牽引免許はいる?いらない?免許がなくても牽引できる車両は何キロまで?
他の車両を牽引して運転するためには「牽引免許」が必要だとされていますが、実際には牽引免許が必要ないという場合もあります。
そこでここでは牽引免許が必要ない場合の牽引について紹介していきたいと思います。
Contents
牽引とは
日常にもある牽引の機会
運送業界で牽引免許と言えばトレーラーなどがイメージされます。
もちろん大型トレーラーなどを運転するためには大型免許と牽引免許が必要になってくるのですが、それ以外にも
- 故障した車
- キャンピングカー、ボート
などを牽引するという場合も実際にはあります。それらに対してどの免許が必要になるかは違っている場合があるのです。
牽引に必要な免許
牽引をするために必要になるのは基本的に2つの免許です。
- 「牽引する車両の大きさに応じた自動車免許」
- 「牽引免許」
の2種類です。ただし、牽引免許は牽引される車両の大きさによっては必要ない場合もあります。
牽引第一種免許は牽引免許のなかでもっとも一般的なものです。車体総重量が750kgを超える貨物トレーラーなどを車両と連結して牽引して運転する際に必要となります。
トレーラーなどを運転するドライバーはこれを取得するのが普通です。
牽引免許がいらないのは?
車両総重量750kg以下の車・ボート
牽引される車両の重量については「道路交通法附則抄第4条3項」に規定があります。
この規則では、運転者が普通免許を取得している場合で、牽引する車両が750kg以下の場合であれば牽引免許なしでも牽引して良いということになっています。
そのため牽引される車両が常に750kg以下であれば牽引免許は不要であるということになります。
また、牽引免許のサイズに関しても規定があります。運転している車と牽引される車を合わせた
- 全長12m以下
- 幅が2.5m以下
- 高さが3.8m以下
であれば牽引免許は不要です。重量がオーバーしていてもサイズが収まっていれば牽引は可能なのです。
故障車
サイズや重量以外の規定によって牽引を可能とするのは故障車を牽引する場合です。故障している車を牽引する場合は総重量が750kgを超えていても牽引することが可能です。
ただこれは故障者を緊急に牽引しなければならないような特別な理由があるときのみに適用されるもので、常に使用できる条件ではありません。
規定の重量を超えた車を運転した場合
規定の重量を超えている車を牽引して運転した場合は無免許運転ということになります。必ず牽引される車の重量は確認しておくようにしましょう。
牽引免許を取得するには
牽引免許が必要な車
車両を牽引して運転するためにはその車両に応じた自動車免許が必要になります。
普通免許と牽引免許の両方を所持している場合は、
「車両総重量5,000キロ未満、最大積載量3,000kg未満、乗車定員が10人以下」
という条件の車両を牽引することが可能です。これらの条件のうち、どれか1つでも超えてしまうと法令違反になります。
中型免許や大型免許を取得していると大型車両も牽引できるようになってきます。
その条件は、
「車両総重量5,000キロ以上、最大積載量3,000キロ以上、乗車定員10人以上」
というもので、大型タンクローリーやトレーラーなどを牽引するためには自動車免許も中型免許以上の免許を取得していなければならないということになるのです。
牽引免許を取得する方法
牽引免許を取得するには主に3つの方法があります。
自動車教習所に通う
- 費用:地域によって差はあるがだいたい12~15万円
- 内容:技能講習12時間と試験
合宿に通う
- 費用:だいたい12万円ほど
- 内容:技能講習12時間と試験
一発試験を受ける
- 費用:6000~7000円ほど
- 内容:試験
となっています。試験だけ受ければもっとも安く、時間もかからずに取得できますが、トレーラーの試験は非常に難しいためよほどの運転技術がなければ一発試験では合格できません。
牽引免許取得の条件
牽引免許が必要になった場合は取得試験を受けなければいけません。その際に必要となる条件は以下のようなものです。
- 大型自動車免許、大型特殊自動車免許、中型自動車免許、普通自動車免許のいずれかの免許を取得していること。
- 年齢は満18歳以上であること。
- 視力は両眼 0.8以上、片眼0.5以上(眼鏡、コンタクトレンズ使用可)、深視力検査で誤差が2cm以下、色彩識別は、交通信号機の色が識別できる、聴力は10メートルの距離で90dbの警音器の音が聞こえる(補聴器で補った聴力含み)
- 自動車の運転に障害を及ぼす身体障害がないこと。
牽引小型トレーラー限定免許とは
車体総重量が750~2000kg以下限定の牽引ができる免許が牽引小型トレーラー限定免許です。
小型トレーラーしか絶対に使用しない場合はこちらの免許でも構いませんが、場合によって大型のトレーラーを運転する可能性があるといった場合はこの免許では運転することができません。
また、この免許の取得には試験用の車両を自分で教習所に持ち込む必要があるため実際にはあまり利用はされていません。
まとめ
車両を牽引する際には牽引免許は必要になるというイメージがあるのですが、実際には条件によって牽引免許を持っていなくても牽引を行うことができる場合があります。
ただし、条件に違反すると法令違反になるため、車両のサイズや重量などには十分に注意をしましょう。