大型トレーラーの種類ごとの寸法や運転の難易度をご紹介!
大型トレーラーはより多くの荷物や特殊な荷物を輸送するため、トラックの中でも最も車両寸法が長い乗り物になります。
ここではトレーラーの種類、そして種類ごとの車両寸法、そして積載量と運転免許をご紹介いたします。
Contents
大型トレーラーは構造上3つの車両に分類される
大型トレーラーの種類は一つではありません。構造上3つのタイプに分けられそれぞれが適材適所で活躍しています。
大型セミトレーラー
セミトレーラーは最もよく見られる大型トレーラーの形です。皆さんも毎日どこかで目にしている車両ですよね。
例えばガソリンスタンドに石油製品を輸送するために使われているのがセミトレーラーの代表的なものです。液体や危険物などを輸送するのに適しています。
セミトレーラーの荷台の部分は前に連結部、そして後ろに車輪がついていて単体で走行することはできません。連結部にはカプラーとキングピンで連結する仕組みになっています。
運転台のある部分をトラクターといいますが、トラクターはトレーラーを牽引しなくても走行することが可能です。
車体が長いので右左折する時には内輪差を考えて運転する必要がある車両だということを頭に入れて運転しましょう。
大型フルトレーラー
フルトレーラーは最近見かける機会が多くなったトレーラーのタイプで、一度に大量の荷物を輸送することが可能なため、現代のドライバー不足を補い輸送費用を抑えることができるとして注目を集めているトレーラーです。
フルトレーラーを簡単に説明すると、大型トラックの後ろにトレーラーを連結して荷物を輸送するため、横から見るとかなりの長さを感じるトレーラーですね。
でも実際には大型トラックとは違う車両です。また、ドリー式とセンターアクスル式があります。
フルトレーラーのヘッドには荷台が付いていて、その荷台の後ろに連結部があって、そこにフルトレーラー用のトレーラーを連結します。
この時連結するトレーラーには車軸が4つついています。これがセミトレーラーとの違いでしょう。
大型ポールトレーラー
大型トレーラーにはフルトレーラーとセミトレーラーの他に、さらに長尺の荷物を輸送するために造られたポールトレーラーという種類のトレーラーがあります。
このポールトレーラーは例えば電柱とかの大きくて特別長い荷物を輸送するために造られたトレーラーです。
セミトレーラーやフルトレーラーは荷台の長さを調節することはできませんが、ポールトレーラーは荷物の長さによって伸縮することができるようになっているので、建築やライフラインの整備などの資材を輸送するのに適しています。
ポールトレーラーはドローバーや積載物と連結させて一つの車両としても使えます。もちろん長いものを運ぶ時には許可を申請する必要があります。
長いので右左折が難しいと思われるかもしれませんが、ターンテーブルが備わっているので内輪差を抑えることが可能です。
ポールトレーラーは荷台が付いているものと付いていないものがあります。
大型トレーラーの寸法や最大積載量は?
大型トレーラーの寸法や最大積載量を、それぞれのトレーラーの種類別にご紹介いたします。
大型セミトレーラー
セミトレーラーの寸法は規格が定めれているのをご存知でしょうか。特殊車両だからこそ厳しい規定が定められているのです。
セミトレーラーの全幅は2.5m以下であること、そしてトレーラーを連結した状態の全長が18m以下です。
ただしパン型といわれる特例8車種のセミトレーラーは、連結ピンから車両の最後尾までの長さが13m以下と定められています。車両総重量の上限に関してはパン型もセミトレーラーも最大36tです。
また、2軸セミトラクターの駆動軸重は11.5t以下となっています。
実は2015年から規制緩和によってサイズや重量が緩和されたため、輸送できる荷物の量が増えました。
最大積載量については3軸で22tまでなのですが、「バラ積み緩和」が適用されれば最大36tまでとなります。
大型フルトレーラー
大型フルトレーラーの寸法ですが、長さの上限の変更があった2013年以前だと最大17mでしたが、現在は21mまで緩和されたため輸送できる荷物の量も増えました。
ドライバー不足を解消するため今後も緩和が予想されています。
次の緩和で最大25mが実現できればドライバー不足を一気に改善することができるでしょう。なぜならフルトレーラー1台で10トントラック2台分の荷物の輸送を可能とするからです。
つまり1人の運転手でより多くの荷物の輸送ができるようになるわけですね。
気になるのは実際にどのくらいの荷物を輸送することができるのかです。フルトレーラーの最大積載量は荷台の大きさ(重さ)によって変わります。計算方法は次の通りです。
最大積載量=車両総重量ー車重ー乗車定員重量(1人55kg)
大型ポールトレーラー
大型ポールトレーラーは特殊な車両ですが、許可を申請しなくて良い長さの荷物を輸送することも可能です。
例えば許可を必要としない長さの荷物を輸送する場合なら、一般道なら16m高速道路なら12m以下と定められています。
それ以上の長さのものを輸送する場合には通行する道路を管理しているところに許可を申請する必要があります。申請が許可されれば最大で全長21mまでの長さで走行することが許されています。
ポールトレーラーの最大積載量ですが、これについては車両によって変わってくるので車検証を確認しましょう。車検証には最大積載量が記載されており、カッコ内にはカプラーが耐えられる重さが記載されています。
つまり車検証に記載されている以上の荷物を輸送することはできないというわけですね。
大型トレーラーの運転に必要な免許は?
