【運送業・物流業対策】トラック運転手の志望理由まとめ【例文・解説あり】
近年、ECサイトの利用増加などにより運送業界への需要が高まり、その中でもトラック運転手をはじめとする配送業の企業は、採用に力を入れ始めています。
そんな背景を元に、「トラックドライバーになりたい、だけど面接での志望動機の伝え方が良くわからない..」
なんて方が結構いらっしゃるのではないでしょうか?
トラック運転手は、オフィス勤めのサラリーマンなどとは違い、普通の企業の志望動機とは内容も異なってきます。また、トラック運転手に就職された方の志望理由も人それぞれです。
今回は、現役ドライバーの方が実際に履歴書に書いた内容や、面接で話した内容などを元に、パターン別でトラック運転手の志望動機の例文をまとめてみました。
また、面接時の志望動機だけではなく、なぜトラック運転手へ転職したのか本音で語ってもらったものもまとめているので、自身が本当にトラックドライバーへ転職することが最適な選択であるのかどうかの参考にしてみてください!
Contents
トラック運転手の業務内容とは?まずは基礎知識を再確認!
ここでは、志望動機の例文集まとめに入る前に、トラックドライバーが実際どのような仕事をしているのか、業務内容についてを改めておさらいしていきます。
トラック運転手の仕事は配送がメイン!
トラック運転手の業務は、車の点検をして、決められた荷物をトラックに積み込み、目的地で降ろす配送がメインとなります。
配送業務時には、法定速度や標識に応じた運転を行うのはもちろんのこと、事前にルート確認をした上で安全運転を心がける必要があります。
また、配達する荷物に関しても、その内容がオーダー通りで誤りがないかを伝票で確認する作業も行います。
基本的にはお客さんの荷物を預かり、目的にまで送るだけの作業ではあるので、そこまで特別なスキルなどが求められる仕事ではありません。
運送業界の面接において最も重要なポイントとは?
運送業界の面接において、最も重要なポイントは、「継続的に働いていきたい!」という意志を先方に強く伝えることができるかどうか、です。
トラック運転手は、近年傾向として高齢化が進んでおり、採用担当者としては若い人材を採用したいと考えています。
一方で、若い人材ほどすぐに退職をしてしまうことを、会社側は懸念しているため、自社で長く働いてくれるかどうかを面接などの選考時には見極めようとしています。
したがって、前職でドライバー職の経験があるなしに関係なく、選考の際には、「会社に長く勤めていきたい意志があり、誠実な人材である」旨を担当者へ伝えられるように転職理由をしっかり考えておくことをおすすめします。
また、面接当日の服装は必ずスーツで行くようにしましょう。
運送会社は顧客や荷主とのやりとりも業務上多いです。お客さんに対しての誠実さや服装の清潔さなど、一定のマナーは評価対象となります。
パターン別!トラック運転手の志望動機例文集
それでは実際に、面接で使えるトラック運転手の志望動機を紹介していきます。
また、ここでは面接官にアピールしていくポイント別で、志望理由の例文を掲載していきます。
志望時のアピールポイントは、大きく分けると下記の3つです。
・自分がやりたい仕事である
・自分の長所が活かせる
・トラック運転手への思い
特に未経験者の方の場合は、過去の経歴だけでは伝わりづらい、自分がトラックドライバーとしての適性が、精神面でも体力面でもあるということをアピールしていく必要があるため、下記の志望動機をぜひ参考にしてください。
『自分がやりたい仕事である』ことをアピール
トラック運転手になるために大切な志望動機のひとつとして、運転が好きであるか?トラック運転手に本当になりたいのか?などをきちんと伝えられるかどうかがあげられます。
トラックドライバーこそ、自分がやりたい仕事だということを伝えるためには、以下の2点を選考時に伝えられるよう心がけましょう。
■運転が好き
運転が好きであることは、多くの人がトラック運転手を志望する際にあげる理由の一つです。
トラック会社は長く、楽しく働いてくれる人を求めているため、やはり運転が好きな人を採用したいと思っています。
また、運転はもちろん、普段行けないいろんな場所に行くことが楽しいという理由や、その地域の地理に詳しくなることが好き、という理由でも良いでしょう。
例文1:
運転が大好きで、高校生の頃からトラック運転手になりたいと考えていました。 トラックの運転は未経験ですが、以前●●でセールスドライバーの仕事をしていたので、運転手としての経験はあります。 また中型自動車免許もすでに取得しているため、入社後は中型トラック運転手として活躍することが目標です。
例文2:
私は自身の運転スキルをトラック運転手の仕事に活かしたいと思い、御社に応募致しました。普段から家族旅行などで知らない場所へドライブすることが好きで、初めて行く場所の地理を覚えることも得意です。目的地に確実に荷物を届けることが仕事であるトラック運転手は自分にとって最適な仕事だと考えます。
■自分の生活リズムに合っている
業務内容によっては、勤務時間が不規則になったり労働時間が長くなったりするため、トラック運転手は普通の事務などで働く人とは違ったライフスタイルで働くことになります。
そのため、不規則な生活リズムでの業務や、1人で行う仕事が好き、などが自身の志望動機に当てはまれば、選考においては大きなアピールポイントとなります。
例文:
自宅から勤務地が近く、勤務時間も自分のライフスタイルに合っているのが一番の理由です。 長距離ドライバーは夜から翌朝にかけての業務が多いかと思いますが、これまでも夜勤メインでの仕事を経験してきた私には夜型の生活に全く抵抗がないので、特に問題なく仕事できると考えています。
『自分の長所が活かせる』ことをアピール
自分がトラック運転手にふさわしいことを伝えるために、自分の能力がトラック運転の業務に活かせることをアピールすることも大切です。
また、能力と一言で言っても、単なる運転のスキルだけが面接官に評価されるというわけではありません。実際にどのような長所をアピールしていけばよいのかを解説していきます。
■コミュニケーション能力が高い
トラック運転手のみならず、どのような仕事においても必要とされるのがコミュニケーション能力です。
トラックドライバーは1人でトラックを運転し、人とはあまりコミュニケーションを取らない仕事だと思われがちですが、実はコミュニケーション能力が必要とされる職業でもあります。
特に、一般宅・個人宅への配送ドライバーや、荷主・顧客との交渉が必要なセールスドライバーの場合はコミュニケーション能力の高さが仕事の獲得や評価に繋がるため、「人と話すことは好きなのでドライバーになりたい」というのも立派な志望動機になります。
例文:
知人がセールスドライバーの仕事をしていたのが興味を持ったきっかけです。 話を聞く中で、ただ運転するだけではなく、お客様とのコミュニケーションや出会い、感謝がある仕事内容に魅力を感じました。 私自身、過去に営業など接客の仕事の経験があるのと運転には自信があることから自分にとってはベストな仕事なのではないかと考えています。
■体力に自信がある
トラック運転手は、荷物をトラックに積んだり、降ろしたり現場で運んだりと力仕事をする状況が多くあります。ですので、体力に自信があるのは大きなアピールポイントとなります。
宅配運転手など、短距離で色々な拠点を回る場合は荷物を1日中送り届けるため、積み下ろしの際に力が必要となりますし、長距離運転手の場合も、長い時間眠気に負けずに安全運転を心がける必要があるので、体力が求められます。
例文:
体を動かすことが好きで、それを生かした仕事がしたいと思いトラック運転手に応募しました。細かい作業やオフィスワークは得意なほうではないですが、に体力には自信があります。また、以前仕事をしていた会社に来てくださっていた配送の方のきびきびとした動きやマナーなどが素敵だと感じ、そういった人間になりたいと思って応募しました。
■集中力がある
トラック運転手には高い集中力が求められます。常に目的地までの到着時間に間に合うかを意識しながら、事故を起こさないように安全運転を終始心がけていく必要があります。
仮に事故を起こしてしまった場合は、事故損害の一部は運転手負担となるため、事故は100%起こせない仕事だと考えたほうが良いでしょう。
例文:
私は運転が得意であることはもちろん、集中力にも自信があります。遠出した際に、夜中4時間通しで運転したこともありますが、集中力を切らして事故を起こしたりしたことはありませんでした。荷物を安全・確実に届けることが仕事であるトラック運転手に、自分のスキルを生かせるのではないかと考えています。
『トラック運転手への思い』をアピール
「幼い頃からトラック運転手への憧れなどの強い思いがある」というのも、十分な志望動機になります。実際に、両親や親族がトラックドライバーだったり、街で見かけるトラック運転手に憧れてドライバーを目指す人も多くいます。
■社会貢献をしたい思いがある
トラック運転手は、日本の物流を支える重要な仕事です。物流が止まってしまうと、我々の生活のあらゆる所に支障をきたします。日本の物流を支えているんだ、という自覚が、トラック運転手の大きなやりがいとなります。
参考:トラック運転手は底辺の仕事?底辺と呼ばれるようになった理由から噂の真相まで徹底解明!
