大型トラックの各部名称をわかりやすくご説明!シャーシやボディ、キャビンとは?
大型トラックの造りはシャーシ、ボディー、キャビンの3つのパーツで構成されていますが、今回は構成している部位やエンジンルームの名称やあおりなど、大型トラックの各部位をわかりやすく解説いたします。
Contents
大型トラックの仕組み
まずは大型トラックの仕組みについてをわかりやすく説明していきましょう。
シャーシとボディ
シャーシというのはボディの基礎となる部分です。フレームをフランス語でシャーシと言います。この部分は骨組みと駆動部分(タイヤ)で構成されています。
実は全てのトラックのシャーシは共通です。大きさはもちろん違います。この部分にそれぞれのパーツを組み合わせて様々なトラックが造られているのです。
ボディの部分を変えたりキャビンを変えたりして用途に合ったトラックができあがるのです。つまりシャーシは大型トラックの基礎の骨組みという事になります。
キャビン
キャビンは運転席の部分の事を指します。〇〇キャブという言い方をする事もありますね。例えば小型トラックなどにあるダブルキャブとかいう言い方をしたりします。
そしてキャビンの部分にも用途に合わせた形状があります。寝るスペースが運転席の上についているハイルーフや、寝るスペースが運転席の後ろについているタイプなどもあります。
架装とは
架装部分はシャーシの上に乗せる箱の部分の事をいいます。実はトラックは用途に応じて細かく分けると何種類ものタイプがあります。このタイプは架装の部分によって変わってくるのです。
例えば平ボディなら低いあおりがついたタイプですね。ダンプだったら荷台の部分が高くなっています。また冷凍車や冷蔵車、ミキサー車などの特殊な用途に用いられる車両もあります。
大型トラック・シャーシの各部名称
ここでは大型トラックのシャーシの各部名称についてをご紹介いたします。
フレーム
トラックのフレームはとても重要なパーツです。なぜならばフレームにエンジン、タイヤ、燃料タンク、トランスミッションが搭載され、その上にボディ、架装部分が取り付けられるからなのです。
つまりトラックのフレームというのは全てのパーツをつなげる中心的な役割を持つ部分なのです。
サスペンション
サスペンションはショックを吸収する役割を果たします。日本の道路はキレイに舗装されてはいますが、まったくでこぼこが無いというわけではありません。
もしもサスペンションが無ければ運転しながらポンポン跳ねる事になります。また、衝撃を吸収する事ができなければトラックも傷みますし、運ぶ荷物にも影響を与えてしまうので重要なパーツです。
ブレーキ
大型トラックのブレーキは空気を利用しているものが多く、最近のトラックは空気の力だけを使ったタイプのものが主流になっています。これはブレーキ全体をコントロールする事ができるからでしょう。
ブレーキの種類はドラム式とディスク式ですが日本のトラックにはドラム式が採用されている事が多いようです。
タイヤ
大型トラックに使われているタイヤの数は大きさによって変わります。キャビンの部分に一対とボディの前に2本、後ろに4本それぞれ対になっています。またタイヤの構造も昔と今では違います。
昔のタイヤはタイヤの外側とチューブそしてその中にエアを入れていましたが、最近のタイヤはチューブレスが増えていて、タイヤとホイールのみの構成になっています。
これによってただでさえ大きくて重いトラックのタイヤの軽量化が図れます。
エアタンク
大型トラックはエアを多用しているのでエアタンクが必要になります。エアタンクは大きなタンクが一対、小さなタンクが2つをキャビン後ろの前後のタイヤを挟んで設置されています。
そのタンクから空気が全体に回るようにチューブが張り巡らされています。ブレーキだけではなくサスペンションや運転席の調整を行う時などにも使われ、非常に重要なパーツなのです。
大型トラック・ボディの種類
ここでは大型トラックのボディの種類についてご紹介いたします。
平ボディ
まずは平ボディからです。恐らく日本で最も利用されているのがこの平ボディでしょう。平ボディは荷台の部分がフラットで30センチ~40センチ程度の開閉できる板がついているだけのトラックです。
