荷役作業はきつい!でも高収入が魅力!
荷役作業は物流業において重要な仕事となっていますが、どの様な意味でどのような仕事内容なのかほとんどの方が分からないのではないでしょうか。
そこでここでは、荷役作業の意味や仕事内容、について詳しくご紹介していきたいと思います。
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そもそも荷役とは?
まず戸惑うのは、「荷役」の読み方ですね。「にえき」「にやく」どちらも聞いたことがあるかもしれませんが、正しくは「にやく」です。
漢字の読みとしてはどちらも音読みなので間違っていないのですが、「役」を「えき」と読むのは、「兵役」「服役」など、「戦(いくさ)」や「働かせる」という意味を持たせる場合です。
「仕事」や「職分」、「受け持ち」という意味では、「役所」や「役員」「役割」のように「やく」と読みます。
荷役とは、物流業界において荷物を扱う作業のこと。漢字の意味のとおり、「荷」を扱う「役割」のことです。
積み降ろしや入出庫作業、ピッキングや仕分け、梱包、荷揃え、運搬、保管等、荷物を扱う作業全般を指す呼び名です。
荷役は作業場所で呼び方が変わる
港湾荷役
船と港でコンテナなどの荷物を積み下ろしたり、移動させたり、梱包したりする作業を行う業務です。船内荷役、沿岸荷役に分かれますが、すべてひっくるめて港湾荷役作業員です。
港湾荷役作業は、港湾運送事業の許可を取った会社で雇用された作業員にしかできません。作業員は、作業中には港湾労働者証を提携する義務があります。
意外かもしれませんが、労働者派遣法では、港湾業務への派遣は禁じられています。
その業務の特殊性ゆえに、港湾労働には港湾労働法に定められた港湾労働派遣制度があり、港湾労働者雇用安定センターによってのみ派遣が許可されているためです。
倉庫内荷役
倉庫内荷役は、その名の通り物流倉庫内での荷役作業です。荷受け、検品、運搬、仕分け、そして管理。出庫の際も、検品や荷揃え、梱包、ラップ巻きなど、荷を扱うあらゆる作業を指します。
もちろんフォークリフトやクレーンを用いての作業も荷役です。物流を支えるのはトラックや船などの配送手段を動かす人ももちろんですが、倉庫内で荷物を管理する人がいて、はじめて成り立つのです。
倉庫内荷役の求人は、フォークリフトオペレーターやクレーンオペレーター、倉庫内軽作業などの呼称で掲載されています。
コンテナ荷役
コンテナを扱う作業です。コンテナ荷役の多くは港湾作業になりますが、内陸部にあれば港湾労働者証は必要ありません。たとえば鉄道の貨物ターミナルなどであれば、港湾作業に該当しないコンテナ荷役です。
当然ですがコンテナは人力では動かせないので、大型フォークリフトでの作業や検収作業がメインになります。
荷役作業の方法は2種類
機械荷役
コンテナなどの重量物を扱うには、フォークリフトやクレーンが必須です。
もちろんそれぞれに資格が必要になりますが、港湾に設置されている巨大な門のような「ガントリークレーン」などは、実際に実務に就くのはかなり狭き門です。
フォークリフトは、倉庫内荷役でも重要な資格です。機会荷役の作業員が手荷役作業をすることはありますが、その逆はフォークリフトの資格がなければできません。
また、フォークリフト資格はトラックドライバーでも必須としている会社も数多くあります。
手荷役
本来では手で荷物を扱う業務全般を指す言葉ですが、運送業界ではもっぱら「手積み」や「手降ろし」を指すようになっています。
この記事でも、以下は「手積み」「手降ろし」の意味で「手荷役」という言葉を使用します。
実態としては、手荷役の大半はドライバーによって行われています。
コンテナ輸送の場合は倉庫作業員が行っていたり、荷主サイドで荷下ろし担当の作業員をアルバイトや派遣などで一時的に確保したりしているケースもあります。
コンテナ輸送の場合は、原則としてドライバーは積み荷に触れることができません。コンテナの扉にある「封印」は、ドライバーが切ることは禁じられているためです。
ただし、例外的にドライバーが作業をする前提での輸送もあります。その場合は多くの運送会社がドライバーに別途手当を支給しています。
荷役作業のメリットとデメリットについて
手荷役は筋トレと一緒!
大型トラックやコンテナの天井は非常に高く、男性でも踏み台が必要になることもあります。
また、ウイング車ならともかく、後ろからしか降ろせない箱車やコンテナともなると、内部を往復するだけでもかなりの運動量になります。
特に20フィートコンテナならまだしも、40フィートともなると、1人では到底できません。
積み荷が重ければ筋トレともいえるレベルで、大の男でもきつい作業ですが、裏を返せば体を鍛えたい人には格好の仕事ともいえます。
コンテナ手荷役は夏場が地獄
コンテナや箱車になると、前述したように開口部は後ろだけ。太陽の熱を吸収した屋根の下で、風も通らない中での作業となりますので、夏場は地獄ともいえます。
夏場に手荷役をする人は、必ずといっていいほど着替えを常備しています。熱中症にもなりやすいので、充分な注意が必要です。
手荷役作業員の給与は高い!
一概にはいえませんが、手積み手降ろしを伴う仕事は給料が高めです。また、コンテナ手降ろしのアルバイトなども、時給1200円や日給1万円以上、2時間で日給3000円など、高収入といえるでしょう。
ただ、正社員で手荷役のみの仕事というのはまずありません。
倉庫作業の一環として手荷役をすることがほとんどですし、先にも上げたように、今の運送業界ではドライバーが積み降ろしをすることが大半です。
求人を見てみると、「手積み手降ろし一切なし」と掲げている求人よりも、手荷役があると思われる求人のほうが賃金は高いケースが多くみられます。
「体力に自信のある方」などの記載があれば、まずバラ積みだと思って間違いないでしょう。
手荷役作業は女性では難しいの?
全部が全部無理ではありませんが、労働基準法第6章の2などに基づいて定められている女性労働基準規則では、女性が断続して30kg以上、継続して20kg以上の荷物を扱うことは制限されています。
もちろん大型ドライバーの中には「男性には負けない!」と張り切ってバラ積みをする女性も多数存在しますが、法的に制限されているため、手荷役のある会社では女性の採用に消極的なところも多々あります。
女性でも腕力や体力のある方はたくさんいますが、物理的に可能でも法的に不可能なケースはありますので、そのことに注意してください。
まとめ
荷役は物流業界で重要な役割を担っている作業です。
転職を考える際には、私たちの生活に欠かすことのできない「モノ」たちに携わる荷役作業を目指してみるのもいいかもしれませんね。