ゴミ収集車(パッカー車)の運転手になるには?必要な免許と取得の条件を解説
街なかでよく見かけるゴミ収集車ですが、この運転には特別な免許が必要なのでしょうか。
ゴミ収集車の分類を整理しておくと、家庭ゴミを収集する最も一般的なものが2t車、事業ゴミや少量の産業廃棄物を扱うものには2t車~4t車、そして工事現場などから出る大量の産業廃棄物を扱うのが4t以上の大型車です。
必要な免許のほかに、ゴミ収集車と運転免許との関係についてまとめてみました。
Contents
ゴミ収集車の基本情報
ゴミ捨て場に溜まるゴミを、毎日ゴミ処理場まで運ぶ車です。身近にイメージするのは、普段私たちが出す家庭のゴミなどを回収する、回転式でゴミを押し込むタイプの2t車両ではないでしょうか。
それを一般廃棄物運搬業といいます。対して、会社や工場などから出る沢山の種類のゴミを回収する車両を産業廃棄物運搬業と呼ぶことが特徴です。
ゴミ収集車を運転するには?
車両の大きさや重さによって運転出来る車が異なりますが、ゴミ収集車は普通免許を持っている人が誰でも運転出来る訳ではありません。
まず前提として、ゴミ収集車のトランスミッションはMTがメインであるため、MTの免許を取ることが必須となります。
必要な免許はゴミ収集車のサイズによって変わる
2017年3月12日に免許制度が改訂されました。これは一般的な2tのゴミ収集車に当てはまりますが、改訂以前に取った免許であれば運転することができます。
しかし、それ以後に取った普通免許では運転することが出来ないのです。改訂後(2017年3月12日後)はどのような決まりになっているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
2t車は準中型免許になる
2t車のサイズは、全長522㎝、全幅184㎝、全高232㎝、最大積載量2t。これを運転するためには、準中型免許が必要になります。18歳から取得が可能な免許証です。
4t車は中型免許が必要
4t車の場合、全長680cm、全幅217cm、全高273cmですが、最大積載量が1.95tと少なめです。こちらは20歳から、また普通免許を取ってから2年以上経過してからでないと取れない中型免許で運転できます。
大型車は大型免許が必要
大型車は、全長930cm、全幅249cm、全高286cm、最大積載量が7.4tになります。大型車の場合は他と比べて条件が少し厳しいのです。
21歳以上で、MTの普通免許を取ってから3年が経過していること、加えて視力が片目0.5以上(両目で0.8以上)必要です。
ゴミ収集車も普通免許で運転可能?
普通免許で運転が可能な条件とはどのようなものなのでしょうか。
平成19年6月1日までに取得した人
平成19年6月1日までに普通免許を取った人は、免許証を見ると「中型車は8tに限る」という表記があります。
これは、車両総重量が8t未満で、最大積載量が5t未満の車を運転できる中型免許ということです。すなわち、この免許証の人は一般的な4tまでのゴミ収集車は運転可能ということになります。
平成19年6月2日以降に取得した人
平成19年6月2日以降平成29年3月11日までに免許を取った人は、準中型免許5t限定ということで、車両総重量が5t未満で、最大積載量が3t未満の車の運転ができ、4t車はだめですが、メインの2t収集車の運転は可能です。
すなわち、現状で普通免許を持っている人は、ほとんどの場合が2t収集車での仕事が可能ということなのです。ただ、留意点として、現在のゴミ収集車の多くがMT車なので、AT限定免許の人は注意して下さい。
平成29年3月12日以降に取得した人
そして、平成29年3月12日以降に免許を取った人、すなわち、免許を取って間もない人が該当しますが、これらの人は車両総重量が3.5t未満で、最大積載量が2t未満の車しか運転できず、
残念ながら2t収集車でも運転できません。したがって、別に準中型免許を取る必要があるのです。
産業廃棄物の仕事では大型免許の取得がおすすめ
現在の新しい道路交通法では、準中型免許を新たに取ると、運転可能な車両総重量は7.5t未満、最大積載量は4.5t未満なので、4t車も運転できるのが利点になっています。
このように普通免許を取った時期による条件の違いは、それぞれの時代背景によって道路交通法が改正されたことによるものです。ちなみに、産業廃棄物を運搬する大型車には、大型免許が必要となります。
ただ、ゴミ収集車での仕事の幅を広げるという意味では、この大型免許も取っていると有利になることはまちがいありせん。
まとめ
ゴミ収集車の仕事は、給料面でも収入が多いということで、最近は人気が高まっていますが、現状で普通免許を持っている人は、ほとんどの場合、家庭ゴミを収集する一般的な2tの収集車は運転が可能ということになります。
ただ、最近になって免許を取った人はもちろん、4t車まで仕事の幅を持たせたい人は、やはり新しい道路交通法での準中型免許を取っておくのが理想的です。