Nシステムとは?自動車ナンバー自動読取装置とオービスやHシステムの違いは?
高速道路には、交通の安全を確保するために、道路を走行する車を監視するシステムが備わっています。
交通の監視を行うシステムに一つとして、「Nシステム」というものが存在します。
今回は、Nシステムとはどんなシステムなのか、そして「オービス」と呼ばれる有名な監視システムとの違いをわかりやすく紹介します。
Contents
Nシステムとは何のこと?
Nシステムとは「自動車ナンバー自動読取装置」のことを指します。
具体的には、警察によって高速道路に設置された装置のことで、走行中の車両のナンバープレートを自動で読み取る機能を持っています。全国の約1500ヵ所の道路に設置されています。
Nシステムが設置されている理由
Nシステムの主な目的は、自動車に関連する犯罪が発生した場合に、検問などを行って渋滞を引き起こすことなく、容疑者や車両を補足したり検挙したりすることです。
Nシステムの役割は主に捜査で犯人を追跡することにあります。Nシステムは通過した車両のナンバーを読み取り自動で記録して警察の手は車両リストと自動で照会します。
もし、読み取ったナンバーの中に手配車両のナンバーと似ているものがあった場合には手配車両のメーカーや所有者などの特徴を割り出します。
得られた情報は、車両が検知された周辺の地域の警察無線で共有、警察官や捜査車両に通知され、通信指令室などからの命令で手配車両をついにするシステムとなっています。
犯罪車両に限らず、盗難車両の追跡や重要犯罪発生時などに不審車両の洗い出しにも使われます。
最近では持ち運び可能な「可搬式ナンバー読取装置」が配備されるようになり、街頭でもNシステムが見られるようになってきました。
また、Nシステムの使用用途も変わってきており、「無車検車」の感知にも使用されるようになってきました。「無車検車」とは、車検切れまたは車検を受けていない車のことで、公道を走ることを禁止されています。
この様に、Nシステムは走行している車両のナンバーを自動で読み取ることができる装置で、高速道路で車両を停止させて渋滞を招くといったこともなく捜査ができるようになります。
Nシステムとはドライバーにとって厄介な存在?
Nシステムは、一見、走行しているだけでナンバープレートを勝手に読み取ってしまう厄介な装置に思えるかもしれません。
しかし、ルールを守って安全に走行しているドライバーにとっては全く無害で、むしろ安全に走行するために役立っているものです。
Nシステムによって読み取られるのはナンバープレートだけであり、搭乗者の顔写真までは読み取られていないとされています。さらに、犯罪を犯したりしていない限りはナンバーを何かに利用されるということもありません。
ただし、ナンバープレートを読み取ることによってどの車が、いつ、どこを走行しているのかが分かってしまうので、プライベートの侵害に当たるのではないかという批判があるのも事実です。
Nシステムと似ている道路監視システムの例
「Nシステム」は走行中の車両のナンバープレートを読み取る装置でしたが、ここでは道路に設置されているもので、Nシステムとよく似ているシステムについて紹介していきます。
オービス
「オービス」とは「自動速度違反取締装置」のことで、道路を走行する車両の速度違反を自動的に記録し、取り締まるスピード測定器のことです。ちなみに、オービスはラテン語で「眼」を意味する言葉から取ったものです。
取り締まりの対象としては、一般道路では時速30㎞以上、高速道路では時速40㎞以上の速度超過を犯した車両が記録されます。可搬式のオービスの場合は15㎞以上に設定されている場合もあります。
Hシステム、LHシステム
「Hシステム」「LHシステム」はオービスの一種の速度計測です。オービスは、「レーダー式」や「ループコイル式」などいくつかの測定方法があります。
そのうちの一つである、Hシステムとはレーダーで自動車の速度を測定する方式で、速度超過を犯している車両を検知して自動的にカメラで撮影を行う装置のことです。
一方のLHシステムとは「ループコイル式Hシステム」のことで、複数の電線を道路に埋め込み、自動車を感知した時間と距離から速度を割り出す仕組みです。
車両が通過すると、金属に反応して電線の電流が変化することで車両の通過を感知して、速度超過があった場合はその先に設置されたカメラで撮影されます。
ループコイル式のものは、道路に埋め込まれているので目視ではほとんど気付くことはできません。
Tシステム
「Tシステム」は「旅行時間測定システム」と呼ばれ、ドライバーに目的地までの到達予定時間などの情報を提供することが目的の設備であるとされています。
「Tシステム」は計測方法や計測する情報としてはほとんど「Nシステム」と原理が同じであり、計測後の情報処理が多少異なるだけです。
そのため、Tシステムが収集する情報としてはNシステムのそれと大差なく、Tシステムが犯罪捜査に使われている可能性もあります。実際、Tシステムを犯罪捜査に使う可能性についても言及されています。
目的は、ドライバーに目的地までの到達予定時間などの情報を提供することだと出されていますが、基本は「Nシステム」と変わりないです。
Nシステムとその他のシステムとの見分け方
「Nシステム」は機能的に他のシステムとは異なることを説明してきました。では外観で「Nシステム」とほかのシステムを見分けることはできるのでしょうか?
外観におけるオービスとNシステムの違いは、大きな箱とランプがあるかどうかです。オービスは、カメラと大きな箱がセットになって設置されています。
さらに、速度を検知するとランプが光り、車両が撮影されます。この発光は非常にわかりやすく、肉眼でも感知することができます。
対してNシステムの場合は、カメラのみが設置されていて形が均一になっています。ただし、発光は肉眼では分かりにくいです。
また、オービスの場合は種類に限らず、オービスが設置されている区間の前で事前にオービスが設置されていることを知らせる看板が2枚以上設置されています。
そのため、事前告知があるかないかでオービスとNシステムを見分けることができます。
まとめ
「Nシステム」や「オービスは」主に高速道路を走行する車両を監視する装置です。
「Nシステム」は走行中の車のナンバープレートを読み取って自動で記録する装置で、「Hシステム」や「LHシステム」といった「オービス」は速度を測定し、速度超過を犯している車両を撮影するための装置でした。
「Nシステム」は速度超過というよりかは、重大な犯罪などに使われ、「オービス」は速度超過の取り締まりに使われるケースが多いです。
ですが、どちらの装置も交通ルールを守っていれば決して厄介なものではありません。交通の安全を確保してくれるための物であると理解しておきましょう。