クラッチ滑りの原因と予兆・クラッチの寿命、交換方法と劣化を防ぐ運転の仕方

   

走行中にクラッチ操作をした時、これまでに感じたことが無いような振動や遊びを感じたら、クラッチ滑りを起こしていることを疑います。

5万~8万キロ経過したらクラッチが劣化してこれらの症状が起こるのです。ここではクラッチ滑りの原因をご紹介いたします。

クラッチの滑りの予兆

クラッチ滑りにはいくつかの予兆があります。その予兆を知ることによって破損や事故を未然に防ぐことができるので、ご紹介する症状に心当たりがある場合は点検をしましょう。

クラッチをつないだときの振動

クラッチをつないだときにこれまで感じたことが無いような振動が伝わることがあります。

また、クラッチを踏み込んだ時にギアチェンジがしにくくなり、深く踏み込んでもなかなかつながりにくくなったなと感じることがあります。

一回や二回くらいならそれほど気にすることはないかもしれませんが、頻繁に起こるようになったらクラッチ滑りを起こしている可能性があります。

加速しない

通常、クラッチを踏み込んでギアチェンジをすると、エンジンの回転数が上がって加速していきますが、クラッチ滑りをしているとギアチェンジをした時に、回転数は上がるのに速度が上がっていかない症状が出てくることがあります。

例えるなら半クラッチの状態で進んでいるという感覚になる場合は、やはりクラッチ滑りを起こしている可能性があります。

変速できない

トラックの場合、点検をした後に稀にギアシフトが外れたりすることがありますが、それと同じようにギアチェンジをしようとしてもギアが変わらないというトラブルが起こることがあります。

ギアチェンジができないだけじゃなくギアそのものが動かなくなることもあります

こうなったらすぐにでもクラッチディスクの交換が必要になるので気を付けましょう。

回転数が急に上がる

クラッチが破損したとしても交換すれば良いだろうと思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、事態はそう簡単には済みません。

もしもクラッチディスクが破損してしまったら、車の走行が不可能になってしまうかもしれません。

例えば走行中に急に回転数が上がってしまった場合、かなり深刻な症状なのでこの症状が出る前の段階でクラッチディスクの交換を行いましょう。

クラッチ滑りの原因は?

クラッチ滑りは避けられないものですが、一般的には5万~8万キロで交換すれば問題はないものです。でもそれ以前にクラッチ滑りを起こすことも多々あります。その原因をご紹介しましょう。

クラッチディスクの劣化・磨耗

ミッションの場合は半クラッチを使う場面が少なくありません。半クラッチはディスクをこすり合わせた状態で走行するため、どうしてもクラッチディスクが早く摩耗してしまいます。

そのため半クラはあまり多用するなと注意されます。

半クラッチを多用すると、摩耗や摩耗による劣化が進みやすくなるため、本来の寿命よりも短い間にクラッチディスクを交換しなくてはならない状態になってしまうのです。

実は半クラッチの多様によるクラッチ滑りは意外と多い原因ですね。

クラッチカバー・スプリングの劣化

クラッチカバーはダイヤフラムスプリングという部品と一体化している部品で、クラッチを踏み込むとエンジンから離れてタイヤの回転が止まり、クラッチを話すとエンジンの回転数をとらえてタイヤが動く仕組みになっています。

このダイヤフラムスプリングにはエンジンの回転をとらえるための羽があって、この部分が摩耗してしまったり劣化してしまうことでクラッチがつながりにくくなり、クラッチ滑りを引き起こしてしまうのです。

クラッチディスクのオイル汚れ

車にはいくつものオイルやグリスなどが使われていますよね。

もちろん滑りを良くしたりするためのものなので、クラッチにオイルやグリスを使うことはありませんが、例えばオイル漏れなどによってクラッチにつくことがあるかもしれません。

するとクラッチ自体に破損や劣化が見られなくても、オイルやグリスの影響でクラッチ滑りを起こしてしまう可能性は否定できないので、もし劣化や摩耗が考えられないのにクラッチ滑りがある場合は、点検をしてもらう必要があるでしょう。

