1/2tトラックの払い下げ購入は可能?73式小型トラックの払い下げについて
1/2tトラックと呼ばれる車両があります。
このタイプのトラックを購入しようと検討している方は払い下げの車両を探すのが一般的と思われますが、実際のところ、払い下げ車両は市場に出回っているのでしょうか。
また、払い下げ車両がない場合の入手方法はないのでしょうか。今回は、1/2tトラックについて知りたい方のために、トラックの払い下げに関する情報を詳しく紹介します。
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独特の外観から人気の高い1/2tトラック
1/2tトラックという言葉自体に聞き覚えがない、という方も少なからずいらっしゃるでしょう。
1/2tトラックとは、自衛隊で用いられているトラックのこと。「73式小型トラック」が正式な呼び名です。
陸上自衛隊のほぼ全ての舞台に配備されている汎用車両であり、隊員にとっては最も慣れ親しんだ車両であるとも言われています。独特な外観から人気が高く、所有したいというマニアも数多くいます。
自衛隊で使用されているだけあって輸送能力も確かなので、入手して走らせることができれば運送の仕事でも役立ちそうに思えますが、入手難易度がきわめて高いのが実情です。
1/2tトラックの払い下げはなし!
1/2tトラックの入手難易度が高い理由は、そもそも自衛隊が民間への払い下げを原則的に行っていないからです。
昔は払い下げていたこともあったと言われていますが、現在では自衛隊の装備が市場に出回ることは考えにくいでしょう。
これには防衛省の省令が背景にあります。自衛隊車両はスクラップにしてから放出することが省令によって決められているのです。
つまり、自衛隊から放出される時点で1/2tトラックのシャーシは溶断されているわけで、ほとんど車両としての原形を留めていないケースが大半なのです。
少なくとも自衛隊からの払い下げというルートでは、発見してすぐに使用できる1/2tトラックが見つかることはないと考えておくべきです。
入手する方法はないのか?
それでは、1/2トラックを入手する方法は他にないのでしょうか。考えられる手段を検証してみましょう。
可能性は低いが逆輸入
まずルートの一つとして、逆輸入する方法が考えられます。自衛隊がスクラップにすることを前提として業者に払い下げた車両が、スクラップ処理されることなくそのまま海外に流出したパターンです。
そういった車両を購入し、日本国内に逆輸入するという形式を取れば、民間でも1/2トラックを走らせることができる可能性はあるでしょう。
もっとも、この方法ではスクラップを免れた1/2トラックの存在が大前提。そのような車両が都合よく存在するかどうかは別の話です。やはり入手可能性は基本的に低いものと見られます。
スクラップ処理されたものを再組立
もう一つのルートとしては、スクラップ処理された車両を再び組み立てて使用する方法があり得ます。
スクラップにされた車両、溶断された車両を業者から買い取り、もう一度溶接し直して組み立てるわけです。
完全に元通りにするのは難しいですが、比較的近いボディを持つ車をベースに改造するという方式を取れば、かなり近いところまで再現することも不可能ではありません。
事実、三菱自動車の「パジェロ」を元に作った1/2tトラックが走っているところを見たという目撃例もあります。
1/2tトラックの入手難易度は高い!
このとおり、1/2tトラックを入手するのは決して簡単ではありません。
逆輸入は車両が存在するかどうかが不明ですし、スクラップを再利用しようにも技術が必要であったり、思うように部品が手に入らなかったりと困難がつきまといます。
パジェロなどを利用して組み立てる方法があるとはいえ、まずそのベース車両の購入代がかかるため決して安く手に入れられるわけではありません。
結局1/2tトラックを購入する確実な手段はなく、入手難易度は高いということですね。
米軍の払い下げ車両はある!
自衛隊の1/2tトラックにこだわらないのであれば他の選択肢を検討するのも手です。というのも、米軍は民間への払い下げを行っているからです。
ハンヴィー
米軍は「ハンヴィー(HMMWY)」という車両を使用しています。
GMの大型SUV「ハマー」の原型になった車両ではありますが、ハンヴィーという名前自体はM998四輪駆動軽汎用車およびその派生形に対する総称に過ぎず、ある特定の車種を示しているわけではありません。
軍用車両であるハンヴィーをメーカーや米軍から直接買い取ることはできないのですが、米軍兵站局からの払い下げという形ならば一般人でも購入が可能です。
ちなみに、ハンヴィーの基本的な寸法は全長4,840mm、全幅2,160mm、全高1,870mmほどとなっています。
海外オークションサイトで購入可能!
ハンヴィーの購入方法はオークション方式です。海外のオークションサイトを利用することで競売に参加することができ、価格はたいていの場合5,000ドル台からのスタートとなっています。
なお、軽装甲タイプが市場に出ることはありませんので、購入できるのはカーゴタイプに限ります。縦断を防げる車がテロリストの手に渡るような事態を避けるための措置でもありますから、致し方ないところでしょう。
払い下げはあるが所有難易度は高い!
ハンヴィーを購入することはできますが、元は米軍の車両であり、利用するのも海外のサイトであるという点には注意が必要。
つまり、現物は海外にあるため、日本に持ち込むためには手続きを踏まなければなりません。
また、無事日本に持ち込めたとしても、今度は車検を通るように改造する必要があります。ハンヴィーの個人輸入も簡単にはいかないということですね。
一応、日本国内の中古市場を探すという手もありますが、ハンヴィーはマニア人気も高いため見つける難易度は高いでしょう。
まとめ
自衛隊からの払い下げというルートこそ存在しないものの、1/2tトラックを入手できるかできないかで言えば、入手することは可能です。
ただしそのハードルは決して低くありません。どうしても1/2tトラックを所有したいのであれば、情報収集を怠らず資金も確保する必要があるでしょう。