フォークリフトへの正しい乗り方と運転操作方法について
フォークリフトの運転資格を取得する際の運転技能講習の実技試験では走行や荷物を運搬する技術だけでなく、フォークリフトに乗り込む時の動きも採点に関係してきます。正しい乗り方をしないと減点対象となってしまうのです。
そこでここでは、フォークリフト運転技能講習の実技試験にも関係してくる、安全で正しいフォークリフトへの乗り方について紹介していきたいと思います。
Contents
フォークリフトはどちらからでも乗っていい訳ではない
フォークリフトの運転席には右側と左側のどちらからでも乗り込むことができるようになっていますし、実際にどちらからでも乗り降りすることは可能です。
ただし、決まりがあるため、どちらから乗っても良いというわけではないのです。実はフォークリフトには正しい乗り込み方が決められていて、それを破ると安全面で問題が発生してしまうことがあるのです。
そこでフォークリフトの正しい乗り方を順に紹介していきます。
フォークリフトの正しい乗り方は?
まず運転席の左側に移動します。フォークリフトはどちらからも乗れる構造になっていますが、正しくは左側から乗るのです。
左手でアシストグリップを握り、右手でドライバーシートの背中部分を持ちます。そして乗降ステップに左足をかけて、タイミングを合わせて一気に乗り込みます。
この順序で乗れば、レバーなどに体を当てることなく安全に乗り込むことが可能となります。
乗り込んで位置を調整したら、周囲の安全を確認した上でキーを回してエンジンをかけて操作を行っていくことになります。
乗り方を守らないとどのような危険があるのか?
前後進レバー接触してリフトが動く
左側から乗り込むにはちゃんとした理由があります。運転席の右側には車両の前進や後進を行うレバーがあります。右側から乗り込むとこのレバーに接触してしまうことがあるのです。
エンジンがかかっている状態で、このレバーに接触するとフォークリフトが動いてしまうことになります。前方や後方に人や荷物があった場合には非常に危険です。
これを避けるために左側から乗り込むのが正解なのです。
操作レバーに接触して挟まれ事故
運転席の右側にはフォークの操作レバーもあります。こちらのレバーに接触するとフォークが動いてしまうことになります。
こちらも近くに人や物があった場合には非常に危険です。フォークに荷物を積載している場合などは落下や挟み込みなどの事故が起こることもあります。
こういった危険性があるために右側から乗り込むのが禁止されているのです。
フォークリフト運転技能講習実技手順と注意点を紹介!
乗車前点検
実技試験では試験コースにおいて「指差し点検」を行うところから始まっていきます。周囲が安全な状態か、フォークリフトを動かしても問題ない状態かどうかを確認するところから始まるのです。
点検後に手を挙げたら試験開始となります。ここから規定時間内に項目をクリアしていくことになります。
運転席の左側から乗車
乗り込みは必ず運転席の左側から行います。右側から乗り込もうとした時点で不合格はほぼ確定です。
必ず左手でアシストグリップを持って、右手で運転席の背中部分を持ち、正しく乗り込みましょう。
発進
運転席に乗り込んだら、周囲の安全確認を行います。そしてシートベルトを装着して座席位置の調整を行い、操作しやすい位置に合わせていきます。
すべて問題がなければキーを回してエンジンをかけ、発進していくことになります。
走行・荷役
実技のメインとなる「走行」と「荷役」です。「左折」「前進」といった基本的な運転操作を行うことになるのですが、ハンドル操作を間違えると壁にぶつかってしまいます。
また、坂がある場合などはエンストを起こす可能性もありますので注意しなければなりません。
荷物をフォークに積載するには荷物の手前で駐車して駐車ブレーキをかけて前後進レバーをニュートラルに戻します。そしてフォークを操作して荷物を積載していきます。積載したらバックで運転をしていくこととなります。
帰庫
荷物の運搬が無事に終わればフォークリフトを元の位置に戻しに移動させます。
レバーの操作を適切に行い、細かい減点がないように気をつけましょう。
フォークリフト運転技能講習実技試験の合格基準は?
フォークリフトの合格基準は100点満点からの減点方式となり、70点以上で合格となります。
もちろん試験官によって印象が違う場合もありますし、試験会場によっても違う部分があります。目安としては、
- 指差し点検を忘れると-3点
- アシストグリップを使わずに乗車すると-3点
- 壁に接触したら-5点
というように違反やミスをするたびに減点が行われていきます。
すべての項目が公式に発表されているわけではないのですが、「安全確認忘れ」「操作ミス」などが起こるたびに減点されるものと思っておいて良いでしょう。
まとめ
フォークリフトは乗車の仕方や操作の仕方が細かく定められている車両です。正しく使えば非常に役立つ車両ですが、車体が大きく、フォークが飛び出ている形状となっていますので使い方を間違えると危険なものでもあります。
早く操作をすることよりも、安全で正しく操作することが重要だと言えるでしょう。