フルトレーラーの運転に必要な免許や資格とは?
フルトレーラーの運転をするために必要な免許は何かご存知でしょうか。
というのもフルトレーラーはとても運転が難しそうな車だからですが、運転する時に何が難しいのかや危険が伴うのは何故なのか、この記事では免許や運転がなぜ難しいのか、そして運転時の注意点をご紹介いたします。
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フルトレーラーの全長は21m
現段階でのフルトレーラーの全長は21mとかなりの長さになります。全長21mといっても簡単に想像することは難しいので、一般的なトラックの長さと比べてみましょう。
最も日本の道路を走っているトラックであるごく一般的な4tトラックの全長が8,485mmで、10tトラックの全長が12,000mm以内となっているので、フルトレーラーがいかに長いかがわかりますね。
ちなみに国交省ではフルトレーラーの全長25m緩和方針が固められています。今後はさらに長いフルトレーラーが走るようになるのです。
フルトレーラーの運転に必要な免許とは?
ここではフルトレーラーの運転をするためにはどんな免許が必要になるのかをご紹介していきましょう。
大型一種免許
フルトレーラーを運転するためには一つだけ免許があれば良いというわけではありません。まずは大型一種免許を取得する必要があるのです。
大型一種免許の取得をするにはまず普通免許の取得をして運転経歴が通算3年以上であること。
そして両眼で0.8以上であること、そして片眼でそれぞれが0.5以上であること、さらに信号機の色が識別できることなどの条件を満たしていれば取得することができます。
ただし大型一種免許の取得をしようとしている方は結構いらっしゃいますので、できるだけ重ならないように教習所を探す必要があります。
けん引免許
大型一種免許だけではなくけん引免許の取得をしなくてはなりません。なぜならばフルトレーラーは荷物が乗せてあるトレーラーという部分を連結させて荷物の輸送をするからです。
ちなみにセミトレーラーはトレーラーを一つつなぎます。ではフルトレーラーはというと、トレーラーを2つつなげて荷物の輸送を行います。
けん引免許の取得は18歳以上で普通免許があればどなたでも取得できます。技能教習を12時間合計で受けて技能卒業検定を受けて合格すれば牽引免許が交付されます。
取得する費用は6,100円(一発試験)15万前後(教習所通い)12万前後(合宿)です。
フルトレーラー運転の難易度は?
ここではフルトレーラーの運転がどのくらい難しいのかについてご紹介していきましょう。
前進右左折は大型トラックと同じ
フルトレーラーといっても車は車です。なので前方方向へ車を移動させるのは非常に簡単で誰にでも容易に行うことができます。右左折をする時も実はそれほど難しいと感じることはないでしょう。周りに何もない道路であるならばです。
というのもフルトレーラーは運転台と荷台が離れているだけではなく、トレーラーの後ろにもう一つトレーラーがつながっていますので、全長がとても長い車両になりますので、右左折する時には周囲に注意しながら曲がらなくてはならないのです。
難しさで言えば前進と右左折に関してはそれほど難易度があるとは言えないかもしれませんが、問題はバックの難易度の高さでしょう。
バックの難易度は高い
フルトレーラーの運転で最も難しいのがバックです。なぜなら先ほどご紹介したようにフルトレーラーには間接部分が2つあります。
そのためバックする時にはハンドルの操作が間接にかかり、思わぬ方向へ荷台が曲がりやすくなっています。なのでハンドル操作が非常に繊細になります。
ちなみにフルトレーラーはドーリーという台車が付いているのでセミトレーラーとはバックのやり方が違います。セミトレーラーは右にバックする時は右にハンドルを切り、左にバックする時は左に切ります。
ところがフルトレーラーの場合はその逆にハンドルを切らなくてはなりません。ここがバックする時に一瞬どっち?となってしまうのですね。
フルトレーラーの運転で注意したいこと
ここではフルトレーラーを運転する時にどんなことに注意すれば良いのかについてお話しいたします。
ジャックナイフ現象
ジャックナイフ現象というのがあります。トレーラーの運転をしている方ならこの現象の怖さというのをご存知でしょう。
ジャックナイフというのは二つ折りになるナイフのことですね。トレーラーが二つ折りになったようになる現象のことを言います。
なぜこんな現象になるのかというと、トレーラーの走行中に急ブレーキなどをかけるなど、様々な原因で後ろの荷台の部分が運転席とくの字の状態になってしまうのです。
大きな事故につながったり死亡事故になってしまうこともある恐ろしい現象です。
スネーキング現象
スネーキング現象はトレーラーで走行中に急ブレーキや速度超過などをした場合に連結している荷台の部分が蛇が歩くような屈曲運動をして、ハンドル操作が効かない制御不能になってしまう現象のことを言います。
この現象になるとそのまま横転してしまうこともあるので気を付けなくてはなりません。
原因は大きく分けると二つあり、車の整備不良の場合もありますし荷物の載せ方に問題がある場合と運転手の操作ミスもあります。そしてもう一つは道路に原因があるということです。
横転の危険性
トレーラーはセミトレーラーでもフルトレーラーでも制御不能になると、事故の危険が高くなってしまいます。しかもトレーラーの場合は横転事故が多いものなので、運転する時には細心の注意を払う必要があります。
横転する原因は急ブレーキや急ハンドル、道路のでこぼこやカーブを曲がる速度などがありますので、運転は丁寧に行うことも必要ですが、道路状況や交通量などにも配慮した運転を心がけるとより横転事故のリスクを減らせるでしょう。
折りすぎによる接触
トレーラーは連結が多ければ多いほど操作が難しくなるものですが、例えばバックをする時には多くの方が右バックを推奨しています。
これは左バックだと右よりも操作が難しいからですが、左からだと助手席を通して操作するのです。そのため折りすぎて運転席と荷台が接触する危険もあります。
なので折りすぎによる接触を避けるためにも見えにくい左バックよりも見えやすい右バックを癖づけると良いかもしれません。このように事故をできるだけ防ぐ努力も必要になるのです。
規制緩和で全長25mのフルトレーラーも!
これまでのフルトレーラーの全長は最長で21mと決まっていましたが、現在では最大25mまでとなっています。これはわずか4mでも全長が長くなることによって、より多くの荷物を輸送することができるようになりました。
トレーラーは一度に大量の荷物を輸送することができますし、トレーラーでの輸送はコストの削減にもつながります。
今後はさらにトレーラーの活躍が期待されるので、輸送コストを少しでも減らしたいと考えているのなら、フルトレーラーの導入を検討しても良いかもしれません。
ただしその際にはフルトレーラーのドライバーの運転の難しさや事故防止のための安全運転を十分理解して、フルトレーラーの導入を行うことをおすすめいたします。
まとめ
今回はフルトレーラーの運転の難しさ、フルトレーラーの寸法そして運転の難しさ、特にバックの時の難しさや運転を誤ると横転事故につながるなどについてもご紹介いたしました。
この記事がフルトレーラーについて知りたい方のお役に立てれば幸いです。