バスの運転は難しい?大型バス、マイクロバスの運転難易度について解説
バスは車体も大きく、それだけ運転は難しくなっています。これからバスの運転手を目指すという人は、大型二種免許を取得すると同時にバスの運転技術も身につけていかなくてはいけません。
そこでここではバスを実際に運転する方法や、大型二種免許の取得について紹介していきたいと思います。
Contents
こんなに大きい大型バス!
バスといっても大型バス、中型バスなどさまざまな大きさがあるのですが、大型の観光バスともなると「長さ12m」「車幅2.5m」「高さ3.5~3.8m」にも及びます。
そのため普通車の運転に慣れている人でも、まったく別の乗り物を運転しているというほど感覚は違ってくるものです。
そのため、大型バスを運転するためには大型免許が必要になります。また、乗客を乗せて仕事をするためには大型二種免許が必要となるのです。
それだけの運転技術が求められるということもありますので、バスの運転手を目指している人はそれらを備えていかなければいけません。
大型バスの運転の難しいポイントとは?
車両感覚の違い
まず普通車とは車体のサイズがまったく違うために、自分が運転するバスの長さ、横幅、高さなどをわかった上で、その車両感覚に慣れておかなければいけません。
毎日まったく同じ大きさのバスを運転していれば、その車両感覚はつかみやすいかもしれませんが、違う種類のバスを運転する際などは車両感覚が曖昧になることがあります。
自分が把握している感覚が実際とずれていたりすると車両をぶつけたり、擦ったりすることにつながりますし、すれ違う車に当たってしまうということもあります。まずは正しく車両感覚をつかむ技術が必要だと言えます。
クラッチ操作やアクセルワーク
少し前の大型トラックやバスのシフトレバーは長い棒のような形をしており、操作するのに手間と力が必要となっていました。そのシフトレバーを使用してクラッチ操作を行うわけですが、やはり操作が難しかったということがあります。
ここ最近ではシフトレバーが扱いやすいような大きさと形状になってきていることもあり、女性ドライバーでも運転しやすくなってきています。
しかしまだまだすべてのバスが新しいシフトレバーに変わっているというわけではなく、バスによっては以前の長い棒のシフトレバーの場合もあります。
また、バスは車体が大きく、総重量もあるためにアクセルを踏んでも普通車と同じように動くわけではありません。
どのくらい踏み込めばバスがどう動くかということは自分の感覚的な部分もありますので、その感覚に慣れるしかないのです。バスがどういった操作によって、どう動くのかを把握して感覚に慣れていきましょう。
内輪差
大型バスは車体が12mほどにも及ぶものがあります。当然、前輪と後輪の間は大きく離れており、それだけ内輪差が発生することになります。この内輪差を考えずにカーブしてしまうと後輪が乗り上げてしまうことになります。
重要なのは「後輪がどのルートを通るか」を意識してカーブするということです。後輪が動くルートを考えた上で、カーブをすれば乗り上げることなくカーブできるでしょう。
乗客が乗っていることが一番難しいポイント!
同じ大型車両を運転すると言っても、トラックとバスには大きな違いがあります。それがトラックは「物」を運ぶものですが、バスは「人」を運ぶものだということがあります。
人は運転によっては転倒もしますし、壁にぶつかってケガをすることもあります。
運転手が危険な運転をしているとクレームを出されることもあるでしょう。また、時間通りに目的地に着かなければ困るという乗客も多くいます。
バスの運転技術を向上させるにはこのように運んでいるのが「人」であることを強く意識して、安全に運転することが重要なのです。
大型二種免許取得に関して
大型二種免許の取得難易度は?
人を乗せて運賃が発生するような仕事をする場合は二種免許が必要になります。例えばタクシー、ハイヤー、介護タクシー、路線バス、観光バス、高速バスなどの運転手は二種免許を取得していなければ仕事ができません。
取得の仕方には「教習所に通う」「教習合宿に参加する」「自力で一発試験を受ける」といったものがあります。教習所や合宿に参加した場合は40%近い合格率がありますが、一発試験の場合は5%ほどの合格率しかありません。
確実に合格したいのであれば、教習所に通うことをおすすめします。
取得条件
まず免許を持っていなかった人がいきなり二種免許を取得することはできません。先に一種免許を取得して3年が経過しているということが条件になるからです。
そのためどんなに早くに取得しようとしても最短で21歳ということになります。ただし3年の間に運転免許停止などの期間があった場合はその期間分は延長されることになります。
また、二種免許を取得にするにあたって健康面からの身体条件はないのですが、運転するのにあたって必要な視力、深視力や動体視力は必要になります。そういった適性検査を受けて合格する必要があります。
この条件を満たしていなければ学科試験や実技試験に進むことができませんので、これが身体条件と言えるでしょう。
免許取得にかかる時間
教習所に通った場合はだいたい10日~2週間ほど、合宿を利用した場合は7~10日ほどの期間がかかることとなります。
学科試験と技能試験に合格しなければならないのですが、学科試験は高い合格率となっており、多くの不合格者が出るのは技能試験となっています。
取得にかかる費用
教習所に通う場合は22~25万円前後、合宿の場合は18~20万円前後、一発試験の場合は4万円ほどの費用がかかります。ただし、地域によってもかなり違いがあります。
また、教習所によっては「大型免許と大型二種免許」「大型免許と大型二種免許と牽引免許」のようにセットで取得できるプランもあります。
それらのプランを利用することでも費用は大きく変わってきますので、事前にどの免許を取得するつもりなのかを考えて準備しておきましょう。
個人でマイクロバスの運転をする時に注意したい事
クラブで遠征する、大人数で旅行に行くなどでマイクロバスを利用するということがあるかもしれません。そういった際に個人でマイクロバスを所有するという方法もありますし、貸切という形でレンタルするということも可能です。
ただし、マイクロバスを運転する際にはいくつかの注意点があります。まず、運転手一人で貸切マイクロバスを運転することができるのは1日9時間までです。
9時間を超えて運転をする場合には交替運転手が必要となります。運転手二人で運転した場合でも1日20時間までしか運転することはできず、次の運転まで8時間空ける必要があります。
また、運転手一人で運転できる距離は「昼間走行で500kmまで」「夜間走行で400kmまで」と定められています。それ以上の距離を運転する場合は交替運転手が必要となります。
まとめ
バスの運転は車体が大きいことや、運ぶのが「物」ではなく「人」であることから運転するのが非常に難しい車体です。そのために運転するには大型免許や大型二種免許が必要となってきます。
仕事をするのに必要な資格や免許を揃えて、運転技術を磨くことで安定したバスの運転手を目指していきましょう。