トラック運転手がかかりやすい病気/怪我とは?予防や対策を紹介!

   

トラック運転手をやっていると、病気や怪我の予防や対策をしておくことが、長く仕事を続ける上で重要ですよね。

いろんな仕事によって「職業病」が存在している中で、トラック運転手がかかりやすいと言われている病気の種類や予防策などを詳しく紹介します。

トラック運転手がかかりやすい病気と予防法とは

トラック運転手は、一日中運転し続けるという、過酷な職業です。運転中は、姿勢が固定されてしまい、筋肉も膠着します。そのため、トラック運転手がかかりやすい病気は多く存在します。

エコノミークラス症候群

一時期ニュースでも話題になっていたエコノミークラス症候群。

この病気に関しては、トラックドライバーには関係がないと考えられがちですが、実はトラックドライバーこそ、このエコノミークラス症候群にはかかりやすく、予防が重要です。

エコノミークラス症候群とはどんなものかを簡単に説明すると、足の静脈内に血栓ができ、それが血流にのって肺に到達。

肺の動脈を防ぐことで「肺塞栓症(はいそくせんしょう)」を発症させる病気です。

軽い状態ですと症状が出ない場合もありますが、つまる範囲が広いと、呼吸困難や動悸、失神といった症状を及ぼします。最悪の場合、命にも危険が及びますので、侮れない病気です。

足に血栓ができる理由ですが、長時間、同じ姿勢でいることにより、血液の流れが悪くなり、血液が血管の中で「凝固」します。

この凝固した血液が血栓です。長時間、運転を行うトラックドライバーは、この血栓ができやすいため、予防が必要です。

エコノミークラス症候群の予防は簡単にできます。一番いいのは、時々トラックから降りて体を動かし、血行を良くすることです。

トラックからなかなか降りられない場合には、足の指を動かしたり、ふくらはぎをマッサージすることで、血行を促し、血栓ができるのを防ぎましょう。

脳血管疾患(脳梗塞、くも膜下出血など)

こちらも意外なことですが、トラックドライバーには脳血管疾患である脳梗塞やくも膜下出血の発症が多いというデータもあります。

特に50代という働き盛りのドライバーにこのような症状は多く、問題は深刻です。脳梗塞やくも膜下出血も、エコノミークラス症候群と同様、血管に血の塊ができてしまい、

それが脳の血流を妨げ、脳梗塞では脳に血液が回らなくなり、脳神経細胞が死滅。くも膜下出血では、血管が破裂して脳内が出血してしまいます。

両方の病気とも、発症すると命の危険か重い後遺症を患う危険性もあり、とても恐ろしい病気です。トラックドライバーがこのような脳血管疾患の病気を発症する原因としてあげられるのが、まずは食生活です。

トラックドライバーは、時間との勝負であり、通常の仕事のように、ゆっくりと食事をとる暇もありません。そのため、食事をコンビニ弁当や外食で早く済ませる機会も多く、塩分を過剰摂取しやすいのが実情です。

脳血管疾患の原因に、塩分の過剰摂取はよく知られていることであり、日頃の食生活の積み重ねが、50代という年代で病気を発症させる理由の一つといえるでしょう。

また「時間に遅れられない」というプレッシャー、さらに運転という緊張状態が長時間続くことによるストレスも原因の一つです。

仕事柄難しい部分もあるかもしれませんが、食生活の改善やストレス解消、そして適度な休養が、脳血管疾患を予防するための手段になります。

心疾患(心筋梗塞、狭心症など)

脳疾患と同様、トラックドライバーに多いとされるのが心疾患です。心疾患とは、心臓に血液を送る血管が動脈硬化を起こし、それが元で心臓に十分な血液が送れなくなることです。

(狭心症)この状態がひどくなると、心臓に血液が完全に流れなくなり、強い胸痛が発生(心筋梗塞)最悪の場合、命を落とします。トラックドライバーの心疾患の原因として挙げられているのが、やはり食生活とストレスです。

眠気や疲れを取るために、大量の喫煙や栄養ドリンク剤を過剰摂取する方も多いようですが、過剰摂取は、心疾患を引き起こす遠因にもなりますので、ほどほどにしておきましょう。

また、脳血管疾患の予防と同様、心疾患予防でも、適度な休養と食生活のバランス見直しといった、日常の生活で見直せる範囲で見直すことが、心疾患の発症を遠下げる最も簡単な方法といえます。

腰痛(椎間板ヘルニアなど)

腰痛は、ドライバーをはじめとする、長時間座ったり、重いものを運ぶ人たちにとってのまさに職業病ともいえる病気です。

腰痛の代表格である椎間板ヘルニアは、腰骨付近の椎骨と椎骨の間に存在する軟骨である椎間板が、椎骨の変形などの原因により、はみ出してしまい、神経を圧迫させてしまうことで発症します。

椎間板ヘルニアを発症すると、腰痛や手足のしびれ、立ち上がることができないといった状態になりますので、発症した場合、無理をせず、すぐに病院に行くことが賢明です。

椎間板ヘルニアの予防としては、正しい姿勢での運転を心がけることや、重量物を運ぶ際には、中腰は避けて持ち上げる、ひねるような動作をしない、といったことが挙げられます。

