実は高くない?バス運転手の離職率について解説!
バスの運転手は仕事がハードということもあって離職率が高いイメージがありますが、実際にはどうなのかはあまり知られていません。
そこでここではバスの運転手の離職の理由や離職率の実際の状況について紹介していきたいと思います。
Contents
バス運転手の離職率は高くない!
バスの運転手は仕事がハード、精神的につらいことがあるというイメージから離職率は高いと考えられがちですが、実際にはバスの運転手の離職率はそれほど高くはありません。
過去には長時間労働や低賃金などが原因となって離職に踏み切る人もいたのですが、近年その労働環境などは急激に改善しており、離職の理由が減ってきたということもあります。
また、バスの運転手が慢性的に不足しているということもあって、給与水準も高く設定されるようになってきているため、離職率はそれほど高くないのです。
バス運転手が離職を考える理由とは?
非のないクレーム
バスの運転をしている際に安全運転に注意し、時間を厳守しようとしていてもクレームが出される場合もあります。
特に急な事故などで到着が遅れた際などには厳しいクレームが出される場合があり、それが会社の方に連絡されることもあります。これが運転手の評価にもつながるのです。
接客業務
バスの運転手は運転をするというのが主な仕事ではありますが、乗客に対しては接客をする必要があります。
運転を安全優先で丁寧にすることは当然ですが、乗客に対しての心遣いや応対の際の言葉遣いなどに対しても意識していく必要があると言えます。
長時間労働
バスの運転手にも「路線バス」「観光バス」など色々な種類がありますが、基本的に労働時間は長い傾向があります。
特に観光バスの運転手は長時間労働が問題となり、ニュースにもなりました。
路線バスは比較的規則正しい労働時間となりますが、「中休み勤務」という朝と夕方のラッシュ時を中心とした勤務があり、途中休みはあるものの厳しい労働となります。
給与水準
バスには「公営」「民営」のものがあります。公営は市バスなどが該当し、民営は電鉄会社のバスや観光会社のバスなどが該当します。
このうち、地域の路線を走る路線バスは公営のものが多く、この運転手は地方公務員となるので給料はそれに準じるものとなります。
民営のバス会社はその会社によるのですが、中には給与水準が低いところもあるのが現状です。
人手不足の影響でバス運転手の受ける影響は大きい!
バスの運転手、トラックの運転手などは慢性的に人手不足の状態になっています。人手が足りないから今働いているドライバーの勤務が過酷になる。
勤務が過酷になるから離職してしまうという悪循環が続いていました。
近年、業界をあげて労務環境の改善が行われており、勤務時間の健全化、健康チェックの厳格化が進められているといえます。
人手不足を解消するためのバス会社の取り組みとは?
未経験者の採用
バスの運転手などは「経験者優遇」として求人が出されることが多くなっていました。
バスを運転するには基本的に「大型二種免許」が必要となるのですが、免許を持っていても実務経験がないという人は積極的に採用はされてこなかったのです。
しかし近年はこういった未経験者をどんどん採用していこうという動きになっています。
また、入社してから免許を取得するという場合もあり、その場合は会社から援助が出ることもあります。
女性ドライバーの採用
バスの運転手、トラックの運転手は男性というイメージが昔からついていました。ただ、近年は女性のドライバーも少しずつ増えてきているという状況となっています。
バスの事業所や高速道路のサービスエリアなどでも女性ドライバー向けのシャワー室などの施設も少しずつ充実してきています。
こういった取り組みによって女性ドライバーの採用も増えてきているのです。
資格取得のバックアップ
二種免許を取得していなければバス会社やタクシー会社などに入社できないというイメージはありますが、最近では入社時に二種免許を持っていなくても入社後に取得させてくれるという会社が増えてきています。
この場合は入社後に会社の「資格取得支援制度」を利用して免許を取得するということになります。こうして会社が資格取得のバックアップをしてくれるのです。
最初の一年を過ぎれば長期就業者多数!
近年、労務環境などが改善してきているバス業界ではありますが、まだまだ乗客からのクレームや労働時間、接客対応などを理由にして離職してしまうという運転手は存在しています。
ただ、そういった人たちは勤務して最初の一年以内に離職してしまうことがほとんどで、一年を過ぎるとそこからの離職率は急激に下がり、長期就業者が多くなるという特徴があります。
大型二種免許取得には教育訓練給付金制度の活用を!
二種免許の取得に関してはどうしても教習所などに対しての多額の費用がかかります。
しかし地域のハローワークなどの公共機関で正しい手続きを踏めば「教育訓練給付金制度」を利用して費用を負担してもらうということができる場合があります。
もちろん誰でもすぐに利用できるというものではなく、条件を満たした上で手続きをしなければいけないのですが、利用できるのであればぜひ利用していきたいところです。
まとめ
バスの運転手は色々と厳しい仕事ではあるのですが、イメージほど離職率が高いというわけではなく、労働条件や労務環境が改善されてきていることもあって離職率はそれほど高くないようになってきています。
これからバスの運転手を目指そうという人も、しっかりと二種免許があって、誠実に勤務することができれば、かなり安定した仕事でもあると言えるでしょう。