トラック業界の現状と課題とは?これからトラック業界はどう変わる?
トラックドライバーとして活躍したいと考えている方にとって、今のトラック業界の現状がどうなっているのかはとても気になるところでしょう。
さらにこれからのトラック業界の行く末についても気になりますよね。そこで今回はトラック業界の現状そして今後についてご紹介いたします。
Contents
トラック業界の現状とは?
まずはトラック業界の現状についてご紹介いたします。ドライバーを目指している方はぜひ参考になさってください。
深刻な人手不足
トラック業界は他の業種とは違って深刻な人手不足に悩んでいます。
その理由はさまざまですが大きな原因はドライバーの高齢化と運転免許の複雑化、そしてMT車の運転免許の取得者数の減少など、複数の要因が絡んでいます。
また、若い方がドライバーとしての仕事をするには普通免許の取得から数年かかって中型免許の取得をし、さらに経験を積んで初めて大型トラックのドライバーになれるので、なかなか募集してもすぐに集まらないのが悩みの種です。
トラック業界はどうしても仕事が辛いと思われがちなためなのか、若い人材の確保が難しいというのが今後の課題となっています。
従事者の高齢化
現在活躍しているドライバーの方々の多くは40代以上です。もしかすると40代ならまだまだ若い方かもしれません。
というのもドライバー業界の現状としては、昔からドライバーとして活躍していた方がそのまま年齢を重ねて現在に至っているケースが多いのです。
トラックドライバーの仕事はキツイといわれることも多いため、若い人材の募集をしてもなかなか集まらないのも悩みの種になっています。しかも昔と違って運転免許も細かく分けられてしまっています。
これもドライバーの高齢化に拍車をかけているようですね。
また、AT限定免許の方が多いというのも若いドライバーの確保を難しくしているのも、ドライバーの高齢化につながっています。
物流量の増加
トラック物流は便利になった現代でも最も多く利用されている輸送手段です。小回りが利き配達してもらいたい場所へ輸送することができるからですが、物流の量が非常に多くなっているのが現状です。
その理由の一つが新型コロナウイルスの影響です。新型コロナウイルスの出現によって多くの企業の仕事量が減っている中で、トラック業界を利用する頻度はより高くなっています。
これは新型コロナウイルス新型コロナウイルスが終息しても変わらないでしょう。
どんどん物流量は増え続けていくことが予想されているので、将来的な仕事の確保は他の業種に比べても劣ることはありません。
なぜトラック業界は敬遠されるのか?
仕事の量が確保できてドライバーが不足しているので就職は意外と簡単そうなのに、なぜトラック業界は若い方から敬遠されているのでしょうか?その理由をご紹介いたします。
3Kイメージの定着
今から20年以上前に出現した言葉で、「3K」という言葉がありました。
この3Kというのは「きつい」「危険」「汚い」の頭文字をとったもので、内容がきつそうな仕事を例えて言った言葉ですが、果たしてドライバーの仕事が当てはまるのかというとそれは疑問です。
どちらかというとドライバーの仕事が敬遠される理由は「新3K」の方なのかもしれません。
新3Kは「帰れない」「厳しい」「給料が安い」の頭文字をとったもので、どちらかというとこちらの方が敬遠される理由になっているかもしれませんね。
少なくともこのイメージが定着している間は新たなドライバーの確保は難しいとドライバー業界は考えているのは間違いないでしょう。
低賃金
先ほど出た新3Kの一つである「低賃金」。昔トラックドライバーはあこがれの職業の一つでしたが、その理由が高額報酬だったわけです。ところが最近では昔ほどの高額報酬が望めなくなってきました。
もちろん業種によっては今も高額報酬のところもあります。
ですが他の業種のお給料と比べてみると、確かに低賃金であるという事実は否めませんが、だからといって各段に低いというわけではありません。
ただ昔からドライバーをしている人にとっては「安くなった」と感じることはあるでしょう。
しかもこれだけの理由ならある程度「仕方ない」と考えられなくもありませんが、もう一つ敬遠される理由があるのです。
長時間労働
トラックドライバーの仕事が敬遠される理由の内、お給料が安いという点をご紹介しましたが、低賃金に加えて長時間労働が加わるため、ドライバーの仕事は敬遠されがちになってしまうのです。
例えば他の業種と比べても平均して30時間程度上回っています。
それなのに給料が他の業種よりも若干安いとなれば、長時間働くのにお金が安いとなってしまうので、どうしてもトラックドライバーの仕事は最終的に仕事が無ければとなってしまうのかもしれませんね。
これらの点を改善しなければならないことはもちろん理解しているのですが、それを実現するためには人材をある程度確保することが前提です。
現状を変えるためのトラック業界の取り組みとは?
