4tトラックの小回りは最小回転半径で決まる!【メーカー別の比較表あり】
運転をする際に重要になるのが「最小回転半径」です。この数値によってどれだけ小回りが利くかが決まっていきます。
一般的にトラックの最小回転半径は普通車よりも大きくなっているのですが、実際にどれくらいなのかということはまだまだ知られていません。ここでは4tトラックの最小回転半径について紹介していきたいと思います。
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小回り性能を表す最小回転半径!
トラックの最小回転半径はそれぞれのメーカーによっても違っています。この数値は「ハンドルを目いっぱいにきった際に前輪の外側が描く軌道半径」で表された数値のことです。
簡単に言ってしまえば、そのトラックの「小回り性能」「Uターンのしやすさ」などを数値として表すもので、前輪と後輪の長さであるホイールベースの値が低ければ低いほど小回り性能に優れているということになります。
逆にこの値が高くなるとそれだけ最小回転半径は大きくなっていくために小回りが利かなくなっていきます。
4.tトラックの最小回転半径をメーカー別で紹介!
日野自動車 レンジャー
型式 | 最小回転半径(m) | 最大積載量(kg) | ホイールベース(mm) |
FC7JNAA | 7.8 | 3,600 | 5,320 |
FC7JLAA | 7.4 | 3,850 | 4,990 |
FC9JSAA | 9.0 | 3,650 | 6,200 |
いすゞ自動車 フォワード
型式 | 最小回転半径(m) | 最大積載量(kg) | ホイールベース(mm) |
SKG-FRR90S2-NCYS | 7.2 | 4,250 | 4,860 |
SKG-FRR90S2-MAYS | 6.9 | 4,300 | 4,660 |
SKG-FRR90S2-NDYS | 7.2 | 4,200 | 4,860 |
SKG-FRR90S2-MBYS | 6.9 | 4,300 | 4,660 |
三菱ふそう ファイター
型式 | 最小回転半径(m) | 最大積載量(kg) | ホイールベース(mm) |
PDG-FK71RJ6 | 7.2 | 4,200 | 4,650 |
PDG-FK61FK1 | 7.5 | 4,050 | 4,870 |
PDG-FK71RC6D | 4.8 | 3,960 | 2,910 |
UDトラックス コンドル
型式 | 最小回転半径(m) | 最大積載量(kg) | ホイールベース(mm) |
TKG-MK38L | 7.5 | 4,050 | 4,830 |
最小回転半径の計算方法は?
(最小回転半径)=(ホイールベース)/sin(最大切れ角)というのが最小回転半径を出す計算方法となります。
この計算式で表された数値が「12m」を超える車両は運輸局長の許可なしでは公道を走ることができないと「道路運送車両法」によって規定されています。
4tトラックではメーカーによって幅はあるものの、だいたい7m前後のものが多くなっています。
道路運送車両法では「かじ取装置を右又は左に最大に操作して低速で旋回させた場合の外側タイヤの接地部中心の軌跡の最大半径」と規定されているこの最小回転半径ですが、
実際に運転をしているとこの数値通りの結果になるかというとそうとも言い切れないというのが答えとなります。
カタログの最小回転半径にはならない?
車両の仕様書、カタログなどには最小回転半径が記載されていますが、これはあくまでも理論値であって実際にその数値通りの結果が必ず出るとは限りません。
路面の状態やタイヤなどの車両の状態、また、ドライバーの運転の仕方などによって最小回転半径は違ってくるのです。
最小回転半径が理論上の数字にならない理由は?
路面の状況
最小回転半径は実際の運転状況などによって理論値とは違ってきます。まずその原因となるのが路面の状況です。
路面が雨や雪で濡れているとそれだけタイヤが滑ることになりますし、路面が凍結しているときも理論値通りにはいきません。
また、舗装されたコンクリートなのか、砂利道なのかといった路面の材質によっても事情は違ってきます。理論値はあくまでも乾いた路面の場合の数値であることを覚えておきましょう。
タイヤの状況
トラックのタイヤは消耗品ですので、運転の仕方や経年による劣化が起こってきます。そのため新品のタイヤと使い込んだタイヤ、交換時期に入っているタイヤなどではタイヤの性能が違ってくるのです。
また、タイヤの空気圧が適正であるかどうかということも関係します。理論値通りの最小回転半径を出すためには溝がしっかりとある新しいタイヤで空気圧も適正であるということが重要になってくるのです。
ハンドルの切り方
同じ車両を運転していてもドライバーによって最小回転半径は変わってきます。ハンドルを切り出すタイミングや切り方、切ったときの速度などによっても変わってくるのです。
速度が出ている状態、浅くハンドルを切っている時、切り出すタイミングが遅い時には最小回転半径は大きくなっていきます。
このように最小回転半径はさまざまな条件によって差が出てくるために理論値通りにはならないということがほとんどなのです。
重要なのは自分が運転する車両の最小回転半径がどれくらいになるかを実際に試してみるということなのです。
最小回転半径を正しく理解しよう!
自分が運転する車両の最小回転半径を知ることはトラックのドライバーとしては常識です。
これを正しく理解、把握していないとカーブの際に自分が想定しているよりも大回りになってしまって対向車線にはみ出してしまったりすることになります。
また、右折の際にも対向車線との距離感やタイミングを間違えて追突事故を起こすということもあります。
実際に運転してみることで最小回転半径がどれくらいなのかを必ず確認しておきましょう。それが事故を未然に防ぐ安全運転につながります。
まとめ
トラックの最小回転半径はメーカーによっても違っていますし、実際に運転してみるとカタログや仕様書に載っている理論値通りにはならないということもわかります。
効率よく運転をするためにも、事故を防ぐ安全運転をするためにも自分が運転する車両の最小回転半径を確認しておきましょう。