玉掛けの合図一覧・クレーンオペレーターに手や声で合図する方法をまとめました
クレーンを運転するには専門の資格が必要ですが、クレーンに荷物を掛けるのにも資格が必要となります。それが「玉掛け」です。
現場で安全に、また正確にクレーンを操作するためには、玉掛けの指示がクレーンオペレーターに正しく届かなければいけません。そのため手や声による合図は、作業を円滑に行うために必要となります。
そこでここでは玉掛けの合図について紹介していきたいと思います。
Contents
玉掛けの合図
玉掛けとは、工事現場などでワイヤーなど吊り下げをすることができる道具を使って、荷物に吊るための器具を装着したり、吊り上げた荷物を解く際に行う作業を指しています。
クレーンを実際に操作するのはクレーンオペレーターですので、玉掛けをする人がクレーンオペレーターに対して合図を正しく行うことで安全に操作できるようになるのです。
この時に使用されるのが「玉掛けの合図」です。
手で行う玉掛けの合図
呼び出し
まず行うのが「手を高く挙げる合図」です。これで呼び出す合図となります。手を上げるのは片手であり、オペレーターに見えるようにしっかりと手を挙げるのが重要です。
肘を曲げたり、指先が伸びていなかったりすると他の合図と間違えてしまうので注意が必要です。
位置の指定
位置を指定する合図は「指で指し示す合図」をします。合図をする場合は荷物を上げ下げする車に可能な限り接近してはっきりと指を指し示すことがポイントです。
巻き上げ
巻き上げは荷物を吊っているワイヤーを上に巻き上げていくことです。指示は「片手を高く上げてぐるぐると回す」ことです。しっかりと大きく円を描いて回しましょう。
補巻上げ
こちらは移動式クレーンに搭載されている補助ワイヤーを動かすときの合図です。「上腕部を手で叩いてから巻き上げと同様に合図」していきます。
巻き下げ
巻き下げはワイヤーをゆっくりと巻きながら荷物を下げていくことです。指示は「腕を水平に伸ばして手のひらを下に向ける」ことです。
補巻き下げ
こちらも補助ワイヤーを下げる合図です。「上腕部を手でたたき、腕を水平に伸ばしたまま手のひらを下に向ける」合図を行います。
ジブ上げ
ジブとはクレーンの腕の部分のことで「ブーム」とも呼ばれています。指示は「自分の頭の上にこぶしを乗せて上方向に親指を向ける」合図で行います。
ジブ下げ
こちらも同様にブームを下げるときの合図です。指示は「自分の頭の上にこぶしを乗せてから下方向に親指を下げる」合図を行います。
水平移動
水平移動とは高さを変えることなく位置を移動させることです。この指示は「手のひらを移動方向に向ける」合図で行います。
微動
微動とは少しだけ動かして欲しいときに行うものです。合図は巻き上げや巻き下げに似ているのですが、「親指ではなく小指を使って」合図をします。
転倒
縦に吊っていたものを横に倒すときには「両手を平行に延ばして, 転倒の方向にまわす」という合図を行います。
停止
「ほどほどの高さで手のひらを高く上げる」という合図を行います。これで停止を求める合図となります。ただ、微動の場合はそのまま指を握りしめてもかまいません。
急停止
基本的にクレーンでの作業はゆっくりと安全に行なわなければいけませんが、突発的なトラブルで急停止しなければいけない時には「手をひろげて高く上げ、 激しく左右に大きく振る」合図を行います。
作業完了
すべての作業が完了したときには「挙手の礼、 又は両手を頭の上に交差させる」という合図を行います。これが作業完了の合図となります。
声による玉掛けの合図
玉掛けの合図は手で行うのが基本的なのですが、物理的に見えない位置だったりする場合には無線機などを使ったり、大声で指示をするという「声による合図」を行う場合があります。
これは地域や会社、人によって大きく合図が違ってきますので、必ずオペレーターと事前に合図は確認しておきましょう。ここでは一般的によく使われる合図を紹介していきます。
巻き上げ
巻き上げを行う際には「ゴーヘッド!」「巻いて!」「巻き上げて!」などを使います。また少しだけ操作してほしいときには「チョイ」といった言葉を足します。
巻き下げ
巻き下げを行う時には「スラー!」「下げて!」「降ろして!」「巻き下げて!」などと指示をします。
ジブ上げ
「親ゴー!」「起こして!」「ブーム上げて(起こして)!」といった合図によってジブ(ブーム)を上げる、起こしてもらうという指示となります。
ジブ下げ
ジブ(ブーム)を下げていくとき、伏せていくときには親スラー!」「寝かせて!」「伏せて!」「ブーム下げて(倒して)!」などの指示を出します。
旋回
右や左に指示を出す際にはオペレーターから見た方向となります。合図を出す人の方向ではないので注意が必要です。「右(左)旋回!」「右(左)へ回して!」といった合図を出すことが重要です。
玉掛けの合図をするときの注意点
作業は安全第一
クレーンでの作業は安全が第一です。合図を出す際には周囲に人がいないか、物がないかを確認してから行うことが重要です。
クレーンオペレーターとのコミュニケーション
声や手の合図は現場によって違っていることがあります。事前にオペレーターと合図を確認しておくことが重要です。
声で指示をする時などはオペレーターに復唱してもらうことで伝達ミスを減らすことができます。
まとめ
クレーンを安全で迅速に操作していくには玉掛けの合図を適切にオペレーターに行うことが重要となります。それぞれの合図をしっかりと行うことで作業を行っていきましょう。