トレーラーのドライバーは昔から花形の職業でした。そんな大型トレーラーの運転に必要な免許と取得した方が良い資格をご紹介いたします。
大型一種免許
まず大型トレーラーの運転をするためには大型一種の免許の取得は必須です。これがなければ大きな車両を運転することすら許されません。
ちなみに大型免許を持っていると11トン以上のトラック、6.5トン以上の最大積載量のトラックの運転が可能です。
ただし大型一種免許を取得するには条件を満たさなくてはなりません。例えば普通免許の取得をしてから3年以上運転経歴があること、そして年齢は21歳以上であることとなっています。
普通免許の取得条件である18歳で取得すれば21歳で大型一種が取れるという計算ですね。
大型免許の取得をするためには教習所に通う方がおすすめです。時間も費用もかかりますが一発試験を何度も受けるよりも確実に免許の取得ができるからです。
というのも一発試験を一度受けて合格するのは稀だからです。
けん引免許
トレーラーはトラクターでトレーラーをけん引して荷物を輸送する車両ですので、大型一種免許だけでは運転することはできません。
トレーラーの運転をするためには別にけん引免許の取得をしなくてはならないのです。
けん引免許の取得は18歳以上であればどなたでも取得することができます。そして普通・準中型・中型・大型などの運転できる免許証を持っていることが前提です。
取得するには教習所で取得する方法と一発試験がありますが、やはり教習所を利用する方がおすすめです。
玉掛け
玉掛けというのは正式名「玉掛け技能講習」といいます。これはクレーンなどに荷物を固定するために必要な資格です。
トレーラーに必要なのか?と疑問に感じるかもしれませんが、荷物を積み込んだり下ろしたりする時に必要です。
もちろん必ず取得した方が良いというわではありませんが、取得しておいた方が就職率が上がる可能性は高くなります。必要な資格は18歳以上であることだけです。
玉掛け技能講習を受けられる教習所などで必要な講習を受け試験に合格すれば取得できます。
フォークリフト運転技能講習
大きな荷物を積み込みするので人の手で積み込みや荷下ろしをすることは不可能です。そのためフォークリフトを使って荷物の上げ下ろしを行います。
この時フォークリフトの運転が必須になりますので、フォークリフトの免許の取得をすると良いでしょう。
フォークリフトの取得条件は18歳以上で車の免許があること。免許の取得は教習所でも職業訓練が受けられる施設でも受けられます。最大5日間で取得できるのでおすすめの資格でもあります。
大型トレーラーの運転は難しいの?
輸送トラックの中でも大型トレーラーは運転が難しいので、花形ドライバーとして活躍することができますが、どのくらい難しいのかをご紹介いたします。
内輪差が全車両の中で最も大きい
ご紹介してきたようにトレーラーは他のトラックと比べて非常に全長が長い車です。運転席から最後尾を確認するのがとても難しく、大きな荷物を積んでいたらほとんど運転席から目視することはできないでしょう。
さらに全長が長いということは即ち内輪差が非常に大きいということで、右左折やカーブの時には気を付けなくてはなりません。
走行中にトレーラーが振れてしまうとコントロールがしにくく、しっかりと制御できなければ大きな事故につながりやすくなります。
また、内輪差を考えて右左折しないと対向車などと接触事故を起こしやすくなるので、大型トラックよりもだいぶ運転が難しい車両ということになります。
さらに長さがあるので死角が他の車両よりも多くなるので高い技術が必要になるのです。
バックの難易度は高い!
トレーラーの運転で何が一番難しいかというと、それはやはりバックの時でしょう。トレーラーは普通のトラックと違って連結部分があります。
トラクターとトレーラーを連結した部分はハンドルを切った時に逆方向に動きます。
普通のトラックの場合はハンドルを右にきってバックすると後ろが右側に動きますが、トレーラーの場合は右に切ると連結部分から後ろは左側にきれていきます。
トレーラーの運転に慣れていない内は混乱してうまくバックができないこともあるのです。
そのためトレーラーのバックをする時には、ハンドルの切り方に慣れる必要があります。
また、後方の確認が非常に難しいので窓を全開にして耳も使い、必要ならバックモニターを使っても良いので安全に運転ができるよう工夫する必要があります。
まとめ
今回は、大型トレーラーの種類とそれぞれの構造について、そして寸法や最大積載量について、トレーラーの仕事をするなら取得しておいた方が良い資格、トレーラーの運転の難しさなどをご紹介いたしました。
この記事がトレーラーの仕事を希望する方のお役に立てると幸いです。