荷物を載せやすくカバーも自由なので、農作業から工事現場など幅広い業種で利用されている形のトラックです。空荷の場合は滑りやすいので運転には注意が必要です。
バンボディ(箱車)
箱車と言われるタイプの形状ですね。アルミ素材の箱の内側には板などが貼られている事が多いです。またバンボディは冷凍車や冷蔵車などの装置のついたタイプもバンボディの一つに含まれます。
バンボディには荷物の出し入れを行う扉がついていますが、後ろのみについているものもあれば後ろと横、後ろと両脇にそれぞれついているものもあります。
ウイングボディ
ウイングボディというのはバンボディに似た形状をしていますが、バンボディとの大きな違いは扉の形と開け方です。
ウイングボディの荷台の屋根中心部分から両脇が広く跳ね上がり、その様子が羽を広げてみえるのでウイングと言います。
ウイングボディは大きく開ける事ができるので、どこからでも荷物を入れやすいというメリットがあります。さらに隙間なく荷物を載せる事も可能です。アルミ製のものが主流ですが幌のタイプもあります。
大型トラック・ボディの各部名称
ここでは大型トラックのボディの各部位の名称をご紹介いたします。
あおり
あおりというのは荷台を覆っている囲いの部分の事をいいます。あおりには蝶番が付いていて開閉が自由にできます。
荷物を積んだ時に荷物が落下してしまわないように使います。細かい部品などを入れておいても落下しません。さらに荷物をたくさん積んでいる時にもあおりがあれば多少目隠しにもなりますね。
サイドガード
トラックの荷台の両脇に付いているのがサイドガードです。サイドガードの役割についてですが、サイドガードは歩行者や自転車やバイクなどの巻き込み事故防止の役割を果たします。
これが無いとタイヤが剥き出しで危険です。サイドガードは豊富な種類があり好みに合ったものをカスタマイズできるという楽しさがあります。
鳥居(平ボディ)
鳥居というのは運転席の後ろに取り付けてあるガードの事を言います。どんな役割を持っているのかというと、この鳥居というのはもしも急ブレーキをかける状況になった時、荷台から荷物が運転台に激突する衝撃を和らげる働きがあります。
ただし荷物の形状によっては防ぎきれない場合もあるので、運ぶ荷物によっては安全な積み方や安全な梱包をする必要があるでしょう。
サイドパネル
サイドパネルというのは平ボディの横の部分です。パネルはあおりと同様に蝶番で取り付けてあり、蝶番を外すと荷台が剥き出しになるので荷物が積みやすくなります。
建設現場などに運ぶ重機を乗せたりする時はあおりやサイドパネルを広げて積み込めます。
ウイングサイドパネル(ウイングボディ)
ウイングサイドパネルとはウイングボディの下の部分に付いているパネルです。ウイングボディはサイドパネルをの上にウイングが付いていて、ウイングパネルけで荷物を囲っているわけではないのです。
ウイングサイドパネルを畳んでから上からウイングパネルが覆う、二重の構造になっているのです。だから荷物がしっかりと固定できるのですね。
リアドア
リアドアは荷台の一番後ろについている扉の事です。観音開きになっているものもありますが、昇降機がついているパワーゲートというタイプのものもあります。パワーゲートは重い荷物を上げ下ろしするのにとても役立ちます。
リアドアには簡単に開かないようにレバーとカギが付いています。ドライバーが車を離れても荷物を守る事ができるのです。
大型トラック・キャビンの外装各部名称
ここでは大型トラックのキャビンの外側についている外装部分の名称をご紹介していきます。
ミラー
大型トラックは運転台が大きく荷台が高くて長いので、死角がたくさんあるのも特徴の一つです。そのため複数のミラーが装着されています。
設置されているミラーはルームミラー、サイドミラー、下を映すミラーなどが付いています。
通常ミラーはフラットにできていますが、トラックのミラーは曲面になっていて広い領域を見る事ができますが、その分ものが小さく映るので十分に注意して走行しなくてはなりません。
ランプ
トラックは幅が広いのでランプの位置や大きさは非常に重要になります。両サイドについているので小さなライトでは中央付近を明るく照らす事ができません。そのため中央部分も十分な照度を確保する設計がされています。
