トラックにも使えるロープの種類は?結び方も合わせて紹介!
トラックに色々な大きさ、形状の荷物を積載するために特には荷物が不安定になることがあります。そのため荷物を固定するための道具を使うことになるのですが、もっとも汎用性が高いのが「ロープ」です。
そこでここではロープの種類とその結び方について紹介していきたいと思います。
Contents
落下物は落とし主の責任です!
荷物を積載して運搬している際に、荷台から荷物が落下したとします。後続車がその落下物が原因で事故を起こしたり、車両が破損した場合には「落とし主の責任」となります。
そのため積載物は荷台でしっかりと固定しておく必要があるのです。特に高速道路など車両が速度を出している時に荷物を落下させると大きな事故につながる可能性があります。
トラックに使えるロープの基準とは?
摩擦に強い
荷物を固定させるために使用するロープですが、荷物を固定させて運搬していると、どうしても荷物とロープが擦れていくこととなります。
そのため摩擦に弱いロープではロープがほどけてしまったり、ロープがちぎれてしまうことがあります。まずは「摩擦に強い」ということが重要となるのです。
ほどけにくい
トラックドライバーは荷物を積むのにも降ろすのにも、それに長い時間をかけてはいられません。
荷物を積む際は素早く積んでいく必要がありますし、他のトラックのためにも積んだらすぐに出発しなければいけません。
しかも素早く結びながらもしっかりと結べていなければ意味がありませんので「簡単にしっかりと結ぶ」ことが求められるのです。
そして、ロープの結び方は「運搬中に緩んだりほどけたりしない」「目的地について荷物をほどくときには簡単にほどける」ということが求められるので、ロープの材質もそれに合わせたものとなります。
トラック用ロープの種類について
標識トラロープ
黄色と黒の2色のナイロンロープのことをトラロープと呼んでいます。ロープ自体が目立ちやすいということもありますし、荷物の固定や柵の結束などにも多く使われているロープとなっています。
これもトラックの荷物を固定するためのロープとして使用されることがあります。
ビニロンロープ
もっともトラックのロープとして使用されているもので、一般的なものと言えます。滑りにくく、ロープの強度もあるので破損しにくくなっています。
さらにそれほど高価なものではないために気軽に利用できるという点もメリットです。大きな家具や重い荷物を荷台に固定するときに多く使用されています。
ポリプロピレンロープ
ポリプロピレン(PP)ロープは特に耐久性が高い素材のロープとして有名です。
また、軽量であるために使いやすく、水を吸い込まないため、雨の日などに濡れるのが心配な積荷や、濡れている物を運ぶのにも最適のものとなっています。
トラックのロープとして使用されるだけでなく、漁業などでもよく利用されています。
トラックで使用するなら覚えておきたい3つの結び方
南京結び
南京結びはトラックの荷台にしっかりと固定することができるために大きな荷物を運ぶ際や長距離走行する場合によく用いられる結び方です。
慣れないうちは二人で行った方が確実ですので、ベテランの人に協力してもらいましょう。
南京結びの結び方は、
- ロープの片方を荷台の反対側に投げて先端をリングかフックにひっかけます。この際、慣れるまでは誰かに確認してもらうか、自分でしっかりと確認を行いましょう。
- ロープを投げた手前側でロープを数字の「8」の字にして、そのくびれた部分に下の輪の部分を一度巻いて首輪のようにします。
- 同じように下の輪の部分で巻いて一度巻いた部分の下に巻いていきます。
- 下側の輪からロープを通してフックに緩まないようにひっかけます。
- より強固に結びたいときはロープをねじってフックにひっかけると良いでしょう。
輸送結び
輸送結びは滑車の原理を利用してしっかりと荷物を固定するものです。
大きな荷物や複数の荷物を固定するのに利用されるものですが、かなりの力で固定するために荷物が柔らかい箱だったりするとロープが食い込んで傷つける可能性があります。
いらない箱や毛布などを間に挟んで利用するのが良いでしょう。
輸送結びの結び方
- 荷物の上にロープをひっかけて片方を固定しておきます。
- 反対側のロープは二つに折って先端部分をロープの上から交差させていきます。
- ロープを先端部分に絡めて上と下の二つの輪を作り、引っ張っていきます。
- 下方向に伸びたロープを手繰り寄せつつ、下側の輪に通します。
- 下側の輪を下に伸ばして荷台のフックに引っ掛けます。
- ロープの端を引っ張れば締まっていきますが、引っ張り過ぎると荷物が変形したり破損したりするので注意が必要です。
- 残ったロープを荷台と荷物のあいだに挟めば完成です。
もやい結び
もやい結びとは船を岸につなぐときの言葉である「もやう」から変化したものだと言われています。
強固に結ぶこともほどくことも簡単にできるという強みがあり、「自在結び」と呼ばれて救急時のときなどにも使われるものです。
トラックで使用される時には荷台の荷物を固定するのに使われ、増し締めが用意にできるというメリットもあります。
もやい結びの結び方は、
- ロープの向きに注意して荷台のリングなどを利用して交差させて輪を作ります。
- 輪の向きに注意して輪の下側からロープを通して、ロープの元の方の下を通します。
- 輪に指を挟んでしまわないように気をつけながら上に折り返して輪の上から通します。
- ロープの両端を絞っていきます。
慣れた人は片手でも結ぶことができるという結び方です。とにかくロープの向き、輪の向きに注意して行いましょう。
ロープの増し締めは必ず行おう!
荷物を固定して走行していると、少しずつ荷物が動くことで隙間ができてしまうことがあります。そのため、出発時にはしっかりと固定されていたはずの荷物が緩んでしまうことがあるのです。
そんな際は「増し締め」を行いましょう。走行したら、改めてロープをしっかりと締めることでさらに荷物を固定することができます。
まとめ
トラックで荷物を運搬する際には、荷台に荷物を固定させるためにロープを多く使っています。適した素材のものを使って、正しい結び方をすることでしっかりと荷物を固定させることができるでしょう。
荷物に適したロープを選んで、正しい結び方で荷物を固定させて安全に運搬しましょう。