大型トラックの燃費をよくするためのテクニックとは?燃費向上で節約を
運送業界にとって燃費はコストに直結する最も大事な数値の一つです。
ドライバーとしても燃費をできるだけ抑えて走る方法を身につけたいと思っている方が多いと思います。
そこで、今回は大型トラックの燃費を上げるための知識と運転スキルを解説していきます。
Contents
大型トラックの平均燃費について
大型トラックの燃費の前にまず普通車の燃費を見てみましょう。普通車の燃費は平均的な車種で15~20kmです。
対して大型トラックの燃費は2~5km程度しかありません。
大型トラックはガソリンエンジンよりも燃費のいいディーゼルエンジンを搭載していますが、車体がものすごく重いため、結果的に燃費がこれほどまでに悪くなってしまいます。
また、経年劣化によってエンジンやその他のパーツが痛んでくるので燃費は徐々に落ちてきます。
大型トラックの燃費の基本|走行抵抗を知ろう!
では、大型トラックの燃費をよくするための方法を紹介していきます。まずは車体と燃費の関係を知りましょう。
大型トラックの走行抵抗(1) 空気抵抗
トラックの車体と燃費の関係で最も大きな影響を及ぼすものの一つが「空気抵抗」です。
空気抵抗は車体と空気の間で発生する摩擦による抵抗のことを指し、空気抵抗の大きさは車体の形状や大きさによって変わります。
一般的には、速度が上がれば上がるほど空気抵抗の影響は大きくなるとされています。
大型トラックの走行抵抗(2) 転がり抵抗
「転がり抵抗」は、転がるタイヤと地面の間に生じる摩擦による抵抗のことです。
転がり抵抗を大きくする要因は主にトラックの総重量です。トラックが重ければ重いほどタイヤへの負荷が大きくなり、タイヤの形状が歪んできます。
そうすると、タイヤが円形でなくなり道路との摩擦が大きくなって転がり抵抗が大きくなるのです。
荷物の重さや使うタイヤの種類によって転がり抵抗は多少調整が効きます。
大型トラックの走行抵抗(3) 勾配抵抗
坂道を上るとき、歩いていても自転車に乗っていても必要な力が大きくなると思います。このように、坂道を上るときは、平面の時と比べて余計に抵抗力がかかります。
この抵抗を「勾配抵抗」と呼びます。
勾配抵抗はイメージがしやすいと思いますが、やはり、車両が重ければ重いほど勾配抵抗は大きくなってきます。
大型トラックの燃費向上|車体編
大型トラックの燃費を左右する要素をいくつか解説してきました。では、実際にどのようにすれば大型トラックの燃費を改善していけるのかを紹介していきます。
大型トラックの燃費向上テクニック(1) エンジンオイルの交換
エンジンオイルは「エンジンを滑らかに動かす」役割を持っています。そのためエンジンオイルが少なくなると、エンジンの動きが悪くなり燃費が悪くなってしまいます。
そのため、大型トラックの燃費を維持するためにはこまめにエンジンオイルをささないといけません。
車体などのどうにもならない条件ではなく、エンジンオイルはドライバーの人次第で手入れができるものなので、燃費を維持するには欠かせないです。
大型トラックの燃費向上テクニック(2) タイヤの空気圧の点検
大型トラックの燃費を左右する条件として「転がり抵抗」がありましたが、空気圧が抜けるとこの「転がり抵抗」が著しく大きくなってしまいます。
大型トラックはただでさえ重量が大きく、タイヤの形状が変形しやすいのに、タイヤの空気圧が低くて形が変わりやすくなってしまうと「転がり抵抗」が大きくなり、燃費が大幅に悪化してしまいます。
大型トラックの燃費向上テクニック(3) 低燃費タイヤに交換
大型トラックの燃費をよくする方法には、低燃費タイヤを使う方法もあります。
低燃費タイヤは転がり抵抗を小さくすることで燃費を向上させるタイヤで、中のエンジンなどをいじる必要がないので、比較的手間をかけずに燃費の向上を図ることができます。
ある会社の実験では、普通のタイヤと比べたときに10%以上燃費に差が生じたという結果もあります。
もちろん走る道路によっても異なってきますが、低燃費タイヤは実際に大型トラックの燃費を向上させるでしょう。
大型トラックの燃費向上|運転テクニック編
それでは、続いて運転のテクニックによって大型トラックの燃費を向上させる方法を紹介していきます。
大型トラックの燃費向上テクニック(1) グリーンゾーンでの早めのシフトアップ
グリーンゾーンとはある程度の速さがでている速度帯のことで、この範囲内では加速で消費されるエネルギーが比較的少なくて済むというものです。
急発進や急加速はエンジンの消費するエネルギーが大きくなります。
そのため、停車している状態からいきなりアクセルを踏み込むのではなく、最初はゆっくりと発進して、徐々に加速を大きくしていくといったやり方で加速をすると燃費が改善されていきます。
大型トラックの燃費向上テクニック(2) 7速など高速段を多用する
大型トラックで走行するとき、最も燃費がいいギアは「一番重いギア」です。
各トラックが何速まであるのかはトラックの種類によりますが、どの種類であれ、高いギアで走行することがいい燃費につながります。
大型トラックの燃費向上テクニック(3) スピードを出しすぎない
スピードを出しすぎないことも大事なポイントです。スピードを出しすぎると空気抵抗が大きくなるので、低速時よりも高速時の方がトラックの受ける抵抗が大きくなるのです。
速度が上がれば上がるほど空気抵抗は大きくなるので、必要最低限の速度で運転すると燃費が良くなります。
大型トラックの燃費向上テクニック(4) エンジンブレーキ・排気ブレーキを使う
「エンジンブレーキ」とは、エンジンの抵抗を利用して減速することです。アクセルから足を放すと、大型トラックではエンジンが止まり、抵抗となってブレーキ代わりになります。
エンジンが回っていないので、その分燃費を向上させることができます。
大型トラックの燃費向上テクニック(5) 速度を一定に保つ
速度を上げるとそれだけエンジンの回転数が上がって燃費悪くなる。
速度を一定に保つ=加速がない。 エンジンが高回転にならない
トラックの速度を一定に保つということは、加速がすくなくなるということです。
加速がないと燃費が良くなる理由は、燃料を大量に消費してエンジンを高回転で回転させて加速することがなくなるためです。
大型トラックの燃費は高速道路と一般道ではどう違う?
高速道路と一般道路では、高速道路の方が燃費が良くなります。なぜなら、一般道路には信号があるためです。
信号があると、何回も停車と発進を繰りかえさなければならず、その分燃料が多く消費されます。また、他の車との距離が近く、影響を受けやすいことも原因にあげられます。
大型トラックの燃費を改善して気持ちよく運転しよう!
大型トラックの燃費は会社にとってとても重要です。車体の形状などのどうしようもないものは仕方がありませんが、スピードや普段のメンテナンスで燃費があげられる場合もあります。
自分でできることをやって大型トラックの燃費を向上させてみてはいかがですか?