こうした照射のむらはドライバーの注意を一点に集中する事が無いように設計されているのです。
ステップ
大型トラックの運転台は高い位置にありますので、ステップを使って運転台に乗らなくてはなりません。しかしながらステップも運転手の運転の妨げにならない工夫がされているのです。
例えばステップがあまりにも大きいと、上りやすい反面後方の確認が難しくなってしまいます。そのためステップはコンパクトにグリップも走行の邪魔にならないよう設計されているのです。
エアデフレクター
トラックの運転席の上にカバーのような丸みを帯びたパネルが装着されているのをご存知でしょうか?これをエアデフレクターと言って空気抵抗を下げるために設置されているのです。
乗用車とは違って風を受けやすい形状をしているので、空気の抵抗があると燃費が悪くなるため、燃費向上のための空気抵抗を抑えるエアデフレクターが必要になるのです。
大型トラック・キャビンの内装各部名称
ここでは大型トラックのキャビンの内装についてわかりやすく説明いたします。
ハンドル
大型トラックの運転をしている人を見ると、大きなハンドルを握って運転している事に気づくでしょう。
どうしてあんなに大きいのかというとハンドルが小さいと抵抗が大きくて素早くハンドル操作ができないからというのも理由の一つです。
大きなハンドルだと力が入れやすく操作がしやすくなるのですね。ビニールでできているものも多いので、ハンドルカバーなどを付けて滑り止めをするとさらに運転がしやすくなります。
シート
トラックのシートは乗用車のシートとは全く違う構造をしています。形はそれほど変わらないのですがトラックはとても座り心地が良いのです。長時間運転するのですから合わないシートだと辛くなります。
自分の身体にフィットするようにするために、エアの力で高さを変えたり背中を出したりする事も可能です。だからトラックは運転しやすいと感じるのかもしれません。
インパネ
大型トラックのインパネは普通乗用車と比べるととてもシンプルに感じます。運転手が使いやすいような造りになっているのです。例えばダッシュボードも上向きになっていて見やすくなっています。
またメーターや荷台の操作などを目で見てすぐに覚えられるようにも設計されています。また電装系のトラブルがあってもすぐに解決できるように工夫もされているのです。
大型トラック・動力部分の各部名称
ここでは大型トラックの動力部分に関する部位の名称をご紹介いたします。
燃料タンク
大型トラックの燃料タンクは外から見える位置に設置されています。乗用車と違ってすぐ見える位置にあるのは機能だからですが、むき出しになっているので耐久性にとても優れています。
燃料タンクの大きさは同じではなく業務によって変わります。長距離なら大きなタンクになるし短距離なら大きなタンクは必要としないのです。
ラジエータ・クーラント
ラジエーターやクーラントはエンジンを冷やす大切な部分です。水を循環させて冷やすだけでは間に合わないので、グリルからうまくが良きを取り入れて効率よくエンジンの熱を冷ます工夫がされているのです。
だからこそ長距離を運転していても高速道路で運転していても、熱によるエンジンの不調をきたす事なく荷物を安全に運ぶことができるのです。
トランスミッション
トランスミッションというのはギアをチェンジするための装置です。一昔前のトランスミッションはとても長いギアが付いているものが多かったのですが、現在のトラックにはそのような大きなギアはありません。
今の大型トラックのトランスミッションは、実はエアの力を利用しているのです。ギアチェンジがスムーズになったので破損したり騒音が出たりする事が無くなったのです。
排気システム
大型トラックの排気ガスシステムは排気ガスをクリーンにする、騒音を軽減させる、排気ガスの温度を下げて排出するという3つの役割をになっています。
これらの条件を満たすために様々な工夫がされています。例えば触媒を通してクリーン化し、サイレンサーにより騒音を抑え、排気ガスの熱を奪う工夫が凝らされているのです。
まとめ
今回は大型トラックの各部名称をご紹介してきました。大型トラックというのはとても細やかな工夫がされている事がわかります。この記事が大型トラックの各部名称について知りたいという方の参考になれば幸いです。