新車トラック購入費用の節税効果を最大限にするには?特別償却をわかりやすく解説!
2020年度末までという制限はありますが、新車でトラックを買った場合はその年の減価償却費を30%上乗せできるという制度があります。
利用することで節税を行うことができますので、ここではその特別償却について紹介していきたいと思います。
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トラックの特別償却とは
「特別償却」とは法人税特別措置法などに基づいて定められている税制のことです。特定の設備や備品を購入した際に一定期間に限って減価償却費を通常より多く計上できるというものです。
減価償却費が大きくなれば課税所得が減額されることになり税負担が減少します。もしくはかかってくる法人税を減税させるということができます。
これはどちらかを選ぶことができるようになっており、両方を使うことはできません。
こうして節税を行うことができるのです。これは設備などに投資をした「中小企業」が使用できる制度となります。
対象となる会社・トラック
対象となる会社
非常に便利な特別償却ですが、どの会社でも使用できるというわけではありません。
「中小企業等投資促進税制」という名前が表している通り「中小企業」が対象となる制度なのです。
つまり資本金が1億円以上の大企業、もしくは大規模法人の子会社の場合は特別償却は利用できないのです。
また、税額控除の場合は「資本金3000万円以下」という条件が加わります。資本金が3000万円を超えていて1億円までの会社は特別償却のみを行うことができます。
対象となるトラック
この規則に当てはまるトラックにはいくつかの条件があります。まず「車両総重量が3.5トン以上」のものです。
最大積載量ではなく車両総重量ですので、条件さえ満たしていれば2トン車でも3トン車でも問題ありません。そして「実際にそのトラックを業務に使用している」ということがあります。
購入したまま使用せずに放置しているものは対象となりません。同時にこのトラックは「新車で購入した」ものに限られますので中古トラックを購入した場合やレンタル・リースしたものは含まれません。
また、「普通自動車」であることという条件があります。自動車検査証において軽自動車、小型、普通、大型特殊と種類がありますが、このうち「普通」となっていれば大丈夫です。
特別償却のメリットとデメリット
特別償却にした場合のメリット
特別償却を行うメリットとして「購入した年度に利益を抑えることができる」というものがあります。経費を増やして利益を少なくすることで税金を抑えるのです。
例えば1000万円のトラックを購入したとします。耐用年数が5年であった場合、普通に計算すると1000万÷5=200万となり、その年の経費は200万円ということになります。
しかし特別償却では購入代金の30%を上乗せして計上できるのでその年の経費は500万円ということになります。こうして経費を増やした分だけ法人税を減らすことができるのです。
特別償却にした場合のデメリット
特別償却のデメリットは「購入した年度しか適用されない」ということです。そのため赤字決算の都市に特別償却を行ってしまうとさらに赤字が大きくなることになります。
また、先ほどの1000万円のトラックの購入した場合だと初年度に500万を計上すると残りの500万円を残りの耐用年数4年で割ることになります。すると500万÷4=125万円となります。
つまり5年のトータルで見れば減価償却費は変わらないということになるのです。
税額控除とは
法人税が安くなる
中小企業投資促進税制の税額控除とは「固定資産の取得価格を複数期にわたって全額(100%)経費に落とせる」「取得した年度の税額を一定割合で軽減することができる」というメリットを持つものです。
トラックの購入費であれば「7%」を法人税額から減額できるというものです。減額には上限幅がありますが、単純に減額となるのでその分メリットがあります。
特別控除と税額控除の違い
特別償却は減価償却費を前倒しするものでトータルで考えるとメリットはありません。税額控除は法人税の減額があるのでトータルで考えればこちらの方がメリットがあります。
ただし減額には上限があるため、「購入した年度」だけを考えた場合は特別償却の方が強い節税効果があると言えます。
そのため「とにかく今期の決算」のことだけを考えるのであれば特別償却の方が有利だと言えます。
特別償却を選んだほうがよい会社
来期以降の業績が悪くなると予想される場合などは今期のうちに減価償却を前倒しすることで経費としてしまい、来期以降の経費を減らすということができます。
その場合は特別償却を選んだ方が良いでしょう。
また、今期の納税額をできるだけ抑えたい、今期の資金繰りをどうにかしたいという場合は経費を今期に増やしてしまうことで納税額を抑えることが可能となります。
税額控除とどちらが得になるかわからないという場合は税理士に相談すると確実です。
まとめ
中小企業がトラックを新車で購入した場合には中小企業等投資促進税制という制度を利用して「特別償却」や「税額控除」の制度が使えます。
どちらにもメリットとデメリットがあるために会社の経営状態を考えて有利な方を利用するのが良いでしょう。