8ナンバートラックってどんなトラック?ナンバーの分類について
トラックのナンバーと聞いて一般的に想像するのは1ナンバーか4ナンバーですよね。
しかし、中には8ナンバーを付けて走行しているトラックもいます。この8ナンバーにはいったいどのような意味があるのでしょうか。
そこで今回は、気になる8ナンバーの詳細について、該当するトラックの種類や8ナンバーを取得することにどのような意義があるのかを解説していくことにします。
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ナンバープレートの3桁の分類番号について
まず、ナンバープレートの数字にはそれぞれ意味があることをご存じでしょうか。運転免許を取得するときの教本にもこれといって記載されていることではないため、知らない方のほうが多いのではないかと思われます。
ナンバープレートには地名があり、その横に3桁の数字がありますよね。この3桁の数字は分類番号と呼ばれていて、車の種類を判別するために設定されているのです。
たとえば分類番号0、つまりナンバープレートの最初の数字が0の車両は大型特殊車両といった具合です。
トラックに関係してくるのは分類番号1の「普通貨物自動車」と、分類番号4および6の「小型貨物自動車」です。一方、肝心の分類番号8は「特殊用途自動車」ということになっています。
救急車や消防車などがこれに該当するのですが、ではこのナンバーがトラックに使われるとしたらどのようなケースが考えられるでしょうか。
使用目的によって3つに分けられる8ナンバー
8ナンバーのトラックについて知るには、まず8ナンバーについての概要を抑えておく必要があります。
緊急自動車
先述のとおり8ナンバーは特殊用途自動車です。その特殊用途自動車に含まれる中でもいくつかの区分があり、うちの一つとして緊急自動車という種類があります。緊急自動車に関する法的根拠は、道路交通法。
第39条に「緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう」と定められているのです。
緊急自動車の例としては救急車や消防車、パトカー、自衛隊車などが挙げられます。
法令特定事業
法令などに記された特定の事業を行うための自動車も8ナンバーを与えられます。給水車や採血車、霊柩車、バキュームカーなどがここに含まれます。
その他の使用
上記以外にも、特殊な目的のために使われる車両は8ナンバーを与えられることがあります。まずは運搬目的。タンクローリーや散水車、移動販売車、現金輸送車などが代表例と言えるでしょう。
次に患者等の移送の目的。寝台車や車椅子移動車などがこれにあたります。次に特殊作業目的。ボイラー車やクレーン車、レッカー車、高所作業車などが代表的です。
最後にその他キャンプまたは宣伝活動などを行う目的。キャンピングカーやキャンピングトレーラー、放送宣伝車といったものです。
8ナンバートラックとは?
ここまでの内容を踏まえたうえでなら、8ナンバートラックがどの区分に属するのかも想像できるのではないでしょうか。
もちろん緊急自動車や法令特定事業車ではありませんから、その他の使用目的のうち運搬のために使われる場合ということになります。
ミキサー車やゴミ収集車、活魚運搬車といった車両はトラックをベースに改造して製造されます。これらの車が8ナンバートラックです。
8ナンバートラックの運転に必要な免許は?
8ナンバートラックを運転する場合、もちろん車両に対応する運転免許を所持していなくてはなりません。車両サイズや総重量、定員数に応じて必要な運転免許を取得しましょう。
ちなみに、普通免許で運転できるのは車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満の車両。
準中型免許なら車両総重量7.5トン未満、最大積載量4.5トン未満。中型免許なら車両総重量11トン未満、最大積載量6.5トン未満。
それ以上のトラックを運転するのであれば大型免許が必要ですし、トレーラーならけん引免許も別途必要になります。
8ナンバートラックは特殊な用途で使われる都合上、車両サイズが大きいことも珍しくありません。自分の乗務するトラックに合わせて資格を取得しましょう。
8ナンバーを取得するメリットは?
ところで、そもそも事業者が8ナンバーを取得するメリットとはどのようなものなのでしょうか。
車検が2年
商用の自動車は1年に1回の車検が義務づけられていますよね。つまり、1ナンバーや4ナンバーのトラックは毎年どこかのタイミングで車検に出す必要があるわけです。
しかし、8ナンバーの車両であれば、その車検が2年に1回で済みます。
任意保険料が安くなることも
商用車を8ナンバー化することで、任意保険料や自動車税を安く抑えることも可能です。
高速料金
商用車よりも普通車のほうが高速道路料金は安く設定されていますよね。8ナンバーの車両は普通車料金で高速道路を通行できるため、1ナンバーや4ナンバーよりもコストが少なくて済みます。
過去には税金逃れのために違法取得も…
上記のとおり8ナンバー化には複数のメリットが存在するため、過去には不正に取得しようとする試みが横行しました。
90年代半ばから2000年代初頭にかけては規制緩和によって自動車の改造車検がしやすくなったこともあり、有名無実の8ナンバー化を行うことが難しくない状況にあったのです。
そこで2001年、国土交通省は特種用途自動車の規制強化を実施し、構造要件を厳格化しました。中でもキャンピングカーは、2003年以降新しい規制が適用されるなど特に注意深く対応されています。
まとめ
特殊用途自動車を意味する8ナンバーの中には、トラックをベースとして製造された車両が数多く存在します。
もし8ナンバーのトラックのドライバーになるのであれば、自分の運転することになる車両に合った運転免許を取得しておきましょう。