庫入れができるとは考えていないでしょう。
確実に接触しないように安全に車庫入れするためには、何度も切り返しながら確実に車庫入れするようにしているのです。
中には切り返しをしていたら時間がかかると思うかもしれませんが、実際には切り返しをこまめにした方が時間がかからないのです。
なのでフルトレーラーの車庫入れをする場合には、車庫入れをイメージし、安全確認と視認できるところをしっかりチェックし、こまめに切り返しをして確実に安全に入れるのが一番上手に短時間に車庫入れをしていきましょう。
まとめ
今回はフルトレーラーの車庫入れの難しさ、そして車庫入れを上手にするためのコツなどについてを簡単ではありますが、ご紹介いたしました。
少しでも車庫入れが上達できるように頑張りましょう。この記事がフルトレーラーのドライバーを目指している方のお役に立てれば幸いです。