トラック業界の抱えるこれらの問題を解決するため、トラック業界はあらゆる取り組みをしています。それをここではご紹介いたします。
女性従事者の積極採用
これまでトラックドライバーの仕事は「重い」「危険」といった観点から、どちらかというと男性の仕事という認識が強く、実際に女性ドライバーの数よりも男性ドライバーの数の方が圧倒的に多い業種でした。
この問題を解決するためにトラック業界では、女性ドライバーを積極的に採用するような取り組みを行っています。
重い荷物の輸送を行う時には手積み手おろしを避け、リフトを使ったりフォークリフトを使ったりします。
さらに荷物を運ぶときには台車を有効活用して働きやすい環境を作るよう取り組んでいるので、女性であってもドライバーの仕事に興味がある方はどんどん応募してみましょう。
運賃の適正化
これまでトラック業界では強い会社が運賃をどんどん安くしたりして、競争が激しかったために小さな運送会社では無理な運賃で仕事を受けていたため、労働時間が長くなったりその割に給料が安かったりしていました。
そのしわ寄せが全てドライバーにかかっていたため、どんどん不満を抱えるドライバーが増えてきたわけです。
これを受けてトラック業界では適正な運賃で仕事を請けて、無理な運行をしなくても済むよう改善する取り組みを行っています。
この取り組みによって長時間労働を裂けることができ、ドライバーのお給料を上げるという目的も達成できるようになってきました。
徹底した運行管理
ドライバーの労働時間が長時間になればなるほど体調管理が難しくなり、睡眠不足による居眠り運転やそれに伴う事故が起こりやすくなります。
また、無理な運行管理によって焦って事故を起こすドライバーがいたのも事実です。
これらの問題を解決するために、トラック業界では運行管理を徹底して行い、ドライバーの健康状態を安定させて睡眠不足や過酷な労働による病気の発生率を下げることに勤めるようになりました。
そのおかげでドライバーが無理な運転をして荷物の輸送をすることなく、健康的で精神的に余裕のある輸送を行えるようになってきています。
トラック業界のこれからについて
これまでトラック業界は私たちのライフラインの確保や、生活を豊かにするための資材を運搬してきました。時代が変わって輸送手段が増えても結果的にトラックでの輸送が主流であることは代わりありません。
つまりトラックが動かなければ、私たちの今の暮らしを維持することは非常に困難になってしまうということです。その反面過酷な労働によるトラックドライバーの減少があるのも事実です。
これを改善するために今後は女性ドライバーが増えるのは確実でしょう。
さらに物流増加に対応するために、トラックの大型化が進んでいくでしょう。
そうなれば今以上にドライバーの数を確保しなくてはならなくなるので、今抱えている労働環境の改善も進んでドライバーがより働きやすくなっていくことが予想できます。
そうなれば、今は敬遠されがちなトラックドライバーの仕事も、やりがいのある働きに合った収入を見込める職業に変わっていき、さらに発展していく業界になるでしょう。
もちろんAT限定免許でも運転できるトラックの導入も増えているので、より働きやすくなる業種になるはずです。
まとめ
今回は、トラック業界の現状はどうなっているのか、なぜトラックドライバーは不足しているのか、これからトラック業界はどうなるべきなのかについてご紹介しました。
この記事がトラック業界の現状や未来を知りたい方のお役に立てれば幸いです。