土砂禁ダンプに表示は必要?土砂禁ダンプで土砂を運んだ場合の罰則は?
「土砂禁ダンプ」に土砂を積むことは法律で禁じられています。ではなぜ土砂を積載してはいけないのでしょうか。また、積載してしまうと罰則を受けることもあります。
そこでここでは土砂禁ダンプの表示についてわかりやすくまとめました。
Contents
土砂禁ダンプとは
土砂禁ダンプの特徴
一般的なダンプとは違って、発泡スチロールやダンボールなどの軽くてかさばるものを運搬するためのダンプです。
その形は荷台部分が深く、側面や後方の煽りが高くなっていて、比重が軽いものを積載可能な限界まで積載することができるようになっています。
深ダンプでは、ペットボトルや発泡スチロールなどの比重の軽いもの、ウッドチップなど、石灰、飼料、牧草のような大きいもの、かさばるものが主に運搬されます。
土砂禁ダンプの表示について
特に法令上、土砂禁ダンプに表示をしなければならないという決まりはありません。
しかし多くの会社では間違えて土砂を積載してしまわないように荷台の部分の側面や後方にペイント、プレート、ステッカーなどで表示をすることがあります。
土砂禁ダンプに土砂を積んではいけない理由
過積載の防止
土砂禁ダンプは煽りが深い分、比重の重い土砂を積載すると確実に過積載になります。それを防ぐために土砂を積載してはいけないことになっているのです。
土砂ダンプに必要な表示
土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」という法令によって対象となるダンプカーには表示番号の指定と車体への表示が義務付けられています。
これが一般的に「ダンプナンバー」と呼ばれるもので、非表示や虚偽表示は3万円以下の罰金となります。
土砂禁ダンプに土砂を積んだら?
ダンプ規制法によって土砂の積載を禁止されている土砂禁ダンプに土砂を積載した場合は、まず土砂の積載が可能となるように構造変更手続きを行うように「車両整備命令」が出されます。
この車両整備命令に従わない場合はダンプ規制法違反として「3万円以下の罰金」が科せられます。
これは以下の法令が適用されています。
土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法
第二十条 次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。
一 第四条の規定に違反して、表示をせず、又は虚偽の表示をした者
二 第九条第一項の規定による命令に違反した者
三 第九条第三項の規定に違反した者
この罰金刑は前科として取り扱われるため、非常に重い処分と言えます。
土砂禁ダンプに積んではいけないもの
土砂に該当するものを積んではいけないことになっています。それらは以下のようなものです。
- 土
- 砂利(砂及び玉石を含む)
- 砕石
- 砂利又は砕石をアスファルト又はセメントにより安定処理した物及びアスファルト・コンクリート
- 鉱さい
- 廃鉱及び石炭がら
- コンクリート
- れんが
- モルタル
- しっくいその他これらに類する物のくず
- 砂利状又は砕石状の石灰石及びけい砂
土砂禁ダンプが運搬できるもの
ウッドチップ
土砂禁ダンプは木片(ウッドチップ)を運搬することがあります。これは木片は比重が軽いものの大量になってかさばることが多いためです。
ウッドチップを運搬する土砂禁ダンプのことを「チップダンプ」と呼ぶことがあります。
飼料
農園や農場などで
- 飼料や牧草
- 家畜の糞尿
- 収穫物
などを運搬するのに利用する車両のことを「ファームダンプ」と呼ぶことがあります。
名称はファームダンプと付けられていますが、特に性能が一般的な土砂禁ダンプと違うということはなく、使用目的や使用場所によって呼ばれ方が違うというものです。
ペットボトル・発泡スチロール
清掃業者やリサイクル業者がペットボトルや発泡スチロールを集めるのにも利用されています。これらは比重は軽いものの、量が多くてかさばるために土砂禁ダンプが適しているのです。
土砂禁ダンプを土砂ダンプに変更するには
土砂禁ダンプを土砂ダンプに変更することは可能です。この場合架装を付け外しする際に必要となる陸運支局での構造変更手続きを行う必要があります。
そこでは次に挙げる書類が必要となります。
- 陸運支局で用意されている構造変更申請書
- 自動車車検証
- 自動車税納税証明書
- 自動車重量税納付書
- 自賠責保険保険証
- 点検整備記録簿
- トラック所有者からの委任状(手続き代行を業者に依頼する場合)
そして構造変更手続きを行うと、そのときに有効な車検は失効するために新たに車検を受ける必要があります。そして土砂ダンプとしてあらためて車両登録をすることになります。
まとめ
土砂禁ダンプは幅広い用途で使用されているダンプです。それだけに需要も多く、中古車でもそれなりに値段がします。手に入れた場合はぜひ大事に使用していきましょう。