クラッチ滑りを確認する方法

クラッチ滑りが起こっているのかどうかがわからない場合には、いくつかの方法で確認することができますので、疑わしいと思ったなら試してみてはいかがでしょうか。

走行時に回転数を上げてみる

この方法を試す前に周囲に歩行者や車が無いことを確認し、安全な場所で行う必要があります。

まず走行している時に回転数を上げてからアクセルを踏み込んでみましょう。

通常であれば緩やかに回転数が上がっていくものですが、突然回転数が跳ねあがるようであればクラッチ滑りを起こしている可能性があります

明らかに回転数が高くなるようであれば点検を依頼しましょう。自分で確認をするのも良いですが、やはり重要な部分なので修理工場などでプロに依頼して点検を行い、必要であれば部品の交換をお願いしましょう。

エンストするかチェック

この方法を行う時も周囲に危険が無いかの安全確認をした上で行いましょう。

この方法は車を停車してサイドブレーキを引いた状態で行います。クラッチを踏み込んでギアを入れます。

通常であれば半クラッチの状態でアクセルを踏み込めば車が走り出しますが、アクセルは踏み込まずクラッチを少しずつ離します。

もしこの時にある程度のところまでいってエンストをすればクラッチ滑りはありませんが、クラッチを離したにも関わらず車がエンストしなかった場合はクラッチ滑りを起こしていますので、速やかに点検や部品の交換をお願いしましょう。

クラッチ滑りが起きたときの対処法

ここではもしもクラッチ滑りが起きているとわかったら、どのようにすれば良いのかについてわかりやすくお話しています。

走行中にクラッチ滑りに気づいたら

走行中にクラッチ滑りをしているのでは?と思ったら、できるだけ早く点検をお願いすることが重要です。

駐停車した時に半クラッチの状態の時に点検をすれば、故障までいかない状態で修理ができるので問題はありません。

でももしも走行中に突然回転数が上がるなどの異変が起こった場合には、かなりクラッチが劣化していることが予想されるので、すぐに走行するのをやめて修理点検をお願いする必要があります。

他の部分まで破損したら費用がかなりかかるので注意しましょう。

クラッチの寿命

クラッチの寿命は先ほどから言っているように5万~8万キロ程度です。そんなに早く壊れるものではありませんね。

なので一つの目安として5万~8万になったらクラッチ滑りのことを頭に入れておくと良いでしょう。

ちなみにクラッチの寿命については走行距離だけではなく、運転手の運転の仕方によっても変わってきます。

もちろんクラッチの形状などによっても多少変わると言われていますので、定期的な点検を怠らないよう注意が必要です。

クラッチの交換費用

もしクラッチ滑りを起こしているとわかった場合や疑いがある場合は、速やかに点検を行い必要であれば部品の交換をする必要があります。

この時の費用についてですが、乗用車の場合であれば部品代を含めて4万円~7万円程度で交換ができます。

この開きは車種によってクラッチの価格が違うからですが、トラックの場合は乗用車と違ってもう少し費用がかかります。10万円~15万円ほどかかるということを頭に入れておくと良いでしょう。

クラッチの劣化を防ぐ運転の仕方

クラッチの劣化はご紹介したように半クラッチを多用することが一番大きな原因となっています。

最近はAT車ばかりなのでスタートでもたもたすると追突事故の原因にもつながるため、焦ってエンストを避けようと半クラッチになる方も多いでしょう。

それを少しでもなくすために、クラッチのタイミングを把握してできるだけ半クラッチの回数を減らすことを心掛ける必要があります。

また、回転数が高いスポーツ走行もクラッチ滑りの原因につながるので、車の性能に合った走行を心掛けるとクラッチの寿命を全うできるようになるでしょう。

まとめ

今回は、クラッチ滑りとはどういうものなのかや、クラッチ滑りを引き起こす原因は何か、そそてクラッチ滑りを放置するとどうなるのか、クラッチ滑りを起こさない運転とは?についてご紹介いたしました。

今回の記事がドライバー方のお役に立てると幸いです。

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