運送会社はなぜ離職率が高いのか?離職率が高い理由を解説!

   

運送会社への転職検討者にとって、その業界で働く方の離職率は気になりますよね。運送業界は一般的に離職率が高いというイメージがある業界ですが、実際の離職率は高いのでしょうか。

そこで今回は、運送会社への転職を考えている方の為に、実際の離職率や離職の原因などについて詳しくご紹介していきたいと思います。

運送業界の離職率は高くはない

「運送会社って離職率が高いらしいね」そんな話を聞いて、運送業界に足を踏み入れることを不安に思う人もいるかもしれません。

けれど、実際に長年運送業界に身を置いている立場から言えることは「運送業界」自体の離職率は、決して高くないということです。むしろ定着率の高い業界ともいえるでしょう。

かくいう私も、一度は運送業界から10年ほど離れたものの、ドライバー職が恋しくなり運送業界に舞い戻りました。運送業界は、性に合った人間にはとても魅力的なものなのです。

では、なぜ「運送会社は離職率が高い」と言われるのか。それは、業界内での転職が多いからです。もちろん業界から離れてしまう人もいるので、そういったケースについても解説していきます。

運送会社での働き方と離職率

運送会社の運転手

運転手は、業界内では同業他社への転職が最も多い職種です。働き方改革によって過酷な業務は少なくなってきたとはいえ、まだまだ行政の目が届かない部分では、無理を強いられる会社もあります。

運転手は、物流施設などで同業他社のドライバーと接する機会が数多くあります。何度も顔を合わせるうちに仲良くなり、お互いの就業条件を話題にする機会も出てきます。

そこで劣悪な就業条件であることを打ち明けた結果、「だったらウチにおいでよ」と引き抜かれるという展開が非常に多いのです。

運転手の仕事が性に合わない場合は別ですが、性に合っていても業界を去ってしまう場合のほとんどは、そういった「条件の良い同業他社への道」に出会うチャンスのなかったケースでしょう。

運送会社の事務職

事務職に関しては、あまり離職率は高くありません。他の業界の事務職と同様に、離職理由は家庭の事情などです。運送会社の事務職は、他業種の事務職に比べて大きな違いがあるわけではありません。

もちろん業務内容としては運送会社ならではのものもありますが、退職理由につながるほどのものが運送業界特有であるのかといえば、特にないのです。

家庭の事情以外の理由で不満を感じて離職するのだとしたら、「その運送会社」の問題です。

運送会社の管理職

管理職についても、離職率は高くありません。仕事内容を理由に離職をするとしたら、やはり運送業界に嫌気がさしたという理由ではなく、その会社の問題でしょう。

ただ、たとえば運行管理者などの場合は、多くのドライバーの割り振りを決めたり、不満をぶつけられたりということに疲れを感じてしまうこともないとはいえません。

気難しい運転手がいたり、口うるさい顧客がいたりと、ストレスの多い立場でもあります。ただし、運行管理者も有資格者や経験者が重宝される職種ですので、同業他社への転職は少なくありません。

どんな理由で離職しているのか?

長い勤務時間

働き方改革が導入されたとはいうものの、まだ慣習的に拘束時間の長い運送会社もあります。長距離の場合は家に帰れる日が少なく、家族と過ごせる時間が少ないということもあります。

また、オフィスワークのように実動8時間で残業がないという仕事は、あまり多くありません。始業時刻や終業時刻が不規則なケースも多く、決まった働き方をしたい人には向いていないともいえるでしょう。

とはいっても、いつも決まった時間で運行する仕事も存在します。「固定ルート配送」などのキーワードで探してみれば、時間の変動があまりないドライバー職も存在することがわかります。

手作業がきつい

いわゆる「手積み手降ろし」は、ドライバーが離れる大きな理由のひとつです。若いうちはできても、年齢を重ねるときつくなってしまうので、長く続けられないと感じる人も出てくるのです。

体力の限界を感じた運転手は、手積み手降ろしがない、または少ない運送会社を探して転職するか、場合によっては運送業界から離れてしまうこともあります。

けれど、手積み手降ろしのない仕事も数多くあります。

センター間輸送ならばカーゴ台車やパレットでの輸送になりますし、少しでもバラ積みがあることに耐えられないのであれば、レンタルパレットの輸送を担う会社に行くこともできます。

また、タンクローリーやダンプのドライバーであれば、手積みが発生することは有り得ません。ちなみにトラックを降りた元ドライバーは、物流業界の中で倉庫業やフォークマンなどに転職するケースもあります。

給与が安かった

ドライバーの給与は、本当にピンキリです。全く同じ業務内容でも「A社とB社では月額10万円ほどの違いがある」というケースもしばしば見かけます。

また、日給月給制の会社もあれば、月給制の会社や歩合制の会社もあります。ドライバーは情報収集を重ね、同じ条件であれば少しでも給与のいい会社への転職を検討するのです。

とはいえ、さすがに2tと大型やトレーラーでは、給与は大きく違ってきます。大型やけん引免許を取得するつもりのない人にとっては、給与の安い業界と感じても仕方ないかもしれません。

もし「ドライバー職自体に不満はないが、給与が不満」という場合は、中型や大型へのステップアップを検討してみるのも解決策のひとつかもしれません。

運送業界は向き不向きが顕著に表れる業種

トラックドライバーは、性に合う人にとっては天職ですが、合わない人にとっては苦痛になり得る職業です。

交通事情によって簡単に就業時間は変わるし、長い待機時間が生じることもあります。ルート固定でなければ「昨日は6時起きだったけど、明日は3時起き」のように、不規則にもなりがちです。

また、雨だろうが雪だろうが台風だろうが、物流を止めるわけにはいかないので休めません。ちょっとした風邪ぐらいでは休めないという点もあります。

さらには、事故を起こしてしまえば他人の人生を狂わせるリスクもありますし、どんなに気をつけていても貰い事故というリスクもあります。このようなデメリットに耐えられない人には、向かない業界だといえます。

ただし、一人でいることが好きな人や運転が好きな人、誇りを持って働ける人にとっては最高の職業でもあります。特に運転が好きな人にとっては、1日中好きなことに携わっていられる、まさに夢のような職業なのです。

自分に向いているかの見極めが最重要

運送会社の業務内容は、会社によって全く違います。一般家庭に荷物を届ける宅配もコンビニ配送もドライバーなら、ダンプも大きな重機を運ぶトレーラーもドライバーです。

合わないと感じるのは運転することそのものなのか、それとも業務内容なのか。「運送業はきついらしい」という情報だけに惑わされず、就業条件を細かく確認して見極めることが大切なのです。

本当に自分に合っている仕事に出会えれば、60歳を超えても働き続けることができる業種でもあるのです。大切なのは、求人内容をしっかり見定めること。
そして、実際にその会社で働くドライバーに話を聞くことです。

まとめ

運送会社の離職率が高いといわれるのは、同業他社への転職が多い業界だからということがおわかりいただけたかと思います。逆に考えれば、合わないと感じたら他社に移ることもできる業界です。

一口に運送業界といっても、その仕事内容は実に様々です。自分に合った運送会社を見つけることができれば、それが幸せへの第一歩なのです。

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