社会貢献などの仕事の「やりがい」を持っているかどうかは、仕事が長く続くかどうかのものさしになります。精神的な部分ですが、面接官には十分なアピールポイントです。
例文:
安心安全に荷物を運び、日本の物流を支えることで社会貢献したいと思い、御社を志望しました。 そもそも運転が好きで、トラックを運転すること自体に憧れを感じています。 昔から好きなことは頑張れるタイプですので、御社での仕事を通じて社会に対しても貢献したいと思っています。
◼︎トラック運転手に憧れている
こちらも、社会貢献と同じく精神的な動機ではありますが、選考時に高評価に繋がる志望理由の一つです。
運送会社側も、トラック運転手に憧れている≒誇りを持って仕事をしてくれる≒実際に働いた際にも業務にコミットしてくれる と期待を持ってくれる可能性が高いです。
例文:
年が離れている親戚のいとこがトラック運転手で、小さい頃からいとこの働く姿に憧れ、トラック運転手になることが夢でした。また、車好きなこともありトラック自体も好きで、大きなトラックを運転することに喜びを感じます。
これだけは書いたり伝えたらダメ!志望動機NG集
次に、選考時に注意してほしい、志望動機にふさわしくない表現やアピールなどのNG集をまとめていきます。
運送業に就きたいという意志を伝えきれていない
例文:
私は、人と関わる機会が少ない配送の仕事に魅力を感じています。なぜなら、例えば接客業の場合、身だしなみに気をつかったり言葉づかいに注意したりするなど、様々なスキルが求められます。
しかし、配送業では運転業務のみがメインの仕事で、スキルの向上に努めやすいと思ったからです。また人と関わる機会が少ない分、クレーム対応などの精神的に負担のかかる業務が少なく、接客業と比較した時に働きやすいと感じたのも決め手となりました。
過去の接客業での経験と比べて、運送業へ転職したい意志を伝えようとしていますが、別業種との比較だけでは、ドライバーになりたい強い意志を伝えきれているとは言えません。
また、運送業が自分にとっていかに楽であるかどうかなど、自身に都合が良い部分のみを伝えているだけで、このような志望動機では、採用側から不信感を抱かれる恐れがあります。
志望動機が論理的でない
例文:
私は、学生時代にアルバイトで宅配便ドライバーをしていました。その際の、接客や顧客におもてなしをする感覚が好きで、自分が就職する際は物流・運送業界にしようと決めていました。グローバル化が叫ばれている世の中ではありますが、貴社は日本全国に支店を持っており、日本の物流を支えています。私は海外で働くより日本社会で働いていた方があっていると思うので、貴社に相応な人材であると思い、応募いたしました。
アルバイトで運送業界の経験から、ドライバーとしての志望動機をまとめていますが、唐突にグローバル化などの話が出てきたりと、話の展開が論理的ではありません。ニュースなどで知った情報をかいつまんで無理に知識があるように見せるよりも、自分の素直な気持ちや考えを伝えた方が採用担当者には響くことを意識しましょう。
トラック運転手へ転職した人たちの本音談
ここまでは、運送会社の選考時にへ採用担当者から高評価をもらうための志望動機の例やNG例をまとめてきました。
最後に、実際にトラックドライバーへ転職した人たちがどのような思いで運転手に転職したのかを本音ベースで語ってもらったものを掲載していきます。
本音談①:
昔からの夢で、理容師の仕事をしていましたが、給料が12万円程度と生活苦に陥り、転職を検討していました。 未経験・スキルを問わず、稼げる仕事はないかと思っていたところ、配送ドライバーの求人をみつけました。 年収は美容業界以外の友人に比べてもいいと思います。
本音談②:
給料面が一番の魅力でした。 家族が増えたタイミングでもあり、年収が400-500万程度は見込める仕事に就きたいと思っていました。 労働時間自体は長めで辛いときもありますが、大型免許の資格をとったり、牽引の資格をとったりとキャリアアップしていくことで長期的に稼いでいくことが出来る点では安定を手にすることが出来たと考えています。
本音談③:
純粋に大きいトラックを運転することに憧れていたからです。これまでは コンビニでアルバイトをしていましたが、夢を忘れることが出来ず、大型自動車免許とけん引免許を取得し、未経験ながら大型トレーラーの運転手の求人に応募し、無事に合格することができました。
上記の本音談の内容をまとめると、「給与面や生活の安定、憧れ」といったものがトラック運転手としての転職する際の強い理由となっているのが分かります。
まとめ
ここまで、トラック運転手の業務内容の確認から、選考時の重要なポイント、面接の際の服装や心がけること、志望理由のアピールポイント別の例文やNG集、ドライバー転職者の方の本音談までをまとめてきました。
なによりも大切なのは、本当に自分がそもそも物流業界の中で働くことが向いているのかを再認識することです。会社が求めていることは持続的に仕事を続けてくれることであり、取り繕った志望動機ではベストなマッチングが行われず、結果として不採用になったり、入社してもすぐに離職してしまう可能性があるので注意しましょう。