ユニック車とは?免許や資格など、ユニック車に必要なものは?
クレーンが付いているトラックを町中で見かける機会があると思いますが、あれはユニックという車種になります。
この記事では、そのユニックについてどういった用途で使われるのか、などを解説していきます。
Contents
ユニック車とは?
まずはユニック車について簡単に説明をいたします。ユニック車というのは平ボディのトラックにクレーンのついている車両の事を『ユニック車』と言います。
ユニック車のメーカーには古河そしてタダノというメーカーがありますが、実はユニック車という名前がこの車両の名前ではなく、古河ユニック株式会社の登録商標が『ユニック』というのです。
一般的にはクレーン付きトラックという言い方をしますが、今回はユニック車という名称でご紹介いたします。
ユニック車の特徴は?
ユニック車の特徴はクレーンが搭載されているという事です。搭載されているクレーンは『ブーム』と言われる部分があり、そのブームが伸びる事によってさまざまな作業を行う事ができます。
ブームの長さは自由自在に伸びるのではなく段数で決まっています。用途に応じて伸びる長さや段数を選びますが、最大で4段まで伸びるタイプが用途が広く、多くの企業で利用されています。
ちなみにもっとも長く伸びるのは7段のタイプです。ブームの先にはワイヤーが付いていて、その先にはフックが付いています。さらにクレーンは運転席と荷台の間に搭載されている特徴的な車両です。
ユニック車の種類は?
ユニック車にも他のトラック同様に種類があります。同じユニック車でも少しずつ違う特徴をご紹介いたします。
キャブバッグ型(通常型)
まずはキャブバック型と言われるユニック車の特徴をご紹介いたしましょう。キャブバック型というのは最も多く見かけるタイプのユニック車です。クレーンと操作装置は運転台と荷台の間に搭載されています。
荷台内架装型
荷台内架装型は日本の狭い道に優れた効果を発揮する機動性に優れたユニック車です。クレーンを運転台と荷台の間に搭載していないので、通常のユニック車よりも全長が短く小回りが利くという特徴を持っています。
ハイアウトリガー型
荷物の積み下ろしがとても楽にできるタイプのユニック車です。クレーンを使う時にハイアウトリガーで傾斜を作り、荷物を上げたりおろしたりするのが楽になるのです。
例えば段差がある狭い場所などで荷物の積み下ろしをするのに適しているので、こちらのユニック車もとても人気が高いタイプです。
ユニック車の運転に必要な免許は?
ユニック車の操作をせずにただ運搬するだけであれば、ユニック車の大きさによって必要な運転免許は変わります。
車両総重量が5t未満で最大積載量3tまでなら普通免許で十分です。車両総重量5t~11t未満で最大積載量3~6.5tの場合は中型免許が必要になります。
車両総重量11t以上で最大積載量6.5t以上であれば大型免許が必要になります。
ただし2007年6月1日以前の場合は旧中型免許で車両重量8tで最大積載量5t未満、旧普通免許で車両層積載量3.5t~7.5t、最大積載量4.5t未満の運転ができます。
クレーンを操縦するために必要な免許・資格は?
ユニック車の運転を行う時には特別な免許は必要ありませんでしたが、操作するとなると免許や資格が必要になります。ここではその免許や資格をご紹介いたします。
小型移動式クレーン運転の業務に係る特別教育
この資格はつり上げ荷重が1t未満のユニックの操縦をするために必要な資格です。ユニック車の基礎知識や原動機や電気に関する知識、そして運転するために必要な知識、関係法令についてを学びます。
実技では運転、合図についてを学びスムーズに操作できる技術を身につける事ができます。
小型移動式クレーン運転講習
つり上げ荷重1t以上5t未満の荷物を吊り上げる事ができます。労働技能講習協会の公的資格で、学科、実技、テストを講習後に受けて合格すればユニック車を操作する事ができるようになります。
資格を取得するには労働安全衛生推進協会が実施している講習を受け、試験に合格する事で取得する事ができます。
移動式クレーン運転免許
安全衛生技能技術試験協会の講習会で学科や実技などの講習を受け、試験に合格する事で取得する事が可能となります。
吊り上げ荷重が5t以上の移動式クレーンの操縦業務を行う事ができるようになるのですが、ユニック車自体を運転する事ができるものではありません。
玉掛け作業者
この資格は荷重1t以上の揚荷装置やクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛業務を行うために必要な国家資格となります。
実はクレーン作業を行っている最中の事故による作業員の死亡の原因の多くは、この玉掛作業のミスが原因だった事を受けて、平成12年2月24日に労働省から玉掛作業の安全に係わるガイドラインが設けられました。
なので玉掛作業を行う場合には、ユニックなどの資格以外に玉掛作業者の資格の取得をしましょう。
ユニック車を運転する際の注意点
運転や操作をする時にまず注意すべき点は、そのユニック車の定格荷重表をチェックして、作業半径やブームの長さがどのくらいなのかを確認しましょう。
チェックする事で効率よく作業を行う事ができるようになるからです。また、作業の前後には必ずブームの格納を忘れないよう注意が必要になります。
なぜならばブームを出した状態や長さを把握せずに運転していて、衝突事故を起こす事があるからなのです。特に格納したかどうかのチェックは最重要の課題です。
資格取得支援制度のある会社も
ユニック車の仕事をするのにどの資格を取得すれば良いのか悩みますよね。そんな時には資格取得支援制度のある会社を選ぶという選択肢もあります。
その会社に必要な資格を取得させてくれるので、スムーズに資格を活かした仕事をする事ができます。あらかじめ募集要項などに記載されているケースが多いので、しっかり確認してから面接を受けると良いですね。
まとめ
今回はユニック車の操縦や運転に必要な資格や、それぞれの資格の取得の方法などについてをご紹介いたしました。
資格の取得をしておけばその後の仕事にも有利に働きますし、お給料の面でも優遇されますのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。