いすゞと日野の違いとは?国内トラックメーカーの2トン・4トン・大型トラックの詳細比較
いくつもある国内トラックメーカーの中で、トップクラスの販売数を誇っているのは「いすゞ」と「日野」です。では両社の違いはどこにあるのでしょうか。
それぞれの会社の特徴や販売されているトラックについて紹介していきたいと思います。
Contents
トラック販売台数比較
年間のトラック販売台数をトップクラスの会社で見ていくと、
- いすゞ 29,082
- 日野 36,478
- 三菱ふそう 15,725
- UDトラックス 9,764
となっており、「いすゞ」と「日野」が圧倒的であることがわかります。シェアで言えばこの2社で全体の60%以上を占めているほどです。
いすゞ
会社概要
いすゞ自動車は1916年に操業を開始しており、現存している国内の自動車メーカーではもっとも歴史のある会社となっています。
1922年には国産の乗用車を完成し、1934年に商工商標準形式自動車を五十鈴川にちなんで「いすゞ」と名付け、これが社名となりました。
現在は国内で乗用車事業は行っておらず、トラックの製造に集中していることで国内トラックメーカー収益率1位を達成しています。
いすゞトラックの特徴
いすゞのトラックの特徴はディーゼルエンジンの性能の高さです。燃費の良さ、騒音や振動の少なさが国内だけでなく海外でも評判となっており、高く評価されています。
また、製造をトラックに集中していることからも企業力を集中できるという強みがあります。
コスパのよさに定評あり
いすゞのトラックは新車で買う場合に「新車割引」が適用されて値引き幅が非常に大きいという特徴があります。
トラックの性能自体は非常にレベルが高いものであることと合わせてコスパが良いと評判になっています。
日野自動車
会社概要
国内の4大トラックメーカーの一つでもある日野自動車はトラックやバスなどの商業用自動車を製造している大手メーカーです。
1966年からはトヨタ自動車と業務提携を行っており、現在はトヨタグループの連結子会社となっています。特に大型車の開発と生産が多くなっています。
日野トラックの特徴
日野自動車のトラックはとにかくエンジンの馬力があることと高い技術力が応用されていることが特徴です。世界でもっとも過酷なモータースポーツと言われるダカールラリーにも出場しています。
また、2019年夏から大型トラックにハイブリットシステムを搭載したプロフィアハイブリットを海外で販売しており、海外での知名度が高いという特徴もあります。
故障の少なさが人気の秘密
トラックと言えば長距離を走ったり、運転頻度が高いということからも故障しやすいという要素があるのですが、日野自動車のトラックはその性能の高さ、壊れにくい部品や技術などによって「故障が少ない」という特徴があります。
大型トラックが故障した際には部品が高額であるということもあって費用がかかるものですが、故障が少ない日野自動車のトラックではそれを抑えることができるのです。これが人気の秘訣とも言えます。
いすゞと日野のトラックの違いを比較!
2トン:いすゞ「エルフ」と日野「デュトロ」
それぞれの小型トラックを見ていきます。いすゞのエルフは初代の発売が1959年という歴史あるトラックで現行のものは6代目に当たります。性能が良く、燃費も良いという優秀な車両です。
日野のデュトロは2011年にフルモデルチェンジが行われ、それ以前のものよりも格段に燃費性能が向上しました。
小型トラックはとにかく運転回数が多くなる傾向がありますので燃費が良いというのがポイントです。
4トン:いすゞ「フォワード」と日野「レンジャー」
いすゞのフォワードは「前進」「促進」という意味があり、こちらも初代が1970年という歴史あるトラックです。現行の車両は2007年からの5代目ということになります。
ウイング車、冷蔵冷凍車などさまざまなバージョンがあり、車両サイズにもバリエーションがあるのも特徴です。
日野の「レンジャー」は日野自動車が製造している人気の中型トラックです。4t~10tという幅広いラインナップが用意されています。
初代が1964年に発売されたレンジャーは2001年にフルモデルチェンジをした5代目が現行車です。
「日野エコラン」というシステムを搭載することで、エンジン回転と過度な加減速をなくし、走行を最適化すると同時に燃費性能も向上させています。
大型:いすゞ「ギガ」と日野「プロフィア」
1994年にそれまであった810シリーズを継ぐ車両として登場したのがいすゞのギガです。現行車は2015年にフルモデルチェンジした2代目で、大型トラックの中心的存在ともいえる車両となっています。
日野のプロフィアはダンプやミキサーなど大型トラックから換装していくことも可能となっている汎用性が高い大型トラックです。それだけに使用用途が広く、数多くの業界で使用されています。
いすゞと日野が共同開発
2019年5月、いすゞ自動車と日野自動車は共同開発した「ハイブリッド(HV)連節バス」を公開しました。
これは2つの車両をつないでいるバスで多くの人を一度に運ぶことを可能としているものです。その人数は最大で120人にもなり、ラッシュ軽減に役立つとされています。
開発された連節バスはそれぞれの会社で販売され、その名称も違っています。
- いすゞ・・・「エルガデュオ」
- 日野・・・・「ブルーリボン ハイブリッド 連節バス」
というもので、2020年の東京五輪・パラリンピックなど大量輸送が必要となる大型イベントに備えられています。
いすゞ自動車と日野自動車はライバル関係にありますが、こういった動きもあるのです。
まとめ
国内のトップトラックメーカーであるいすゞ自動車と日野自動車はこれからもトラック業界の中心にあるでしょう。それぞれの特徴を知った上で、高性能なトラックを活用していきましょう。