また、適度な運動で背筋や腹筋を鍛え、腰にできるだけ負担がかからないようにすることも重要です。

痔も立派な病気であり、この痔に悩まされているトラックドライバーの方達も多く存在します。痔の原因も、先に挙げた病気と同じく、血流が原因です。トラックドライバーの場合、長時間運転でお尻の血流が悪くなりがちです。

そのため、肛門付近の血管が圧迫されて、血液の貯まったイボを形成します。これが痔です。

痔にも多くの種類がありますが、ひどい場合ですと手術も必要になってきます。予防法としては、仕事後に湯船につかり、お尻近辺の血行をよくする。

また、痔を防ぐためのアイテムとしてよく市販されている運転用クッションを使用するといった、できるだけお尻に負担をかけない努力が必要になります。

肩こり

トラックドライバーを悩ませる病気はまだあります。これも代表的な病気ですが、肩こりに苦しめられているトラックドライバーも多く存在します。しつこいようですが、この病気も血流が原因です。

肩こりは、背中や肩周りの血行が悪くなり、それが原因で肩周りが硬くこわばってしまい、痛みを発生させます。

血流が関係するこのような病気の対処で、最も効果的で簡単にできるのは、ストレッチです。ストレッチを行うことで、血行を改善することができます。

ただし、これは発症してから行うのではなく、毎日の積み重ねとして行うことが、病気を未然に防ぐポイントです。

トラック運転手必見!病気を防ぐ健康管理方法

今回トラックドライバーが発症しやすいとして挙げた病気をみてみると、命の危険にも関わる重大な病気が多いことに驚いた方も少なからずいるはずです。

今回挙げた病気以外にも、トラックドライバーがかかる可能性のある病気は無数にあります。ここでは、トラックドライバーが健康な状態で仕事が継続できるための、健康管理方法について解説を行なっていきます。

規則正しい生活を心がける

当たり前ですが、規則正しい生活を心がけることは、万病を防ぐ最も重要な予防法です。しかし、何かと忙しい現代人であり、なおかつ不規則な勤務体系でもあるトラックドライバーにとっては、難しい要求かもしれません。

もちろん、完璧に心がける必要はありません。現在の自分の環境で、できることを少しでも行うことからまずは始めてみましょう。少しの積み重ねが後から実を結ぶはずです。

ストレス解消

運転という緊張状態に常に置かれているトラックドライバーですから、気づかないうちに相当なストレスを抱えていることは間違いありません。ストレスの積み重ねはいつか大病の元になります。

何か趣味があるのならば、週のうち少しでも趣味に没頭する時間を作ることや、軽めの運動をとりいれたりして、ストレスを解消しましょう。

特に軽めの運動は効果絶大です。ストレスも減り、血流も良くなりますので、まさに一石二鳥といえるでしょう。

健康診断

自覚症状がなくても、徐々に体を蝕んでいくのが、病気の怖いところです。脳血管疾患や心疾患などは、突如として身に降りかかります。

そのような事態に陥らないためにも、適度に健康診断を受診し、その結果を元に改善を図りましょう。場合よってはすぐに精密検査を受けることが重要です。

健康診断は、体の内面から健康状態をみてくれます。自覚症状がなくても、数値に問題がある場合、その数値を改善させるための努力が予防になります。病院の指示を聞いて、少しでも日常生活に反映させましょう。

トラック運転手が仕事で病気になった場合は労災を使用できる?

トラック運転手が仕事で病気になった場合、労災は使用できるのかという問題ですが、これは間違いなく使用できます。

例えば腰痛ですが、これも業務遂行上、生じた腰痛であれば、労災は申請できるという見解が、国からも示されています。実際に腰痛で労災を申請した事例もありますので、そちらを紹介していきましょう。

労災を使用した事例

トラックドライバーで腰痛をもとに労災を使用したケースは多々ありますが、一つの事例として、国から出された指針を紹介しましょう。

国からは「3ヶ月以上、トラック運転などの長時間運転により生じた筋肉疲労が原因となる腰痛は労災補償の対象となる」とした明確な答えを出しています。

これはトラックドライバーの腰痛が労災として申請できるか否かで揉めた際に出された見解のようで、一つの基準ともいえるでしょう。

労災の申請方法

労災を求める場合、自分で申請を行う必要があります。労災の申請方法は、まずは受診した病院が労災保険に対応している場合には「給付請求書」を提出することで、労災は申請できますので簡単です。

もし、受診した病院が労災指定でない場合には「療養補償給付たる療養の費用請求書_業務災害用」という書類を作成し、領収書と共に労働基準監督署に提出する必要があります。

まとめ

今回は、トラックドライバーの病気やその予防方法、そして労災の申請に関して解説を行なっていきました。トラックドライバーとは過酷な仕事です。

そのため、さまざまな病気リスクも抱えていますが、予防を怠らなければ、そのリスクも大きく減らせます。

病気の予防も含め、万が一病気にかかった場合には、労災も申請できるということを、しっかりと覚えておいてください。

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